欲望と不安の中で生きる若者の青春を描く、
原作は伝説の漫画家、岡崎京子の衝撃作!!
二階堂ふみ、吉沢亮、行定勲監督の熱情あふれる意欲作
国境を越え、ドイツ・ベルリンの人々の心に届く!
第68回ベルリン国際映画祭
オープニング作品としてレッドカーペットに登場!
公式上映にて観客から拍手喝采!
『GO』(01)をはじめ、『パレード』(10)、『ピンクとグレー』(16)といった、若者たちの感情やゆらぎ、ひずみを浮き彫りにする青春映画を多く生み出してきた行定勲監督、最新作の『リバーズ・エッジ』が2月16日(金)より全国公開された。二階堂ふみ、吉沢亮ら人気と実力を兼ね備えた俳優たちがこぞって出演する衝撃の青春映画です。原作は「pink」「へルタースケルター」など、これまで世代を超えて熱狂的な支持を集め続ける漫画家、岡崎京子の作品群の中でも、とりわけ最高傑作との呼び声が高い、同名漫画。
映画の公開に合わせて、「SWITCH」「装苑」「GLOW」「NUMERO」などなど、様々なカルチャー誌や女性誌のみならず、その文学的な表現やテーマの奥深さなどから、「文學界」「文藝春秋」などの文学誌でも大特集が組まれている。
さらには、原作者の岡崎京子と長い親交を続けている小沢健二が初めて書き下ろした、映画主題歌(「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」も発売され、今まさに大きな話題となっている。
そんな本作は、今年で68回目を迎える、世界三大映画祭のひとつであるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、2月15日(木曜・現地時間)に開幕した同映画祭のオープニング作品を飾り、二階堂ふみ、吉沢亮、行定勲監督がレッド―カーペットに登場し、その後行われた公式上映に観客と共に映画を鑑賞、上映後に行われたQ&A(質疑応答)に参加した。パノラマ部門は世界中から良質の作品を幅広いジャンルで集めた部門。オープニングに邦画が選出されるのは、2007年の山田洋次監督『武士の一分』以来の11年ぶりの快挙となる。
映画祭のメイン会場となるBerlinale Palast(ベルリナーレ・パレスト)のレッドカーペットに登場した二階堂ふみ、吉沢亮、行定勲監督、小川真司プロデューサー。二階堂ふみはUNDER COVERのドレス、吉沢亮はタキシードを着用。レッドカーペット後に歩いた感想を聞かれると二階堂は「すごい盛り上がっていて、ベルリンに来ることが出来たということを実感していて、とても感動しております。」と笑顔で話し、吉沢も「楽しいです。僕は、映画祭自体というものが初めてで、街全体の活気もすごくて、楽しい経験をしているな、と思っています。」と初めての映画祭への参加に興奮を抑えきれない様子。今回5度目の映画祭への参加となる行定監督は「僕は5回目のベルリンですが、レッドカーペットを歩いたのは初めてです。すごく注目していただけているなと。ベルリンの人たちの反応はすごく大事。ここから世界にその反応が拡がっていくんで、すごく楽しみにしてます。」とベルリンの人々がどのような感想を抱くのか待ちきれない様子だった。
公式上映が行われたのは、メイン会場の近隣にあるCinemaxx(シネマックス)。映画は、21時の回、21時15分の回、21時30分の回と、異例の3スクリーンで上映。595名、278名、300名を終了する会場は全て満席。
上映前に登壇した行定監督は「皆さんこんばんは。」とまずはドイツ語で挨拶。続けて、「ベルリンに呼んでいただいたのは、今回で5回目ですが、まさかのオープニング作品に選ばれるとは思ってもいませんでした。本当に感謝しております。」と映画祭に感謝の意を述べた。
その後、二階堂ふみと吉沢亮は満員の観客と一緒に映画を鑑賞しました。映画が終了すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。観客席から舞台上に登壇した二階堂、吉沢は、鑑賞した観客から素晴らしい演技を見せた二人がどのような役作りをしたかを尋ねられると、「いかに演じるかということではなく、テクニカルなことでもなくて、どういう風にその場所で勘が生きるかということが、今回の作品では重要なプロセスだったと思います。」(二階堂)、「現場に入ってからは、先ほど二階堂さんがおっしゃった通り、どう現場で生きるかということを考えていました。」(吉沢)と答え、二人とも現場の空気感で役作りをしたことを明かした。
