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シシド・カフカ「どの時代も女性はカッコいいんです」 撮影ではライフル&二丁拳銃捌きに苦労も! 映画『リボルバー・リリー』インタビュー!

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-26

ハードボイルド作家の長浦京が描く第19回大藪春彦賞受賞作『リボルバー・リリー』を行定勲監督がメガホンをとり実写映画化。本作は、大正時代末期の東京を舞台に、美しき元諜報員・小曾根百合(綾瀬はるか)が消えた陸軍資金の鍵を握る少年・細見慎太(羽村仁成)との出会いによって、彼女を戦場へと還らせ、2人を追う謎の男たちとのバトルを描き出すハードボイルドミステリー。

カフェー「ランブル」の従業員で、百合を支える元スナイパー・奈加を演じるのは、シシド・カフカ。ドラムボーカリストとしても活躍する彼女が、ドラムスティックの代わりにライフルと二丁拳銃を振り回す。そんな彼女にアクションとノアールの世界に包まれた本作の魅力について語ってもらった。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-24

― 最初に、脚本を読まれたときの感想と、出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

まず、行定監督の作品にお声がけいただいたことはとても光栄でしたし、綾瀬さんとご一緒したかったので凄く嬉しかったのですが、なかなか体を動かすのが苦手なのでアクションの部分を自分がちゃんとこなすことができるのかという不安も大きかったです。

― そうなんですか? とても機敏に動かれてるのでアクションはお得意なのかと思いました。

頑張りました(笑)。

― 確かに着物を着て行うアクションは大変そうです。

撮影に入る前に何回かレッスンを受けてトレーニングもしましたが、そのときは洋服だったので、いざ現場に入って着物を着て動くというのは、もう全く別物で苦労しました。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-8

― 所作も綺麗でしたし、着物でライフルを持って2階から飛び降りるシーンはとてもカッコいいです。

ほぼ初めてのアクションなんですよ(笑)。以前出演させていただいたドラマでも肉弾戦のアクションがありましたが、現代の警察官が持っている銃を構えたくらいでしたし。今回のように、着物を着てライフル銃を持ちながらのアクションは初めてだったので。

― 後半では二丁拳銃で戦っていらっしゃいますが、そちらも大変でしたか?

そうですね、ウィンチェスター(ライフル)とモーゼル(自動拳銃)は、やっぱり違いますから。ウィンチェスターの方が長く扱わせていただいていたので、その銃の重さと構え方に慣れてしまうと、モーゼルを持ったときに腕と手首だけで重さを支えて、全くぶれることなく狙うモーゼルはけっこう難しかったです。動いてるものに対して狙っていくので、新しい体験というか、貴重な体験をさせていただきました。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-1

― 銃の扱い以外に大変だった点はありますか?

一番ハードだったは2階から飛び降りるところ・・・と言いたかったんですけど、そこは意外に楽しくできました(笑)。けっこう地味なんですが、2階から飛び降りて走りながら撃つシーンがあって、手前の障害物を避けながら走るので転ばないかと心配でした。慣れない着物を着ているし、足がもつれるんじゃないかと恐怖心で戦っていました(笑)。

― 確かに、狭い街のセットの中を走る苦労は想像できます。

私は運動が苦手なので、ちゃんとカッコ良く走れているんだろうか・・・とか、色んなことを考えながら走っていました。

― 着物姿の奈加も素敵ですが、二丁拳銃のときの洋装も魅力的です。演じていても気分が変わりましたか?

そうですね。きっと奈加にとってはとても馴染みある洋服だと思います。台湾の馬賊の衣装だったと記憶していますが、中に綿が入っていて結構分厚いものでした。たぶん奈加にはしっくりきてるし、臨戦態勢でよく着ているはず。髪型も違いましたし、気持ちもおのずと変わりましたね。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-5

― 大正末期の独特な世界観の中で、役を演じることで特に心がけてたことはありましたか?

スナイパー役なので、自分の感情に対して素直ではないところがあるだろうなと思いました。台本を読んだとき、奈加は喋る言葉にも抑揚のない感じで、あまり表情を表に出さないのがもう癖づいている女性なのではないかなと考え、静かに訥々(とつとつ)と淡々と喋るイメージで臨みました。

― 行定監督から演出上で特にリクエストはあったのでしょうか?

行定監督と一番初めに話したときに、「なぜ私なのか」という気持ちもあったのですが、ドラマーであるシシド・カフカを表現してほしいと言われたんです。百合を後ろで支えるという役どころを、ステージ上でギター、ボーカル、ベースを音で支えているドラマーのシシド・カフカというものを、その佇まいで奈加を演じてほしいと。その言葉に凄く合点がいきました。そういう意味で落ち着きと高揚感を表現するように意識しました。

― なるほど。カフェーの雰囲気もとても素敵ですが、実際のセットはいかがでしたか?

