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寺田心、声変わり前の自分に驚き!「これ、僕なんだ・・・」 映画『屋根裏のラジャー』製作報告会見

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アニメーション映画『屋根裏のラジャー』の製作報告会見が8月21日、東京・帝国ホテルにて行われ、声優キャストの寺田心、安藤サクラ、イッセー尾形と、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーが登壇した。

スタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』は、イギリスの詩人・作家のA.Fハロルドによる感動作「The Imaginary」を原作とし、想像から生まれたイマジナリーフレンド達による人間には決して見えない大冒険描く物語。

スタジオジブリで高畑勲監督作「かぐや姫の物語」をプロデュースし、その後2015年にスタジオポノックを設立した西村プロデューサーと、鬼才演出家・百瀬義行監督がタッグを組んだ本作。会見ではキャスト発表も行われ、少女アマンダの想像から生まれた“イマジナリ”のラジャーを寺田心が務め、アマンダの母リジーを安藤サクラ、ラジャーを付け狙う謎の男ミスター・バンティングをイッセー尾形演じる。他にも鈴木梨央・仲里依紗・山田孝之・高畑淳子ら豪華実力派俳優陣の出演も解禁された。

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2017年に『メアリと魔女の花』を発表したあと、本作の原作と出会ったという西村は「とても素敵な原作に巡り合えたと思ったが、これをアニメ映画化にはとても難しい物語だった」と振り返りつつ、人間に忘れられると世界から消えてしまうというラジャーの宿命について「ラジャーの人生に思いを馳せてみて、人間に忘れられていく少年の物語が悲劇というなら、人間の人生そのものも悲劇じゃないかと。そう考えたときに、この原作を僕たちの物語として描くことで意味のある作品になるんじゃないかと思ったことが企画の発端です」と制作のきっかけと経緯を述べた。

また、本作では大きな挑戦が3つあったと言い「1つは多面性を持った物語」とし、続いて「アニメとして新しい表現方法」と語り、「この技術でアニメーションが一歩進むかもしれない。手描きアニメ2.0です」と説明。しかし、その挑戦が1年間の公開延期に繋がってしまったと話す。「関係者の皆さんにはご迷惑おかけしました。苦悩の連続でした。ですが物語の挑戦、表現の挑戦、そして小さなスタジオの身の丈に合わない挑戦を重ねて、大変な映画制作をしたなと思います」と感慨深げに語った。

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百瀬監督は「先週0号試写を観たんですが、それを観たスタッフたちが手応えを感じているのを受け取ることができた。凄く心強かったですね」と満足気。「絵のスタイルも今までとは違うテイストになっており、より洗礼された形で絵作りができたと思ってます」と自信をのぞかせた。
主演のラジャーをオーディションにて見事獲得したという寺田は「他の誰かではなく、僕自身が絶対演じたいと思っていました。決まったときは泣いちゃうくらい嬉しかったです。念願の役でした」と喜びを表した。

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この日初めて観たという予告編について「凄く声が違うので、“これ僕なんだ・・・”って感じでした。自分の声を聞いてポカーンとしました(笑)」と苦笑い。「アフレコが始まるまでは(声を)保ってたんですが、終わる頃にはちょっと声変わりしてる感じでした」と振り返った。

西村は、「凄く上手かった」と寺田を称えながら、寺田が声変わりをする前に収録を終わらせるため、先にセリフを収録するプレスコ方式を一部取り入れたことを告げる。百瀬監督も「ラジャーの声にしか聞こえなかった」と寺田に太鼓判を押していた。

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安藤も寺田と同じく、「リジー役を絶対やりたかった」と言い、「大人になって他人から見たら自分は少し変わっているのかもしれない・・・と悩んでいた時期に、凄くこの作品に助けられました」と作品に対する強い思いを吐露。

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一方の尾形は「台本を読んでもよくわからなかったんですよ(笑)。でも打ち合わせでバンティングの画を見せてもらった途端に親近感が湧いて。これは私そのものだなと思いました」とキャラクターの画が出演の決め手だったことを明かした。

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寺田にとって今回の挑戦は「毎日が発見で冒険でした。家でも(役が)抜けなかったです」と述べ、「ラジャーが中に入ってきて不思議な感覚でした」と貴重な体験だったと話す。
「自身にイマジナリーフレンドはいたか?」と問われると、「いました。熊のぬいぐるみです。いつも一緒にいて、たくさん話して遊びました」と答え、「中学に入って何かのタイミングで声が聴こえなくなってしまいましたが、今でも見守ってくれていると思います」と笑顔を見せた。

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さらに、記者から「“ポストジブリ”という見方もあり、スタジオポノックとしてどう継承していきたいと思うか?」という質問を受けた西村。「アニメーション映画は本当に大変なんです。道を進んで切り開いていく中で先輩がいるのはありがたいこと。スタジオポノックとしては切り開いていく覚悟や、喜びみたいなものを持っている。そういう思いで一本一本作品を作っていくのが大事だと思っています」と述べ、「この作品は“宣伝したくなる作品”です。宜しくお願いします」と、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』の公開前に全く宣伝を行わなかったことに引っ掛けて本作をアピールし、会見を終了した。

『屋根裏のラジャー』ポスタービジュアル

『屋根裏のラジャー』
原題:「The Imaginary」
キャスト:寺田 心 鈴木梨央
安藤サクラ
仲 里依紗 山田孝之
高畑淳子
イッセー尾形
原作:A.F.ハロルド「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)
監督:百瀬義行
プロデューサー:西村義明
制作:スタジオポノック
製作:「屋根裏のラジャー」製作委員会
配給:東宝
© 2023 Ponoc
公式HP:www.ponoc.jp/Rudger

12 月15 日(金)全国東宝系にて公開