7月17日(金)、映画『リアル鬼ごっこ』の大ヒットを記念して、本作でシークレットキャストとして謎の男を演じている事で話題沸騰中の斎藤工による舞台挨拶を実施。さらに舞台挨拶イベント前には、劇場ロビーにて、観客に直接チケットもぎりに初挑戦しました。
劇場に集まった234名のもぎりを終えた斎藤は「もぎりの斎藤です」と挨拶。「映画館もデジタル化が進む中で、もぎりという人と人とが介するアナログな作業が残っていることは良い。お客様の手の湿度によって、チケットがもぎりやすいかどうかが分かりますね」と感想を述べ、「もぎりという天職を見つけたので、職業の変更を考えている」と淡々とジョークを飛ばし、会場に集まった観客を沸かせました。
ーー男性は斎藤さんのみという『リアル鬼ごっこ』への出演依頼が届いたときの感想は?
女性しかいない世界の映画を園監督が撮ると伺っていた中で、役のお話をいただいて、まず男性役なのか女性役なのか、役柄の性別を確認しましたね。そのあとまさかの「リアル鬼ごっこ」という有名原作の映画を撮られるということで、一映画ファンとしてもワクワクしましたし、参加できることを光栄に思いました。
ーー脚本を読まれて、ご自身の役柄を知った時には、どのような感想をお持ちになりましたか?高校生&老爺役という、今までの俳優人生の中でも、非常に衝撃的な役柄になりますよね?
老爺役では、準備に4時間半ほどかかる特殊メイクを施していたので、言わないと気付かない人もいらっしゃると聞きました。特殊メイクは目と鼻の穴と口以外のところは基本的に皮膚レベルで覆われていたので、撮影中は食事が大変でしたね。米粒やトウガラシなどが特殊メイクの隙間に入ってしまったりして、かきだす作業に追われました(笑)
ーー本日は上映前に来場されたお客様のチケットを回収する「もぎり」を初体験頂いたのですが、感想は?
工場で働いていた経験もあり、同じ作業を続けることも性に合っていたので、楽しかったです。もぎりという天職を見つけたので、職業の変更を考えています。素材が紙なので、お客様の皮膚の状態・湿度に沿って剥がしやすい、剥がしにくいがありました。私は湿度の高い手なので、私と似た手の湿度の方の場合には非常に円滑にもぎりができました。深いようで深くない話ですね(笑)。また、アナログの作業ということも良いですよね。今はなんでもデジタルの世界で人を介さないことが多いじゃないですか。それは映画館でも同じことで。元々映画館で働き、映写室に入ることが夢だったので、今日もぎりをやらせていただいて嬉しかった。ちなみに、これは時給は出るんですか?まあでも研修生としてやらせていただいたので、出なくても大丈夫です。
ーー出演者が自分以外女性、衝撃的な役柄、チケットのもぎりなど、初体験が多い作品かと思います。そして、重要な役柄ながら、今回、映画の全ての告知物やエンドクレジットにすら名前がない、というサプライズ出演も初めてだったかと思いますが、正直な感想は?
はたして僕が出ているということでこの映画にプラスなのかなと感じるところもありつつ、サプライズ演出は非常に面白いアプローチだなと思いました。劇中の、「女子しかいない世界=性別がくくられている世界」というある種プラトニックで面白い状況の中で、重要な役柄をいただいたことは大変光栄に思います。
ーートリンドル玲奈さん、篠田麻里子さん、真野恵里菜さんとの共演に関して
特に現場で圧巻だったのが、トリンドル玲奈さんのこれまでのイメージとはかけはなれた表情や叫びを見られたことでした。園子温監督によって、自分の中の隠された部分をさらけ出されたキャストの皆さんの決意や覚悟の表現を肌で感じられて良かったです。この作品は僕自身についてもターニングポイントになるかと思います。
ーー園監督とお仕事をしてみて、いかがでしたでしょうか
園監督の作品は初期の頃から好きでしたので、出演の希望は持ちつつも、実際に出演のお声掛けいただいた時には、やはり嬉しかったです。園監督は思いのほかマイルドな方なのですが、現場では、その場で生まれる発想を大事にされている気がします。自分自身を追い込んで、自分が準備してできる表現や感覚を超える瞬間を待っているんじゃないかなと。今年は沢山の映画を撮られていますし、その合間に個展もやられていて、かなり自分を追い込んでいらっしゃるなと感じます。
ーー撮影当日は、大雪でものすごく寒かったとのことですが、いかがでしたか?
ニュースになるくらい大雪でしたね。実は、僕は“かなり特徴的な薄着の衣装”での撮影でしたので寒かったです。特殊メイクもそれほど防寒にはならないし…。ただ、僕以外の女性キャストの方々がJK役で超薄着だったので、ここで僕が寒いとは言えないなと思っていました。
『リアル鬼ごっこ』
<STORY>
彼女たちの名前は【ミツコ】【ケイコ】【いづみ】。
全員、女子。
3人は同じ学校のクラスメート? それとも、まったく見知らぬ女子高生なのか?
平和な日常は突如崩れ去り、“クライマックス”が一気に押し寄せる。
木々の風。森の風。押し寄せる風。
女子しかいない風景。女たちの通り。誰かがいつでも見つめている。
いくつもの視線。それが風になり、凶暴な疾走となり、凶器となる。
いったい、何のために追われるのか?
私は、何で、追いつめられるのか?
私たちは、なぜ、追われる?
女子高生だから? 女だから?
木々の風。森の風。破られる制服。引き裂かれるドレス。
追ってくる鬼は何?
隠れているのは誰?
監督・脚本:園子温
原作:山田悠介「リアル鬼ごっこ」(幻冬舎文庫・文芸社刊)
出演:トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜
イメージソング:GLIM SPANKY「リアル鬼ごっこ」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹、アスミック・エース
R-15(C)2015「リアル鬼ごっこ」学級委員会 realonigokko.com
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