続けて、映画の舞台が94年と設定されていることで、監督と役者の間で世代間のギャップを観客から問われると、監督は「僕にとって90年代というのは非常につまらない青春時代でした。でも、彼らからすると「よかったんじゃないか」とか、特に二階堂からは「80年代とか90年代って面白そうだよね」って言うんですね。もうすでに、ここにギャップがありますよね。でも、その20数年後の今を生きている彼らと一緒に映画を作るってことは、もしかしたら、自分の青春時代を振り返るには一番いい相手だったと思いました。」と話すと、二階堂は「90年代に起こった出来事のことは、鮮明には覚えていなくとも、体で覚えていたり、匂いや感覚がしみ込んでいるものがあります。」と同意し、吉沢も「ファッションや話題は異なりますが、根本的な部分は今の人たちと90年代の人たちの間で違いはないと思っています。この作品は90年代の若い高校生の話ですけど、はけ口というモノが90年代と今で変わっただけだと思ってます。」と続き、観客の質問に丁寧に答えていた。
世界で初めて上映され、観客の反応に手ごたえを感じた様子だった3人。パノラマ部門に出品された作品は観客賞、国際批評家連盟賞などの受賞対象とされており、発表は現地時間の24日を予定している。
映画祭について
<ベルリン国際映画祭とは>
ドイツの首都ベルリンで開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並び、世界三大映画祭のひとつに数えられ、開催67回を誇る歴史と権威を併せ持つ。世界的大都市で開催される事から注目度も高く、圧倒的な存在感を示し続けている。昨年の来場者数はおよそ50万人、チケット販売33万枚、映画関係者1万7千人、上映本数4~500作品。特徴として社会派作品が集まる傾向があり、受賞作品の多くは世界的な興行で成功を収めている。これまでに黒澤明監督、宮崎駿監督、園子温監督など、数多くの監督や俳優が賞を受賞してきた。
第68回目を数える本年は2018年2月15日~2月25日まで開催される。
<パノラマ部門とは>
部門ディレクターが優れていると判断した作品群を上映。コンペティションの賞の対象外ではあるが、観客賞をはじめとした、特別賞の受賞候補作品が上映される部門。
■コメント
Q:レッドカーペットを歩いてみていかがですか?
【監督】
いよいよベルリンの映画祭が始まるんだなっと思ってます。
注目度が高くて、活気もあって、すごく楽しいです。
【吉沢】
楽しいです。僕は、映画祭自体というものが初めてですし、街全体の活気もすごくて、楽しい経験をしているな、と思ってます。
【二階堂】
すごい盛り上がってて、ベルリンに来ることが出来たということを実感していて、とても感動しております。
Q:二階堂さんがお召しになっている衣装、すごく素敵です。
【二階堂】
ポイントは、日本の映画なので、日本のブランドを着たいなと思いました。UNDER COVERというブランドで、色がグリーンで青春らしさを出せたらと思いました。
Q:これから『リバーズ・エッジ』が公式上映されますが、心境はいかがですか?
【二階堂】
若い世代と、今まで色んな映画を作り続けてこられた世代の方、みんなで作った映画なので、魂のぶつかり合いのようなものを感じていただけたらいいなと思ってます。
【監督】
僕は5回目のベルリンですが、レッドカーペットを歩いたのは初めてです。すごく注目していただけているなと。
ベルリンの人たちの反応(はすごく大事です)。ここから世界にその反応が拡がっていくんで、すごく楽しみにしてます。
【吉沢】
キャストもスタッフも全員魂を削りながら撮った作品なので、ホントにたくさんの方々に見ていただきたいです。
ベルリンの映画祭で皆さんのどんな反応が返ってくるのか、すごく楽しみです。
【公式上映】
■コメント
★上映前の舞台挨拶 ※行定監督のみ登壇
【監督】
皆さんこんばんは(ドイツ語)。
ベルリンに呼んでいただいたのは、今回で5回目ですが、まさかのオープニング作品に選ばれるとは思ってもいませんでした。本当に感謝しております。この映画のことを少し解説しますと、1980年、90年代の日本クリエーター達に多大なる影響を与えた漫画家の岡崎京子の最高傑作と呼ばれる漫画を映画化しました。
