映画『パンク侍、斬られて候』の大ヒット御礼舞台挨拶が、7月5日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の綾野剛と共演の北川景子が登壇した。
本作は、芥川賞作家・町田康の同名小説を実写化。江戸時代を舞台に、“超人的剣客にしてプータロー侍”の掛十之進が、自らのハッタリにより大惨事を招くさまを描く、爆裂ワールド全開の時代劇エンタテインメント。主人公の掛十之進役を綾乃、マドンナ・ろん役を北川が演じている。
ちょうど1年前に撮影したという本作。北川は綾野のプロフェッショナルぶりに驚いたようで、「自分のシーンのことだけ考えていればいいのに、現場ではスタッフ的な動きをしたり、共演者を気遣ってくださったり。雨雲レーダーを気にする主演の方を初めて見ました」と、綾野の人柄に触れ称えた。
一方の綾野は、「大変なことはどの作品にもあることですが」と前置きし、「この作品の持っている熱量はどこにあるんだろうかと考えて(撮影に)臨みました。ドン・キホーテのように夢心地と現実を受け入れつつ、時代に取り残されているからこそ、時代に合った作品とは違った可能性を持った凄い熱量がありました」とコメント。
また、イベントでは秘蔵メイキング映像も初公開され、綾野と北川も観客とともに鑑賞。映像を観終わると、「やっぱりドン・キホーテでしょ?」と綾野。「すごい熱量がありましたね。今までで一番ケガが多かった現場でもありましたね」と明かし、改めて振り返った。スタントなしのアクション撮影に関しても「自分でやるもんだと思った。監督も普通に『できるよね』って言うし(笑)」とあっけらかん。
映像には、綾野が丘からジャンプして着地するも滑りが止まらずスタッフに受け止める場面やドローンでの空撮では綾野に向かって急降下し、あわや綾野の頭にぶつかりそうになるところも映し出された。丘のシーンについて、綾野は「あそこは駆け抜ける予定でしたけど、そのまま下ると転ぶと思ったら思わず体がジャンプしちゃって・・・」と笑顔で解説。ドローンが背後に迫ったときは、「明らかに近い距離に来たと思ったんですが、何か意地が勝っちゃって、近づいてきていても『すごくいい画が撮れている可能性があるかもしれない』と思って、ギリギリで避けました」と役者魂を見せつけた。
そんな綾野に北川は「京都で撮影された10人斬りの殺陣シーンでも手をケガされていたのに、『ちょっと爪をやられただけ』みたいにおっしゃっていて。感覚が麻痺していたのでは?」と驚きを隠せない様子。しかし、メイキング映像で北川が見せる「わたしが一番やりたかったのはこれなの!」のという発言に、「その瞬間、もうイカれてるなと思いました」と大笑い。お互いに「違う世界に行ってたからね」と言って笑っていた。
最後に、北川が「この作品に参加し、日々の現実を忘れて自分をもっと出していいんだと思えました」と語ると、綾野は「10年、20年経って、若い俳優が『綾野はとんでもない作品をやってた』と感じてもらえたら嬉しい。オンリーワンとずっと思い続けられる作品」と目を輝かせていた。
映画『パンク侍、斬られて候』
監督:石井岳龍
脚本:宮藤官九郎
出演:綾野剛 北川景子 東出昌大 染谷将太/浅野忠信/永瀬正敏
村上淳 若葉竜也 近藤公園 渋川清彦/國村隼 豊川悦司 他
原作:町田康「パンク侍、斬られて候」(角川文庫刊)
配給:東映
コピーライト :©エイベックス通信放送
公式サイト:http://www.punksamurai.jp/
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