「東の羽生、西の村山」と並び称された、
天才棋士・村山聖(さとし)
病と闘いながら将棋に全てを賭けた、わずか29年の生涯―
感動のノンフィクション小説、遂に映画化!
松山ケンイチ、本気で生きた将棋指しを熱演!
『聖の青春』
主演キャスト発表!
29歳にして亡くなった実在の天才棋士•村山聖(さとし)―。難病と闘いながら将棋に全人生を賭けた壮絶な生き様を描く、感動のノンフィクション小説「聖の青春」が待望の映画化。Amazonレビュー星★★★★★!!!(2016/本日現在)、「感涙の名作」「人生の一冊」「たまらない!」「勇気が湧いてくる」「涙なしに読むことができない」「まぶしすぎる人生」「小説でこんなに泣いたことはない!」など、大絶賛のコメントが寄せられる大崎善生の処女作にして大傑作。100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、そして羽生ら今も将棋界で活躍する仲間たちとの友情を通して描く、号泣必至、感動のノンフィクション。
幼少期より腎臓の難病・腎ネフローゼを患い、入退院を繰り返した村山聖。入院中のある日、聖少年は父が何気なく勧めた将棋に心を奪われる。その日から彼は、将棋の最高峰・名人位を獲る夢を抱いて、将棋の道をまっしぐらに突き進み始める。羽生善治ら同世代の天才棋士たちとの死闘、彼を見守る師匠、そして彼を支える父と母の愛情。自らの命を削りながら将棋を指し、死の床まで将棋のことを口にしていた村山聖の、全力で駆け抜けた壮絶な一生を描く―
主人公・村山聖を演じるのは、主演作多数、人気実力を兼ね備える俳優・松山ケンイチ。人生を将棋に全身全霊捧げた天才棋士役というプレッシャーの中、自ら東京将棋会館に通いつめ、これまでにない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から村山聖にアプローチし、熱演。監督に『宇宙兄弟』でヒットを飛ばした森義隆。人間の知の限界に挑戦し続けた天才将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に、愛情豊かに描き出す。最高のキャストとスタッフで贈る、2016 年最も泣ける感動のノンフィクション・エンタテインメントが誕生する。
1994年、将棋のプロ棋士・村山聖(さとし)六段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、15歳の頃から10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖の上京を広島の両親は強く反対する。反対の理由、それは、聖が幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っていたからである。彼は、常に死と隣り合わせで生きていたのだった。東京―。髪や爪は伸び放題、足の踏み場もなく散らかった家、酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、みな彼の将棋にかける思いを理解し、影ながら支えた。聖が七段に昇段したころ、同じ年齢の羽生善治が前人未到のタイトル五冠を達成し、「名人」のタイトルを獲得する。聖は強烈に羽生を意識、彼に対し、ライバルのような、憧れのような想いを抱いていた。羽生に刺激を受けた聖は更に将棋に没頭し、並居る上段の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、「このまま将棋を指し続けると死ぬ、手術し、療養すべし。」という医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた…。
<松山ケンイチ/まつやまけんいち
1985年3月5日、青森県出身。『男のたちの大和 YAMATO』(05)で一躍注目を集め、続く『デスノート』『デスノートthe LAST name』(06)のL役で大ブレイク。以降、映画、TVで幅広く活躍する。TVでは、NHK大河ドラマ「平清盛」(12)で主人公平清盛を演じ、近年ではNTV「ど根性ガエル」(15)で主演をつとめる。主な映画代表作は、『人のセックスを笑うな』『L change the WorLd』『デトロイト・メタル・シティ』(08)、『ウルトラミラクルラブストーリー』『カムイ外伝』(09)、『誰かが私にキスをした』『ノルウェイの森』(10)、『GANTZ』『GANTZ PERFECT ANSWER』『マイバックページ』『うさぎドロップ』(11)、『僕達急行 A列車で行こう』(12)、『家路』『春を背負って』(14)、『天の茶助』(15)ほか多数。本年は『の・ようなもの のようなもの』、また『珍遊記-太郎とゆかいな仲間たち』『怒り』の公開が控える。
