佐藤健、中村佳穂を絶賛！「呼吸が歌っている！すばらしい表現者」 細田監督はカンヌの反応を現地から報告！　映画『竜とそばかすの姫』初日舞台挨拶

映画『竜とそばかすの姫』の公開初日舞台挨拶が、7月16日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルスにて行われ、中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、佐藤健の声優を担当したキャストが登壇。さらに、カンヌ国際映画祭ワールドプレミア直後の細田守監督が現地から生中継で参加した。

世界に誇るアニメーション映画監督・細田守の最新作『竜とそばかすの姫』は、母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、もうひとつの現実“と呼ばれる 50 億人が集うインターネット上の仮想世界＜Ｕ＞で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語。

主人公すず／ベルの二役を演じるのは、オーディションで唯一無二の歌声と表現力を披露して大抜擢された、ミュージシャン中村佳穂。すずの幼なじみ・しのぶくん役の成田凌ほか、すずを囲む面々に染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、役所広司と、重厚で多彩なキャスト陣が集結！ 中村は本作のテーマ曲「U」も歌唱しており、先日行われた完成報告会で、ついに竜の声を佐藤健が担当していることも発表された。

中村は開口一番、劇中歌をアカペラで歌い挨拶。「ここから全てが始まったと思うと、とても嬉しいです」と微笑み、会場のファンを喜ばせた。

同じタイミングでアフレコに挑んだという中村と佐藤だが、中村は初めて会った佐藤について、「佐藤さんの公式LINEのアカウントをフォローしている友だちが多いので、色々聞いてみたんですが、どんな方なのかな？と思っていました。実際お会いすると、私のことを演じる人間として対等に扱ってくださって、横道に外れたボールを真ん中に戻してくれるお優しいかたでした」と語り、「初めてだから緊張もするだろう･･･とおっしゃってくれて。さらにファンになりました」と絶対的な信頼を寄せていた様子。

その言葉に、佐藤は「対等どころか、素晴らしい表現をされて僕のほうが教えを請いたくなりました」と言い、「歌うようにセリフを言い、語りかけるように歌う。呼吸が歌っている。それどうやってやるの？と。決して真似できない天性のもの。ご一緒できて光栄でした」と中村を絶賛した。

佐藤は竜の声を担当するにあたり、「エフェクトをかけてくれるというお話だったので、それを安心材料にして何とかやり切れた。でも、試写を観たらエフェクトが外されていて。『えっ！？』って。自分のシーンのところは冷静に観られなかったです。予告編ではエフェクトがかかっていたので、情報を隠蔽され続けていたんです･･･」と明かす場面も。MCが「監督が『上手すぎて、エフェクトをやめた』とおっしゃっていましたよ」と伝えると、佐藤は「んー、どうでしょうね？ 諸説あります」と照れていた。

仮想のインターネットの中の世界が舞台になっていることに、染谷は「インターネットは触れられないし、つかみづらい世界ですが、細田監督の作品は温度がある。壮大な世界と日本の原風景をマッチさせ、没入感がすごくて、凄く心を持っていかれました。唯一無二の世界観だなと思いました」とコメント。

玉城は「10代の頃からインターネットの世界にいた私は、応援してくれている人への思いもインターネットを通して伝えてきましたし、私の青春の中にもインターネットがあったので（映画の世界観に）違和感がなかったです。これまでの経験を通して感じるものでもありました」と。幾田は「身近にインターネットができる世の中で、1つ発信すれば、世界とつながることができる。怖いこともありますが、すずのように何者でもなかった私も、インターネットに歌を投稿したのが始まりでした」と、インターネットがすでに身近な存在であることを述べた。

また、イベントの途中で細田監督がカンヌからリモートで参加。公式上映の感激が冷めやらぬ中、監督は「14分にも及ぶスタンディングオベーションが起こったんです」と報告。「びっくりしました。あんなに長いスタンディングオベーションを受けたことがなかったので。この拍手はいつまで続くんだろうと、本当に嬉しかったです」と、感激しきり。

登壇者たちからカンヌの様子などの質問を受け、世界の名だたる名俳優や監督を見かける風景に「非日常ですね」と言いながら、「みんなと一緒にカンヌに来たかったです」と本音も。そんな中、成田は「監督、素朴な疑問なんですが･･･」と前置きをして、「14分間拍手されているとき、何をしてるんですか？」と質問。「14分って、朝ドラ1話分ですよ」と続けると、佐藤も「確かに気になるね」と同調。

その質問を「ハハハ！」と笑う監督は「周りの方と握手してました。関係者とかプロデューサーだけじゃなくて、お客さんとも握手して。でも、こんな長い拍手は初めてだったので、皆さんの手が痛くなるんじゃないかなと思いながらも、思いを伝えようとしてくれて感動しました」と笑顔で答えていた。

＜ストーリー＞
自然豊かな高知の村に住む17歳の女子高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。

曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界＜U（ユー）＞に参加することに。＜U＞では、「As（アズ）」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。

数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。

やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し（アンベイル）。

＜U＞の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAｓたちは竜を執拗に追いかけ始める。＜U＞と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが――。

現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。

もうひとつの現実。もうひとりの自分。もう、ひとりじゃない。

企画・制作：スタジオ地図
製作幹事：スタジオ地図有限責任事業組合（LLP）・日本テレビ放送網 共同幹事
映画公式ホームページ：https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/
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