映画『最初の晩餐』の公開記念舞台挨拶が、11月2日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演の染谷翔太をはじめ、共演の戸田恵梨香、斉藤由貴、永瀬正敏、森七菜、楽駆と、常磐司郎監督が登壇した。
本作は、父の遺言により、“目玉焼き”から始まる唯一無二の“通夜ふるまい”を通じて<家族になる瞬間>を過去と現在を交えながら描いていく家族の物語。主人公・麟太郎役を染谷、その姉・美也子役を戸田、兄シュン役には窪塚洋介が演じ、彼らの両親役には斉藤と永瀬が扮する。
公開を迎え、染谷は「5年前にこのお話をいただき、熟して、一番おいしい形で皆さまにお届けできたと思います」と感慨深げ。戸田も「この家族を見届けていただけたら。ほっこりする映画です」とアピールした。
劇中では現代とは対照的な子供時代のシーンも描かれているが、3きょうだいの過去パートについて、染谷は「最高でした。あの空気感が本当に好きです。自分がやりたかったなっていうくらい。楽しそうだなって。大人になってからは悩んでばかりの役だったので(笑)」と羨ましがった。
同じく戸田も「羨ましかったですね」と言い、「私は永瀬さんとご一緒できなかったし・・・」と寂しがる。自身の子供時代を演じた森に「七菜ちゃんがキラキラしていて。なんてきれいなのと思いました。私はなんて声が低いの(笑)」と自虐しながら称えると、森は「ありがとうございます!楽しかったです」と恐縮しきり。「大人の方々のパートを観たとき、とても切なく感じて。そういう目線で観ることができたのも素敵な体験でした」とコメント。
シュンの青年時代を演じた楽駆は、今作で映画デビューを果たし、この日初めて舞台挨拶に立ったそうで、緊張を隠せない様子。「撮影前に窪塚さんと二人だけでお会いして、『僕はこの人になるんだ』と思うと感慨深かったです。大人時代のパートは鳥肌と涙が同時に出てきて、本当にステキでした」と尊敬と感動の気持ちを表した。
全ての家族と共演した斉藤は「キャスト、スタッフ、この作品に携わった方々の心が通じて、素晴らしい時間を共有することができました」と充実感を滲ませ、「ロケ地の山、自然の生命力が家族に寄与していたと思います」と語った。
また、戸田と餃子を包むシーンも。戸田は「餃子を包むのは慣れているので、実力を発揮させてもらいました(笑)」と言い、「撮影以外でもお母さんと楽しい時間を過ごすことができました」と斉藤を顔を合わせてニッコリ。
永瀬は楽駆との登山シーンを振り返り、「ハイキングコースだと思っていたら、断崖絶壁で・・・マジか!と思いましたよ」と苦笑い。「でも、楽駆くんは運動神経も良くて、ススっと登って行って」と若き役者に目を細める。森についても「小学生の役も自然にやっているところが凄かったですね」とベタ褒めだった。
常盤監督は「役者の皆さんに自分の人生の一部を使って演じていただいた。僕も自分の人生の記憶をほじくり返して作りました。永瀬さんにも『監督のお父さんだと思って演じます』と言っていただいて。素直に感動しましたし、うれしかったです」と作品への強い思いを伝え、俳優たちへ感謝。
さらに、タイトルにちなみ、「人生“最後の晩餐”では何を食べたいか?」と問われ、フリップで答えた登壇者たち。染谷は「家族とすし」と回答。「子供のころ、母親とスーパーにいくとお惣菜コーナーでいつも寿司をねだっていました。おやつとして食べていた」と微笑む。戸田は「家族とお鍋」。「映画でもすき焼きを食べるシーンがあるので、すき焼きで!」と話す。永瀬は「ガネ」と聞きなれない料理を挙げ、「南九州の料理です。おばあちゃんがよく作ってくれたんです。どんなものかは・・・ネットで調べてみてください(笑)」と郷土愛を溢れさせていた。
最後に染谷が「とても素直で正直な映画は他にはないと思っています。確実いパズルが揃っていき、真っ白なパズルにどんな光景が見えるかはお客様次第。たくさんの方にそれが広がっていけば」と声をかけ、舞台挨拶を締めくくった。
《STORY》
忘れられない味で僕らはもう一度、家族になった。
カメラマン東麟太郎(染谷将太)は父・日登志(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子(戸田恵梨香)と準備をする中、母・アキコ(斉藤由貴)が、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気がつく。「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」なつかしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえってくる。20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄シュン(窪塚洋介)と5人で暮らした日々のこと……。止まっていた家族の時が今、ゆっくりと動き出す。
染谷将太 戸田恵梨香 窪塚洋介 斉藤由貴 永瀬正敏
森七菜 楽駆 牧純矢 外川燎 池田成志 菅原大吉 カトウシンスケ 玄理 山本浩司 小野塚勇人 奥野瑛太 諏訪太朗
監督・脚本・編集:常盤司郎
協力:信州上田フィルムコミッション/上田市/上田市のみなさん
製作:『最初の晩餐』製作委員会 製作プロダクション:アットムービー
配給:KADOKAWA
公式HP:https://saishonobansan.com
©️2019『最初の晩餐』製作委員会
新宿ピカデリーほか 大ヒット上映中!