映画『パーフェクト・レボリューション』の完成披露試写会が、9月7日、東京・TOHOシネマズ 新宿にて行われ、主演のリリー・フランキーをはじめ、共演の清野菜名、小池栄子と、松本准平監督、企画・原案の熊篠慶彦が登壇。さらに劇中歌を提供した峯田和伸(銀杏BOYZ)も登場し、作品の完成を喜んだ。
本作は障害者のセクシュアリティーに関する支援を行う活動家・熊篠氏の実体験をもとに、幼少期、脳性麻痺を患い車椅子生活を送っているクマと、人格障害を抱える風俗嬢・ミツのハチャメチャな恋を描くピュアラブストーリー。クマ役をリリー、ミツ役を清野が演じる。
障害者の主人公を演じたリリーは「これまで障害者を扱った映画は重くなければいけないという風潮に疑問を抱いていました。ゲラゲラ笑える映画が今までなかったのが不思議」といい、「普通の映画として楽しんでもらいたい」声をかける。
昔から友人関係だという熊篠というリリー。「10年ぐらい前にエッチなイベントがあって、TENGAの方々に紹介していただいたのが熊篠くんだったんです」と明かし、「障害者にも性欲や恋愛感情があるという当たり前の事実を声高に叫ばなければならない熊篠くんの活動に、健常者がそう思ってないというズレを感じた。そんな熊篠くんに共鳴したんです」と出会いを振り返っていた。
役作りについて尋ねられると、「熊篠くんをもともと知ってるから、役作りはそこまで苦労しなかったけれど、電動車椅子の操作が難しかったですね。レッスンに行きました」と話すと、「でも習得早かったですよ」と熊篠。リリーは「俺、車の免許ないから車椅子1台欲しいなと。家から銀座まで10分で行ける自信がある」と言って会場を沸かせた。熊篠はリリーの演技を「遠目に見たら完全に脳性麻痺のオッサンですよ(笑)」と褒め、ニッコリ。リリーは「プロの方に褒めていただいて・・・」と嬉しそうに笑った。
また、リリーは劇中歌「BABY BABY」の使用について峯田に直談判したとのこと。「曲の歌詞と、クマとミツが話している内容が似ていて、この音楽みたいに世界をかえなくちゃいけないと思った。ファンにとっては大切な曲ですが、曲のエネルギーで助けてもらおうと、峯田くんにメールを送ったら、7秒くらいで『いいですよ~』と返事が来たんです(笑)」と明かし、峯田は「リリーさんからメールが来て、もう『お願いします!』という感じでした」と振り返り、「そしたら、ナレーションもされられて・・・(笑)。(ナレーションは)初めてでしたが面白かったです」と満足げ。
エネルギッシュなミツを演じた清野は「脚本を読んだら、頭の中でミツが勝手に動いて生きていたので絶対演じるだろうなと思った」とコメント。「監督からのお手紙をいただき、『ミツの笑顔と清野さんの笑顔がぴったり』と書かれていて嬉しかった」と松本監督からの手紙に心を動かされたことを告白。しかし、リリーは「結構気持ち悪いですね…。俺は手紙をもらってないよ」とツッこみ、小池も「私ももらってない」と続け、松本監督はタジタジになっていた。
介護士・恵理役を務めた小池は「仕事で現場に行ってるのに、2人の愛が育まれていく様子を見るのが楽しくてしょうがなかった・・・」と吐露。小池に介護を受けたリリーは「小池さんに髪を洗ってもらったんですが、小池栄子に髪の毛を洗ってもらうっていうのは、男としてある種の“上がり”ですよ」と自慢げに語っていた。
最後にリリーは、「障害者をテーマにしてる映画ってすごい重いんじゃないかと思うかもしれませんが、この映画はバカみたいにポップでエンタテインメント。それを“不謹慎”というほうが一種の差別。あんまり緊張して観ると、後で損したと思いますよ(笑)」とアピールし、舞台挨拶を終了。清野は映画のように熊篠の車椅子の後ろに乗って笑顔のまま退場した。
『パーフェクト・レボリューション』
<STORY>
泣いてもいい、笑われてもいい。障害なんて二人で超える。革命は起こせる。
泣いてもいい、笑われてもいい。障害なんて二人で超える。革命は起こせる。
クマは幼少期に脳性麻痺を患い、手足を思うように動かせず車椅子生活をしている。ただし彼はセックスが大好き。身体障害者にとっての性への理解を訴えるために活動している。そんな彼が、ある日、美少女・ミツと出会う。障害者であるにもかかわらず生き生きと生きているクマに、ミツは「あなたとわたしみたいなのが幸せになれたら、それってすごいことだと思わない?」「それを世界に証明するの!」。どんな不可能も可能にする、ハチャメチャだけど純粋な、クマとミツの“最強のふたり”のラブストーリーがいま始まる!
出演:リリー・フランキー 清野菜名 小池栄子 岡山天音 余 貴美子
監督・脚本:松本准平(『最後の命』)
企画・原案:熊篠慶彦(著書「たった5センチのハードル」)
劇中曲:銀杏BOYZ「BABY BABY」 (UK.PROJECT)
エンディングソングテーマ:チーナ「この世界が全部嘘だとしても」 (SOPHORI FIELD COMPANY)
制作・配給:東北新社 宣伝協力:ミラクルヴォイス
2017年/日本/カラー/5.1ch/ビスタ/117分/PG-12
©2017「パーフェクト・レボリューション」製作委員会
公式サイト: http://perfect-revolution.jp
9月29日(金) TOHOシネマズ 新宿ほか全国公開