映画『三度目の殺人』の初日舞台挨拶が、9月9日、東京・TOHOシネマズ 六本木にて行われ、主演の福山雅治をはじめ、共演の役所広司、広瀬すず、満島真之介が登壇した。
『そして父になる』の是枝監督と福山雅治が2度目のタッグを組んだ本作は、法廷を舞台にした心理サスペンス。勝ちにこだわる弁護士・重盛は犯罪犯・三隅の弁護を引き受けるが、三隅の供述は二転三転し、重盛を振り回し・・・、二度の殺人を犯した男の深い闇を描き出す。重盛を福山、重盛に対峙する容疑者・三隅を役所、物語の鍵となる被害者の娘・咲江役を広瀬が務める。
第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品された本作。福山、役所、広瀬はベネチアから帰国したばかり。福山は「エンドロールが始まると、ワーッと拍手が起こりまして、現地のみなさんにも届いているんじゃないかと思います」と確かな手応えを感じた様子。
さらに「日本ではお客さんから『ましゃ!』と言っていただくことが多いんですが、ヴェネツィアでは『コージ!』と声が上がってました」と。その話を嬉しそうに聞いていた役所は「僕はそれを聞いた途端に、『今日は“ましゃ”じゃないね』と福山くんに言いました」と自慢げ。
広瀬は「会場を包んだ拍手や歓声の“音”が忘れられません。なんて愛おしい音たちなんだ、と幸せな気持ちになりました」とニッコリ。一方、スケジュールが合わずヴェネツィアに行くことができなかった満島は「レッドカーペットに立っている監督、先輩方、すずちゃんがカッコよかったです。そこに僕もいたらな・・・」と残念そう。「でも、僕はイタリアの血が入っているので、もし行ったら『母国だ』って、帰ってこなかったかもしれないですね(笑)」と言って会場の笑いを誘った。
映画のタイトルにちなんで「一度や二度、三度と、ついついやってしまうことは?」と問われると、福山は「ギターを買ってしまうことですかね。毎回どうしようかと迷うんですが・・・絶対に買うんです。それでも毎回購入を逡巡する、しみったれたところが好きじゃない」と苦笑い。役所も「こういう舞台挨拶で、答えを考えてとくれと言われるんですが、いつも考えていない。まあ、何とかなるんだろう思ってるんでしょうね」と続け、広瀬は「ハマったお店に3日連続で行ったりします。串揚げにドハマりした時は週4~5で行きました」とケロっと話し、観客を驚かせていた。
本作の魅力について、福山は「一般的な謎解きサスペンスとは、まったく逆の手法です。最初に真実のように見えるものを提示し、終わるころにはたくさんの謎が散りばめられている。みなさんを翻ろうする参加型のエンターテインメントで、是枝監督の革新的な作品」と力を込める。
本作の幕切れについても触れ、劇中では重盛が三隅へ言うセリフ「本当のことを教えてくれよ」があるが、観客に「知りたいですか?」と声をかける福山。「僕も監督に聞きました。『本当のことを教えてくれよ』と。役所さんにも聞きました。『本当に三隅がやったんですか?』と。そうしたら2人とも『福山君はどう思うの?』って返してきて教えてくれないんです」と告白。役所に「本当のことを教えてくださいよ~」と詰め寄った。
すると、役所は「本当はですね。僕は誰一人、殺していないです」とサラリ。福山が「本当ですか? いま、衝撃的なことをサラッといましたよね」と驚くも、役所は「みなさんが判断してください」と答え、福山は「どっちなんですか!また翻弄される」とぼやいていた。
映画『三度目の殺人』
<物語>
真実なんていらない。弁護士は、そう信じていた。
それは、ありふれた裁判のはずだった。殺人の前科がある三隅(役所広司)が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し、死刑はほぼ確実だった。その弁護を担当することになった、重盛(福山雅治)。裁判をビジネスと割り切る彼は、どうにか無期懲役に持ちこむために調査を始める。
何かが、おかしい。調査を進めるにつれ、重盛の中で違和感が生まれていく。三隅の供述は会うたびに変わる。動機さえも。なぜ殺したのか?本当に彼が殺したのか?得体のしれない三隅に呑みこまれているのか?弁護に真実は必要ない。そう信じていた弁護士が、初めて心の底から真実を知りたいと願う。
やがて、三隅と被害者の娘・咲江(広瀬すず)の接点が明らかになり、新たな事実が浮かび上がる──。
監督・脚本・編集:是枝裕和 (『そして父になる』『海街diary』)
撮影:瀧本幹也(『そして父になる』『海街diary』)
出演:福山雅治、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、市川実日子、橋爪功 / 役所広司
製作:フジテレビジョン アミューズ ギャガ
配給:東宝 ギャガ
コピーライト:(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ
公式HP:http://gaga.ne.jp/sandome
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