映画『竜とそばかすの姫』の完成報告会が、7月6日、グランドハイアット東京にて行われ、中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、佐藤健と、細田守監督が登壇した。
世界に誇るアニメーション映画監督・細田守の最新作『竜とそばかすの姫』は、母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、もうひとつの現実“と呼ばれる 50 億人が集うインターネット上の仮想世界＜Ｕ＞で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語。
主人公すず／ベルの二役を演じるのは、オーディションで唯一無二の歌声と表現力を披露して大抜擢された、ミュージシャン中村佳穂。さらに、すずの幼なじみ・しのぶくん役の成田凌ほか、すずを囲む面々に染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、役所広司と、重厚で多彩なキャスト陣が集結！本作の重要なテーマでもある音楽面でも、才気溢れる複数の音楽家が勢ぞろい。
『竜とそばかすの姫』というタイトルに入っていながらも、これまでベールに包まれてきた竜の声を佐藤が担当することがこの日の会見で発表された。
竜は、インターネット仮想世界「U」で大勢から忌み嫌われている凶暴な謎の存在で、国籍や年齢、性別など一切の情報が明かされていない。佐藤は「複雑な心を持った難しい役どころで不安でしたが、細田監督からディレクションを受けながら最後までやることができました」とコメント。
続けて、「竜の声の想像がつかなかったので、監督に『僕の思う竜の声ですいいですか？』と聞いたら、『佐藤さんの思う竜声で』と言われて。なので、僕の思う竜の声でやりました（笑）」と笑い、「監督からは第一声から『そんな感じで』と言われて…。最後まで心配だなと思いながら終わりました」と、収録現場を振り返る。
そんな佐藤を、監督は「キャスティングの前から竜の役は佐藤くんがいいと思っていた」と明かし、佐藤のアフレコについても「めちゃくちゃ感がいい。何も言うことがない。さすが！と思いました」と大絶賛。
竜の担当についてはこの日まで発表出来なかったため、佐藤は「（バレないか）予告編を見ながらヒヤヒヤしていました（笑）」と笑いつつ、「自分の声なので、どう聞いても『俺じゃん！』としか思えなかったんですが、どうなんでしょう？」と言い、観客たちの反応が気になる様子。
今作で声優デビューを果たした中村は「まさか声優のオファーがくるとは思わなかった。驚きました」としながらも、「現場では皆さんが私にも丁寧に話かけてくださって、皆さんの仕事の姿勢に毎日感銘を受けていました」と充実感を滲ませる。その声優ぶりについて、佐藤は「初めてとは思えない。どうやっているのかと、上手すぎて教えを乞うてやりました」と太鼓判を押し、中村を照れさせた。
劇中では歌声も披露されるが、昔から中村のファンだったという成田は「歌の収録現場にもお邪魔したんですが、（中村が）歌い終わったら凄い空気になっていました」と皆が中村の歌に感銘を受けていた様子を伝えた。監督も「中村さんの歌は特別。歌の上手い人はたくさんいるけれど、歌を大事にしつつ、歌に愛されている、唯一無二の人です」とべた褒めだ。
昨日初号試写が行われ、ようやく完成となった本作。「インターネットの中で『美女と野獣』をやったらどうなるんだろうと考えていた」と最初の発想を明かした細田監督。一足早く完成作を観た中村は「圧倒的」と表現し、佐藤は「素晴らしかったです。余韻が今でも続いている。細田監督の真骨頂であり、新境地を見せていただいた。ずっと涙腺が刺激されっぱなしでした」と。成田は「映画を観るというより体感した感じ」、染谷も「傑作を観ちゃったなと」、玉城は「インターネットを肯定してくれたことが嬉しい。高校生の時の自分にも見せてあげたかった」と感激しきり。
会見では、物語の内容にちなみ「もう1人の自分を作るとしたら何がいい？」という質問が。玉城は「現実だけで生きたい」としながらも「じゃ、ウサギで」と答え、染谷は「僕は自分にはないものを謳歌したい。色黒でムキムキのスポーツマン！ムキムキがいいです」と回答。
佐藤は「猫科の何かがいいかなと。でもヒョウもいいですよね。あ、スナネコ！」と答え、ネコ好きの一面を見せたが、なぜかすぐに「やっぱりヒョウで」とした。成田は「小さい虫。バレないように色んなものを見てみたい。何かは言えないけど、変な意味じゃないです」といたずらな笑顔を見せた。
中村は「監督になって、監督の目で（世の中を）見てみたいです。うふふ」と言うと、監督は「僕は逆で、表舞台に出て活躍する人が見ている風景を見てみたいです」と答えていた。
最後に細田監督が「自信を持って皆さんに楽しんでもらえる作品です。エンターテイメントの要素がたくさん入っている映画でどの世代の方にも楽しんでもらえると思います」と力を込めてアピールし、会見を終了した。
＜ストーリー＞
自然豊かな高知の村に住む17歳の女子高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。
曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界＜U（ユー）＞に参加することに。＜U＞では、「As（アズ）」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。
数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。
やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し（アンベイル）。
＜U＞の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAｓたちは竜を執拗に追いかけ始める。＜U＞と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが――。
現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。
もうひとつの現実。もうひとりの自分。もう、ひとりじゃない。
企画・制作：スタジオ地図
製作幹事：スタジオ地図有限責任事業組合（LLP）・日本テレビ放送網 共同幹事
映画公式ホームページ：https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/
映画公式twitter： ＠studio_chizu
映画公式Instagram：@studio_chizu
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著作権表記：2021 スタジオ地図
２０２１年７月１６日（金）全国東宝系にて公開！