舞台は1994年の東京です。翌年の1995年の日本では大きな地震が神戸で起こり、東京ではオウム真理教という宗教団体が「地下鉄サリン事件」というテロ事件を起こし、この時期は日本の変革の時期でした。ある意味、この変革の時期、新しいカオスともいっていい時期の前夜に少年少女がどんなことを考え、どんなことをしていたかをこの映画は語っています。世界では皆さんが初めての観客になります。非常に緊張しておりますが、最後まで楽しんでいっていただいて、上映後のQ&Aでの感想を楽しみにしてます。
★上映後のQ&A(質疑応答) ※二階堂ふみ、吉沢亮、行定監督登壇
■観客からの質問
二階堂さんと吉沢さんにお聞きします。今回の役は心理的な部分はもちろんのこと、肉体的な部分でも今回の役作りは大変だったと思います。役作りの過程を教えてください。
【二階堂】
あまり何か役を特別に作るとか、どういうキャラクターであるかはあまり考えずに、そのまま映画の撮影現場に行って、同世代の方々と引き出し合いながら形作っていきました。あとは、いかに演じるかということではなく、テクニカルなことでもなくて、どういう風にその場所で勘が生きるかということが、今回の作品では重要なプロセスだったと思います。
【吉沢】
現場に入る前に2回ぐらいリハーサルがあり、作品性について話をしましたが、現場に入ってからは、先ほど二階堂さんがおっしゃった通り、どう現場で生きるかということを考えていました。監督からは、演出があったというよりは、生命力を試されていたな、と思う瞬間が何度もありました。色んな意味でとても刺激的な現場で、試されている現場だと感じました。
■観客からの質問
とて多面的で様々な色合いやトーンのある映画でした。この映画の中では、世代のギャップがあると思います。監督は90年代を実際に生きてこられた。キャストの二人はまだ生まれてもいなかった。
自分が生きた95年とまだその時代に生まれていない俳優たちの間にあるギャップについてお話ください。
【監督】
僕にとって90年代というのは非常につまらない青春時代でした。でも、彼らからすると「よかったんじゃないか」とか、特に二階堂からは「80年代とか90年代って面白そうだよね」って言うんですね。もうすでに、ここにギャップがありますよね。でも、その20数年後の今を生きている彼らと一緒に映画を作るってことは、もしかしたら、自分の青春時代を振り返るには一番いい相手だったと思いました。
僕は、いままで常に未来に向けて映画を作ってきました。この映画は、過去の自分と向き合って作った映画になりました。なので、僕にとってはいい経験になりました。
【二階堂】
私と吉沢君はちょうど94年に生まれているので、その95年のテロと地震のことは記憶にはないんですけど、私たちも青春時代に別の大きな地震を体験したりしています。90年代に起こった出来事のことは、鮮明には覚えていなくとも、体で覚えていたり、匂いや感覚がしみ込んでいるものがあります。
【吉沢】
僕も1994年に生まれて、その90年代の記憶はほぼありません。こういった作品とかで、90年代の話に触れて、90年代を知ることのほうが多いです。ただ、この作品で言うと、
ファッションや話題は異なりますが、根本的な部分は今の人たちと90年代の人たちの間で違いはないと思っています。
この作品は90年代の若い高校生の話ですけど、はけ口というモノが90年代と今で変わっただけだと思ってます。90年代はドラッグやセックス、暴力だったのが、現代ではSNSになったりして、はけ口の幅が拡がったりとか方向性が変わっただけで、根本にあるものはなんら変わっていないと思いながら、僕はこの映画作りに参加していました。
【映画を鑑賞した観客】
■コメント
男性(ドイツ語)
役者の感情表現が信じられないぐらい思慮深くて、とても演技力が高いと思いました。
男性(英語)
とても不思議な映画でした。
喜劇と悲劇が混ぜ合わさったようなシーンがあって、そこがとても好きでした。
女性(英語)
正直、様々な感情が沸き起こりました。映画の登場人物たちは少年少女でありながら、実はとても大人びていることに衝撃を覚えました。
『リバーズ・エッジ』
出演:二階堂ふみ 吉沢亮 上杉柊平 SUMIRE 土居志央梨 森川葵
監督:行定勲
脚本:瀬戸山 美咲
原作:岡崎京子「リバーズ・エッジ」(宝島社)
© 2018「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社
公式サイト:http://movie-riversedge.jp
2月16日(金)よりTOHOシネマズ新宿他全国ロードショー