映画『ルート29』の完成披露試写会が、10月17日、東京・TOHOシネマズ日本橋にて行われ、綾瀬はるかと、大沢一菜、森井勇佑監督を務めた森井勇佑が登壇した。
映画『こちらあみ子』で第27回新藤兼人賞金賞はじめ数多くの賞を受賞した森井監督が、詩人・中尾太一の「ルート29、解放」からインスピレーションを受け、映画の舞台ともなった姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約一ヶ月間旅をし、脚本を完成。本作は、他者とコミュニケーションを取ることをあまりしない主人公トンボが、風変わりな女の子ハルを連れて旅に出た先でのさまざまな出会い、次第に絆を深めていくロードムービー。
トンボ役を、映画『リボルバー・リリー』で日本アカデミー賞主演女優賞に輝いた綾瀬はるか、ハル役を『こちらあみ子』でデビューし、第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞した大沢一菜が演じ、そのほか、市川実日子、高良健吾、原田之佑、河井青葉、渡辺美佐子など、実力派俳優が集結。第37回東京国際映画祭の【ガラ・セレクション】部門に正式招待が発表され、ますます期待が高まっている。
本作の発想について、監督は「『こちらあみ子』は1人の話だったので、津美は２人の話にしてみようと思って。２人にはそれぞれの宇宙があると思っていて、お互いにそれを尊重し合って２人が旅をするというものを考えて作りました」と明かす。
出演をとても楽しみにしていたという綾瀬。「監督とは同世代ということもありますし、私が演じる役は、今までとは違うタイプ。一菜ちゃんを前にしてどういうものが生まれるんだろうと、すごい緊張とワクワクする気持ちで現場を迎えました」と述懐。
そんな綾瀬について、監督は「綾瀬さんは感覚的な人。綾瀬さんを撮れるなんて幸福だなと思いましたね」とニッコリ。そして、本作は大沢を当て書きしたと言ってもいいほど、彼女にもフォーカスを当てており、「自然と（綾瀬と大沢の）２人が近づいていった。映画の内容と撮影の流れがリンクしていったんです」と話し、最初は恥ずかしがりやだった２人が徐々に仲を深めていった様子をとらえられたことに満足気。
一方で、森井監作品には2作品続けての登場となる大沢。大好きと公言している綾瀬との共演に「夢かと思いました」と言い、綾瀬との共演を監督から聞いたときは「その時だけ、“神”だと思いました」とぶっちゃけ、会場の笑いを誘う。
また、イベントでは、本作のプロモーション中に「写ルンです」で大沢が撮影した3人の思い出写真がスクリーンに投影され、トークを展開。大沢のお気に入りの人形を嬉しそうに持つ綾瀬の姿や、綾瀬と大沢のとびっきりの笑顔の２ショットなど、素の姿が観客に披露された。
さらに、大沢が大好きな綾瀬に書いた手紙をサプライズで朗読することに。「トンボさんへ…」と読み始め、「いつも恥ずかしくて直に言うのは無理なので手紙にしました。綾瀬さんはまず、顔が可愛いです。いつもチラチラとしか見ることができなかったけど、映画の中のトンボさんの顔も大好きになりました。あと、凄く人がいいです。前に家まで送ってくれて、ママにも挨拶してくれて、ママが『死ぬほどビックリしたけど、綾瀬さんは非常に可愛かった』と言っています。親孝行ができて感謝しています。そしてカッコいいです。アクションもそうですが、毎日ずっと穏やかで綺麗で笑顔でいるところがカッコいいです。トンボさんも毎日いいことばかりじゃないと思うけど、それを他人に見せないところがカッコいいです。他人に見せずに頑張ってきたんだろうなと思うとカッコよくて、好きになりました。また綾瀬さんと絶対に一緒に映画に出たいという目標ができました」と、綾瀬に対する愛の溢れた思いを読み上げ、会場に笑いと感動を届けた。
大沢の手紙を受け、綾瀬は「一生の宝物にします！」と感激しきり。監督も「素晴らしい！」と大沢の文才に太鼓判を押していた。
わたし、本当はさみしかった
からっぽな心が満ちていくトンボの旅
鳥取の町で清掃員として働いている女性・のり子（綾瀬はるか）は、いつもひとりぼっち。ある日、仕事で訪れた病院で、入院患者の理映子（市川実日子）から「姫路にいる私の娘をここに連れてきてほしい」と頼まれた彼女は、何かに突き動かされるように姫路へと向かう。のり子が見つけることができた少女・ハル（大沢一菜）は、森の中で秘密基地を作って遊ぶ風変わりな女の子だった。初対面ののり子の顔を見て、「トンボ」というあだ名をつけるハル。さまざまな人たちと出会いながら、姫路から鳥取まで一本道の国道29号線を進んでいく２人の旅がはじまった。
映画『ルート29』
綾瀬はるか
大沢一菜
伊佐山ひろ子 高良健吾 原田琥之佑 大西力 松浦伸也／河井青葉 渡辺美佐子／市川実日子
監督・脚本：森井勇佑
原作：中尾太一「ルート２９、解放」（書肆子午線刊）
主題歌：「Mirror」Bialystocks(IRORI Records / PONY CANYON)
製作：東京テアトル U -NEXT ホリプロ ハーベストフィルム リトルモア
配給：東京テアトル リトルモア
©︎2024「ルート29」製作委員会
公式サイト：route29-movie.com/
公式X（旧Twitter）：https://x.com/route29movie
11月8日（金） TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
◆予告編