本当に隅々までちゃんと再現されていて、こだわって作られていたので、セットの中にいるのが凄く楽しかったです。カメラが回ってない間もずっとセット内をウロウロして、色んな物を見て回っていました。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-22

― 着物も大正ロマンを感じるような素敵なお着物です。

全部ヴィンテージのお着物でした。柄on柄で、これでもかというぐらい色と柄を重ねるのがたぶん当時のトレンドであり着物の遊び方だったので、それはもう存分に楽しませていただきました。どの着物を着るのかは決まっていたのですが、帯や帯留めなどは私が選ばせていただきました。

― カフェーの中の綾瀬さんや長谷川さんたちとの会話も興味深いですが、共演されていかがでしたか?

皆さんとても気さくな素敵な方々でした。撮影現場にそれぞれが(準備して)持ち寄ったものが違和感なく、円滑に回っていました。その上で監督が動きに対して演出してくださったという感じだったので、みんなが同じもの、同じ方向を見て進んでいったのだと思います。

― シシドさんから観たおすすめポイント、印象に残ってるところはどこになりますか?

綾瀬さんの戦闘シーンにただただ感動しました。謎の男とバチバチにやり合ったり、ジェシーさんと対決するシーンも迫力があって、完成した試写を観たとき、私がいないところでこんなに凄いものを撮ってたんだ!めちゃくちゃカッコいい!と感動しました。あと、ワンピースを着て軸が全くブレず素晴らしい姿勢で戦ってる綾瀬さんの凛とした姿が本当にカッコよかったので、女性はみんな憧れるんじゃないかなと思います。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-17

― 綾瀬さんもシシドさんもそうですが、今作ではカッコいい女性が映し出されています。大正から令和と時代が移っていき、女性のカッコ良さの違いがあるかもしれませんが、シシドさんから観た強い女性、カッコいい女性とは?

何となく世間の風潮が現代になって、どんどん女性が強くなってきたみたいなことを言っていますが、私は“女性の強さ”というものはずっと変わっていないと思っています。それが内に向いているのか、外に向いているのかの違いがあるだけ。家庭を守る力を持つことも女性としてカッコいいし、外に出て発言をして戦ってる女性もカッコいいし、逆に内に秘めたままグッと耐える姿の女性もカッコいい。そういう意味で、女性は基本みんなカッコいいんです。時代は変われどその時の女性の強さがあると思うので。

― シシドさんは幼少の頃、海外で過ごされていましたが、日本に来たときに女性の雰囲気も違って見えたましたか?

私の幼少の時は、しっかり発言する女性が多かったです。面と向かって意見を言う姿を見てきましたので、その頃の日本の女性にはあまり見受けられない、表に出す強さだったと思います。でも、環境によっても違うのかなと思いました。

― そんなシシドさんにとって、“ドラム”とはどんな存在ですか?

ドラムは、楽しいものです。ドラムだけに限らずリズムというものはすごく難しいですけど、楽しいもの。絶対に叩かなきゃいけないもの!という感じではありませんが、全く音楽も聴かず演奏もしない日々が送れるかといったら、そうではないと思うので、ずっと身近にありましたし、今後もあると信じて疑わないものですね。

『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-18

― そういうものがご自身の中にあることはとても素敵ですね。

私もそう思います。私はドラムボーカリスト以外に「el tempo」という即興打楽器集団を主宰していますが、いろんな視点からリズムというものを見て楽しめるように、いろいろ試行錯誤しています。叩くのってけっこうハードなんです(笑)。年齢を重ねていきながら、どう表現をして皆さんに楽しんでいただけるかがテーマにもなっているんです。

― これからもシシドさんのご活躍を楽しみにしてます。それでは最後に、これから本作をご覧になる皆さまにメッセージをいただけますか?

本作は、綾瀬さんのアクションはもちろん、そのカメラワーク、スピード感や音も含めて、全てが緻密に出来上がっている映画です。新しいジャンルに切り込んでいった世界観が本当に凄いです。映画を観始めてすぐにこの『リボルバー・リリー』の世界に入り込んでしまうと思います。ぜひ映画館に足を運んでいただき、その疾走感とダークヒロインぶりを堪能していただけたら嬉しいです。

【シシド・カフカ】Profile
メキシコ生まれ、アルゼンチン育ち。ミュージシャン、モデル、女優として活躍。近年の主な映画出演作に、『Zアイランド』(15)、「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)等がある。現在放送中のドラマ、テレビ朝日「警部補ダイマジン」、ABC/テレビ朝日系列「何曜日に生まれたの」に出演中。10月13日にはSpotify O-WESTにてワンマンライブを開催する。

撮影:ナカムラヨシノーブ

リボルバー・リリー新規ビジュアル

映画『リボルバー・リリー』
出演:綾瀬はるか 長谷川博巳
羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)/ シシド·カフカ 古川琴音 清水尋也 / ジェシー(SixTONES)
佐藤二朗 吹越満 内田朝陽 板尾創路
橋爪功 / 石橋蓮司 / 阿部サダヲ
野村萬斎 豊川悦司
監督:行定勲
原作:長浦京『リボルバー・リリー』(講談社文庫)
配給:東映
コピーライト:©2023「リボルバー・リリー」フィルムパートナーズ
映画公式サイト:https://revolver-lily.com/

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『リボルバー・リリー』シシド・カフカ様/Astage-37