映画『サバカン SABAKAN』の初日舞台挨拶が、8月19日、東京・TOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の番家一路、共演の原田琥之佑、尾野真千子、竹原ピストル、草彅剛、番家天嵩と、金沢知樹監督が登壇した。
無名の子役を主演にした本作は、1986年の長崎を舞台に、“イルカを見るため”に冒険にでることになった二人の少年の友情、それぞれの家族との愛情の日々を描く、《ひと夏》のみずみずしい物語。
コロナ禍の中で社会の分断が進む中、80 年代という時代を通して映し出される、貧しさの中にある人の温かさと優しさに触れる作品として、すべての大人たちの魂を揺さぶる「あの頃の僕たちに背中を押される」作品となっている。
今回初演技で主演として映画デビューを飾った番家(一路)は、「『サバカン』は本当に面白いのでぜひ笑いながら観てください!」と笑顔を見せ、「本当に監督が凄くいい人で嬉しかったです」と言って監督を喜ばせるも、「監督も凄くカッコいいし・・・」と続けると、「絶対に思ってないだろ!」と返す監督。会場は微笑ましい笑顔に包まれた。
番家(一路)は「初めての映画で、浮かれて、ビビッて、初めて長崎にも行って。初めてこの大っきいスクリーンに映って、緊張したけどすっごく楽しかったです!」と満面の笑みを浮かべ初めてだらけの経験に興奮を隠せない。
そんな番家(一路)を監督は「この人懐っこさ、いい意味でのバカっぽさがいいなと思って」とキャスティングの決め手を明かし、目を細める。
この日、番家兄弟と原田はお揃いの“サバTシャツ”を着て登場。原田はパンツの外に裾を出したスタイルで「パンツが細身なので、インにしたらおかしいかなと思って」と話すと、Tシャツをインした番家(一路)は「僕は、琥之佑みたいにカッコいいのは似合わないんで(笑)」とおどけて見せる。
劇中でも弟役の(番家)天嵩は「一路(兄)が一緒だったから緊張しなかったです」とニッコリ。この日も隣に立つ兄の一路の存在が大きかったようだ。
夫婦役の尾野と竹原の相性はバッチリだったようで、竹原は「真知子さんとは挨拶とかする前に、いきなり何発も殴られたり言い合ったり・・・(撮影から)濃ゆいコミケ―ションを取れたので」と明かし、劇中の中の家族であだ名をつけ合ったりするなど仲良く過ごすことができた様子。
そんな話を横で聞く草彅は「僕は撮影が進んでから現場に行ったので、みんなもう仲良くなっていて・・・つまんなかったです」とちょっぴり寂しがる。「一路の演技を監督じゃなくて記録さんがつけていて(笑)。監督の友達がロケハンしてくれていたり・・・。本当に手作りでできた映画という感じ」と微笑む。監督も「郵便局員のひさちゃんという僕の友達も出てくれたんですが、草彅さんが緊張させないようにして上手く引き出してくれた。本当に凄いです」と称えると、「褒められちゃった~!」と照れながらも嬉しそうな顔をみせた草彅。「ほかにもいい映画はあります。慎吾ちゃんの映画とか。でも、この映画はストレートにいい映画なんです!」とあらためてアピールした。
本作の内容にちなみ、「今の夢は?」と問われた登壇者たち。番家(一路)は「宇宙飛行士になりたかったけど、算数と理科の成績を見ると難しいかな。今はお金持ちになりたいです!」と目を輝かす。原田は「映画監督にもなりたいけど、今は投資家かバーテンダーのどちらかに」と。尾野は「女優をずっと続けたい」、竹原は「歌手として海外を回ってみたい」、(番家)天嵩は「この仕事を続けて俳優になりたい!」、監督は「好きな人と好きな場所で作品を作っていきたい」と言い、「真知子ちゃんとシンパシーを感じるね」と尾野を見やると「一緒にしないで!(笑)」と笑いが絶えない。草彅は「『新しい地図』で映画を撮りたい!」と思いを口にすると会場から大きな拍手が送られた。
最後に番家(一路)が「これから『サバカン』を観たあとも、もう1度も2度も、何回も観に足を踏み入れてください!よろしくお願いします!」と元気に観客に声をかけ、舞台挨拶を終了した。
『サバカンSABAKAN』
<ストーリー>
1986年の長崎。夫婦喧嘩は多いが愛情深い両親と弟と暮らす久田は、斉藤由貴とキン消しが大好 きな小学 5 年生。そんな久田は、家が貧しくクラスメートから避けられている竹本と、ひょんなことから“イルカを見るため”にブーメラン島を目指すことに。海で溺れかけ、ヤンキーに絡まれ、散々な目に合うが、この冒険をきっかけに二人の友情が深まる中、別れを予感させる悲しい事件が起こってしまう…。
番家一路 原田琥之佑 尾野真千子 竹原ピストル
村川絵梨 福地桃子 ゴリけん 八村倫太郎(WATWING) 茅島みずき 篠原篤 泉澤祐希
貫地谷しほり 草彅剛 岩松了
監督:金沢知樹
脚本:金沢知樹 萩森淳
音楽:大島ミチル
主題歌:ANCHOR「キズナ feat. りりあ。」(VIA / TOY’S FACTORY)
配給:キノフィルムズ
撮影協力 長与町 時津町 西海市 島原市/長崎県フィルムコミッション
助成:文化庁/文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
撮影:2021年8月~9月、長崎にてメインロケを実施。
©2022「SABAKAN」Film Partners
2022年8月19日(金)全国ロードショー