<森義隆/もりよしたか
1979年2月15日 、埼玉県出身。01年、テレビマンユニオンに参加、ドキュメンタリー番組を中心に演出をつとめる。08年 『ひゃくはち』で映画監督デビュー。同作で、第13回新藤兼人賞銀賞、第30回ヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞。12年公開『宇宙兄弟』が大ヒット、第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭でグランプリ、観客賞をダブル受賞。独立後、テレビ、映画、舞台と幅広く活躍する。
<村山聖/むらやまさとし
1969年広島県安芸郡に生まれる。5歳の時、腎臓の難病「ネフローゼ」を患っていることが発覚、入退院を繰り返す。
入院中に父から教わった将棋に夢中になり、15歳の頃、単身大阪に出て大阪の棋士・森信雄を師匠に奨励会に入会する。その後羽生善治や谷川浩司を超える2年11か月という驚異的な早さで奨励会を突破。四段プロ棋士となり「怪童丸」の異名で呼ばれる。「羽生世代」の一人として将棋界の人気者になる。八段まで登りつめた1998年、膀胱癌が発覚、同年8月8日、29歳の若さで逝去。翌年九段が追贈される。
【コメント】
<松山ケンイチ
○本作の出演オファーを受けられた際のお気持ち
全身全霊をかけても足りない役だと思いました。そういう仕事は大好きです。
○原作をお読みになって、村山聖さんについて感じられたこと
命を燃やしている方。その激しさに魅せられました。
○役づくりについて
病を背負われているので内面が一番難しいです。
○撮影についてお聞かせください
とても順調だと思います。監督とコミュニケーションをとりながらじっくり取り組めています。
○公開を待つファンの皆さんへメッセージをお願いします
ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します。
<森義隆監督
村山聖の生き様は「人生とは、何なのか」という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます。
<原作者:大崎善生氏
私のデビュー作である「聖の青春」が角川映画になるというのは宿命的なものを感じる。はじめて映画化の話を聞いてからもう10年近くになる。その間も粘り強く交渉を重ねて、現実まで持っていって下さった制作スタッフの執念には頭が下がる。最終的には最高の形となった。この作品を愛し、信じそして丁寧にまとめあげてくれた。
はじめて松山ケンイチさんとお会いしたとき(※撮影が始まったころ)、村山聖さんに似ているのに驚いた。体重を増やして役に備えたという。右手の爪は村山を真似て長く伸びていた。森さんがいたら「村山君、こんなに長い間どこにいっとったんや」と手をさすったかもしれない。私も酔っぱらっていれば昔のように頬っぺたを軽くつまんでいただろう。意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた。
本作は、天才羽生善治に挑む、西の怪童と恐れられた村山聖の真摯な闘いの物語である。森信雄という類まれな師匠との愛情の物語でもある。幼い日から病気と闘い、そのハンディをものともせず乗り越えていった努力の物語であり挫折の物語でもある。将棋を目指すものたちのストイックな青春がそこにはある。29歳で村山がこの世を去って17年。その歳月をものともせず村山はまだ多くの人に愛され慕われ続けている。その過酷な宿命の故か、彼の持つ特有の純粋さの故か。その村山聖が17年ぶりにこの世に戻ってくる。松山ケンイチに姿を借りて。限定的なカーニバルのようなものだ。もちろん私もはやく村山くんに会いたい。一人でも多くの人にこのお祭りに参加してもらいたい。
<プロデューサー:滝田和人
