映画『家族のレシピ』の公開初日舞台挨拶が、3月9日、東京・シネマート新宿にて行われ、主演の斎藤工をはじめ、共演の伊原剛志と別所哲也が登壇した。
日本とシンガポール、それぞれの食文化の中でも庶民が愛するソールフードをモチーフに家族の絆を描いたドラマ、映画『家族のレシピ』。シンガポールと日本の外交関係樹立50周年をきっかけに製作された本作は、斎藤工演じる主人公・真人が、父親の死をきっかけに幼いころに亡くした母の地元・シンガポールに旅立ち、一度はバラバラになってしまった家族の絆を取り戻すために奔走する物語。
監督は、アジアの巨匠エリック・クー。主人公の日本とシンガポールの食文化の橋渡しを担う真人役に斎藤工が扮し、シンガポール在住のフードブロガー・美樹役を松田聖子、真人の父・和夫役を伊原剛志、叔父の明男役の別所哲也に加え、シンガポールからも人気コメディアンのマーク・リーや国民的女優の自ネット・アウなど豪華キャストが顔を揃え、シンガポール・日本・フランス合作映画として誕生した。
伊原は、「うちの長男が工に似てるって言われるそうなんです。だからか、他人のように思えなくて、本当の息子だと思って演じていました」と語る。照れくさそうに伊原の話を聞く斎藤は「国境を越えて活躍されているお二人とご一緒できて本当に光栄でした」と感慨深げ。
一方、斎藤が映画等のデレクションをするようになったきっかけを作ったとも言える別所は、斎藤ととても縁を感じているという。「僕が主催しているショートフィルムの映画祭に工くんを誘ったことで、デレクションをするようになり、そして僕がエリック・クー監督と一緒に出席した東京国際映画祭の時に彼を監督に紹介したことから、今回の映画出演が決まった。そういう出会いが繋がって嬉しいですね」と並々ならぬ縁を感じている様子。そして、「僕も若い頃から伊原さんの背中を追いかけていました」と伊原にも尊敬の念を送った。
斎藤は「今回も日本、シンガポール、フランスの合作映画ですが、国だけでなく、俳優、監督などの垣根を越えてモノ作りができる日本になればいいと思います」と、さらなる展望を明かす。さらに、「今回も集まるべき人たちが集まった中に入ることができて本当に幸せです」と今回の参加を喜んだ。
MCより、「ある有名俳優さんが斎藤さんの演技を絶賛していますよ」と紹介されると、斎藤は「それは、僕が多少の報酬を払って言ってもらったに違いない」とジョークを飛ばし、少し恥ずかしそう。その俳優は竹中直人であることが知らされ、「汚れない演技、純粋すぎる工に乾杯！！」と言われ、恥ずかしそうにほほ笑む斎藤。伊原は「（役の上での）父親が純粋ですからね」とおどけると、別所も「叔父も純粋ですから(笑)」と乗っかり、会場の笑いを誘った。
また、この日残念ながら出席できなかった松田聖子から公開のお祝いメッセージが届き、映像が披露された。「撮影時も撮影していない時も楽しかった」と語る松田に、斎藤は「耳なじみのある、聖子さんの声の色。両親を失った真人の心にぽっかり空いた穴を彼女の存在で埋めてもらったように、僕も聖子さんの存在に助けられ、いざなっていただきました」と感謝の気持ちを口にする。
この日は3月9日（サンキューの日）ということで、来場者に監督が書いた斎藤の画がプリントされた“たくみクッキー”が配られ、クッキーを手にした3人は興味深々の様子。
イベントの終盤には、ロケ地の高崎より、大きな“高崎だるま”が登場。映画の大ヒットを祈願し、左目に目を入れようとしたが、伊原は「僕は目が細いから」と言って一本横棒を書き、続く別所は「じゃあ、僕はこれ」と「＋」の目に。しかし、斎藤がきれいな丸い目に仕上げ、いたずら放題の先輩たちを上手にフォローしていた。
最後に斎藤が「この映画は40近い国で上映されてきました。アジアのクリエイターたちが世界中に向けて制作している姿を見て、映画の持つ意味と、大切なメッセージをいただきました。ぜひ大切な人と観てください」と伝え、舞台挨拶を締めくくった。
映画『家族のレシピ』
出演：斎藤工、マーク・リー、ジネット・アウ、伊原剛志、別所哲也、ビートリス・チャン、松田聖子
監督：エリック・クー
料理監修：竹田敬介
スチール：レスリー・キー
公式サイト：https://www.ramenteh.com/
シネマート新宿ほか 全国順次公開中
