映画『ペレ 伝説の誕生』のトークイベントが、6月29日、都内のサッカーミュージアムにて行われ、日本代表DFの吉田麻也選手(サウサンプトンFC所属)と、お笑いタレントの土田晃之が出席した。
“サッカーの王様”と称される元サッカーブラジル代表のペレ。スラムしか知らない17歳の少年が両親や家族、仲間たちに支えられ、ブラジルの名門サントスFCに入団し、破壊寸前の母国ブラジルを世界の頂点へと導く。本作は、エースNo.“10”を誕生させた彼の半生を描く。
普段からサッカー番組や映画、漫画は観ないという吉田だが、「この映画は、サッカーの技術がとてもしっかりしていて、感情移入しやすかった。俳優さん本人がプレーしていて冒頭のところから引きすり込まれました。正直、世代が違うので、ペレのことは知らなかったんですが、偉大な選手のことを知ることができて良かったです。サッカーはチームスポーツ。メンタルの部分が重要だということが勉強になりました」とニッコリ。
ちなみに、主役を務めるケヴィン・デ・バウラは、オーディションでなかなか条件のあう俳優が見つからないとき、監督たちが、たまたまYouTubeでアマチュア選手の彼を見つけスカウトしたという。また、ペレの父親を演じるセウ・ジョルジは、元々歌手として活動しており、2012年ロンドンオリンピックの閉会式でパフォーマンスを行い、サプライズゲストとして登場したペレ本人と同じステージに立っている。
吉田は、リオデジャネイロ五輪に出場するU-23日本代表の若き選手に向けて、「仲間たちと戦える最後のチャンスになる。ロンドン(五輪)のときスペインを叩けたのはすごく大きかった。逆に(ブラジル)W杯ではコートジボワールに負けて、後にかなり引きずってしまったので、初戦がすべてだと思ってやってほしい」とエールを送る。自身も、2018年ロシアW杯最終予選を控え、「一致団結して良いチームを作らないといけないと思っています。日本らしいサッカーを作るためにも、みんなに『この映画を観ろ!』と伝えたいですね」と自身の心情と作品を重ね、映画もしっかりPR。
サッカー好きで知られる土田も、「僕もペレ世代ではなく、釜本(邦茂)さんの引退試合の時にペレが来たなぁ・・・という程度。でも、(この映画は)実話ですからね。ペレはもっと余裕な感じでワールドカップに挑んでいると思っていました。ブラジル代表が優勝に至るまで裏で色々あったんだなぁと」としみじみ。本作についても「サッカー関係者から絶賛の声が上がっていますね。セルジオ越後さんも、『この映画は日本サッカーが世界へ羽ばたくための資料になり得るんじゃないか』と絶賛していましたよ」と伝えていた。
「映画から、自分の信念を貫く精神力の強さがいかに大事かを学んだ」と話す吉田は、「サッカーが上手い選手はたくさんいるが、試合で実力を出せる人は少ない。プロは1回相手に抜かれたくらいで凹むくらいでは通用しない」と力説。
最後に、「友達や家族、周りに支えながら、ブラジルサッカーが上手くいかない時代をペレはどうやって切り抜いていくのか・・・。サッカーのスキルも非常に高い映画でなので、ぜひ、観ていただきたい」と吉田。土田は、「映画の冒頭から”こういう始まり方するんだ!”という驚きがあります。そして、今よりブラジルが貧富の差が激しかった時代に、ペレが成長していくストーリー。あの伝説のペレは、本当はこれだけ苦労してワールドカップに行ったんだ!というのも観られます。エンドロールでは実際の試合映像もあって全編がみどころ。ぜひ楽しんで観てください」と挨拶し、イベントを締めくくった。
映画『ペレ 伝説の誕生』
【ストーリー】
スラムしか知らない17歳の少年は、絶望の淵で“禁じられた切り札”を選択する
1950年、ブラジルは優勝確実と言われた自国開催のW杯の優勝を逃し、全国民は絶望した。スラムで育った少年ペレはブラジルの敗退にショックを隠せず涙に暮れる父親に約束する。「僕がブラジルをW杯で優勝させる」1958年、スウェーデンW杯のブラジル代表チームに史上最年少で選ばれたペレだったが、そこには多くの試練が待ち受けていた ―
製作:ペレ、ブライアン・グレイザー
脚本・監督:ジェフ・ジンバリスト、マイケル・ジンバリスト
キャスト:ケヴィン・デ・バウラ、ディエゴ・ボネータ、コルム・ミーニイ、セウ・ジョルジ、ヴィンセント・ドノフリオ 、ロドリゴ・サントロ
2016年アメリカ/107分
配給:アスミック・エース
公式HP:http://pele.asmik-ace.co.jp/
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7月8日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!