映画『桜ノ雨』の初日公開を迎え、3月5日、東京・シネマート新宿にて舞台挨拶が行われ、主演の山本舞香をはじめ、共演の浅香航大、広田亮平、久松郁実、そしてウエダアツシ監督が登壇した。
ボーカロイド楽曲で火がつき、ミリオンを達成した「桜ノ雨」。2009年、2010年春と合わせて200を越える中高校の卒業式で合唱され、卒業式の定番ソングになった同曲を実写映画化した本作は、高校合唱部を舞台に、友情や恋愛を通して成長していく樣を描く青春グラフィティ。
映画初主演を務めた山本は「この日をずっと待っていたので、無事に迎えられてすごくうれしいです。ホッとしています」と微笑んだ。「プレッシャーがすごくあったんですが、撮影前のリハーサルで他のキャストのみんなと仲良くなり、とてもお芝居をしやすい現場でした」と振り返り、この日もそのままの雰囲気で、和気あいあいとした舞台挨拶が展開した。
山本演じる未来が憧れる合唱部部長・ハル役の浅香は「最初、ハルはロボットとか架空の人物みたいなイケメンだったんです。それでウエダ監督と『バランスのとれた人間味のあるイケメン』にしましょうと話し合って役がらを作っていきました」と明かした。ウエダ監督も「気配りもできて、ピアノがあれだけ引ければ十分モテる(笑)。キザになり過ぎないように、一緒に考えました」と付け加え、「ピアノの伴奏も浅香くんがリアルに引いています。難しかったと思いますが、譜面を何度変えても、撮影までにはちゃんと合わせてくるところは、さすが浅香航大!」と褒め称えた。
それでも、作品の完成を観た浅香は「結構恥ずかしいです。声のトーンが甘過ぎて気持ち悪い」と苦笑い。山本が「何回も『今の声が甘すぎ』やり直していましたよね」と暴露。「カッコつけすぎじゃない?(笑)」と冷やかすと、「うるせーよ!」と返し、ここでも仲の良さをみせ、観客も二人のやりとりを優しい眼差しで見守っていた。
また、瑠華を演じた久松は「瑠華は、未来がハルを好きって知っていて、自分もハルが好きという役柄。演じていて、とても心苦しかったですね。自分も友達と同じ人を好きになってしまったら譲ると思うので、そういう部分が瑠華とマッチしていたかなと思います」と分析。「最後の合唱のシーンでは、瑠華は涙を流すのか、流さない方がいいのかと、いろいろ考えていましたが、いざあの場所に立ってみたら自然と涙が流れていました」と振り返った。
そんな中、ウエダ監督から山本に、サプライズで手紙と卒業証書が贈られ、卒業式が行わることに。「聞いてない、聞いてない!」とビックリして慌てる山本。ウエダ監督自身も「こういうのはすごく苦手なんですが、山本さんに感謝とお祝いを込めて書いてきました」と大照れ。
緊張な面持ちで手紙を読み始めた監督は「今日は映画『桜ノ雨』の門出の日でもあり、主演女優・山本舞香の門出の日でもあります。この映画は山本舞香の映画です。僕はそう思って作りました。そして、他のスタッフ・キャストもあなたのためにできる努力を惜しまなかったはずです。それはあなたに女優としてだけでなく人としての魅力があるからです。その負けん気の強さ、謙虚さ、感性を生かしてあなたらしい女優の道を歩んでください」とエールを送った。
大粒の涙をこぼし感激を隠せない山本は、自身の中学卒業のとき、仕事のため卒業式に出席できなかったという。「監督にこんなに褒められるなんて思っていなかったので、序盤からウルっときていました。今、世界で一番幸せだと思います」と、飛びっきりの笑顔を見せた。
『桜ノ雨』
出演:山本舞香 浅香航大 広田亮平 久松郁実 三浦透子 井上由貴 中村大樹 きそひろこ / 田畑智子 奥貫 薫
監督:ウエダアツシ
楽曲制作・原案・原作:halyosy
企画・配給:AMGエンタテインメント
(C) 2015 halyosy、藤田遼、雨宮ひとみ、スタジオ・ハードデラックス/PHP研究所/『桜ノ雨』製作委員会
公式サイト:http://sakuranoame-movie.com/
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