○企画意図、撮影までの経緯
単行本が出版された当時、一読者として泣きました。ただ原作がホンモノすぎて、映画化とかは畏れ多い、難しいだろうなと感じながら、諦めきれず企画に着手。数年後、『ひゃくはち』公開を終えたばかりの森義隆監督にオファー、若いのに演出がしっかりしていて、青春をリアルに描ける才能がある方だと感じていたことが理由です。TVドキュメンタリーも撮っている方だけに、ノンフィクションを2時間の物語にしていく困難性を誰よりも感じられていたため、理解頂くのに相当な時間がかかりましたが、数十回飲んでようやくOKを頂け、前に進み始めました。脚本も「これだ!」と皆が思うものに到達するには5年ほどかかり、決定稿は20稿目。企画に賛同してくれるプロデューサー達と協業して、昨年ついに成立まで進めることができました。この上ないキャスト・スタッフの皆さんに集まっていただき、強力な布陣で撮影に入ることができ、必ずや良い作品に仕上がると確信しています。そして、長い間辛抱強く映画化を待ってくださった原作者の大崎善生さんには本当に感謝しています。
○松山ケンイチさんのキャスティングについて、役作りについてなど
以前 2 本の映画でご一緒した際の印象と、『男たちの大和』の演技が非常に素晴らしく、その頃から松山ケンイチさんに注目していました。そして数年後、事業化が決まりかけた頃、松山さんご本人が原作を読み、村山聖役を熱望しているという情報を耳にしました。「逃してなるものか!」と、本人に監督と一緒にお会いし話してみて、松山さんならば重責を受け止め、必ずや私たちと同じ方向を見つめながら「村山聖」という人間に挑戦することができる、と強く感じました。役作りについて、松山さんとは、広島のご両親への訪問と聖さんのお墓参り、そして師匠森信雄さんの元も訪れ、大阪福島の前田アパート、関西将棋会館、更科食堂と聖縁の大阪の地を巡りながら、聖とのエピソードをじっくりうかがいました。元々、将棋はお好きでたしなまれていたようで、将棋指導の先生からの指導含め、将棋会館の一般道場にふらりと現れては手合いをつけてもらい普通に指されていたりなど、めきめき上達されました。
また、聖が罹ってしまったネフローゼという難病を理解するため、実際の患者さんへも取材をして、撮影に臨まれました。実在の人物でも、もう亡くなられているので、当然会うすべはなく、聖を支えた方々の人柄に触れることと、聖が実際身を置いた空間に浸ることで、役作りのヒントしようとされていたのだと感じます。聖の強烈な個性は、内面のみならず、迫力と愛嬌が奇妙に入り混じる見た目も大きいですから、当時の写真、対局のビデオも参考に肉体改造も大変だったと思います。「でも、食べて飲むしかないんですよね」「おいしいものもおいしく感じなくなるんです」と言う松山さんは本当に苦しそうでした。
○撮影について
対局をどう撮るかというのが最大の課題で、畳の和室という静謐な空間の中で、魂の打ち合い、骨のきしむような戦いが行われているのをどう映像表現するかが見どころでもあります。監督スタッフ一丸となって、そこに注力してつつ絶賛撮影中です。森監督はドキュメントスタイルでの方法論が原点なので、ロケーションはリアルな場所にこだわり、将棋の聖地、東京・千駄ヶ谷、大阪・福島区、タイトル戦の対局が実際行われている各地の名旅館でもロケを予定しています。
○公開を待つファンの皆さんへメッセージをお願いします
これまでにないほどの役へののめり込み方や周囲が危惧したほどの増量計画。クランクイン前、村山聖を感じるために、松山ケンイチはあえて苦しみや悩みを求め、もがいているように見えました。もう会うことの叶わない生きた村山聖がスクリーンに出現することを、私は確信しています。どうぞご期待ください。
出演:松山ケンイチ 他
原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫)
監督:森義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち』
脚本:向井康介『クローズEXPLODE』『リンダリンダリンダ』
©2016「聖の青春」製作委員会
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://satoshi-movie.jp
2016年 秋 全国公開