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映画『聖地X』岡田将生インタビュー! 韓国ロケで感じた土地の力、俳優としての向き合い方とは?

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この地に宿るのは、神か悪魔か。オール韓国ロケで送る、想像を絶する驚愕のエクストリームホラー『聖地X』が只今、絶賛公開&配信中だ。
本作は、超常的な世界観で人気の劇団・イキウメによる同名舞台を、入江悠監督がメガホンをとり映画化。主演は、近年あらゆるキャラクターに挑戦し、その演技力で多くの注目を集める俳優・岡田将生。日本を離れ、親が残した韓国の別荘に一人住む小説家志望の青年・輝夫を演じた彼が、韓国ロケで感じた俳優としての新たな思いを語ってくれた。

― 最初に脚本を読まれたときの感想を教えてください。

あまり類を見ない不思議な脚本だと感じたので、これを入江悠監督がどう料理するのだろうと思いました。この作品を韓国で撮影することがどうプラスに働くのか、兄妹という関係性のなかで、輝夫という役をどう面白く演じられるのだろうと考えながら読ませていただきました。入江監督の劇団「イキウメ」に対するリスペクトも感じたので、この映画は確実に面白くなるだろうなと思っていました。

― 韓国ロケはどのようにプラスになったのでしょうか?

韓国では撮影時間が決まっていて、さらに週休2日なので、ゆったりした撮影スケジュールの中、ワンシーン、ワンシーンを入江監督と意見を合わせながら、自由にやらせていただけて、すごく楽しい時間を過ごすことができました。日本のスタッフと韓国のスタッフがいるので、コミュニケーションが難しいと思っていましたが、毎日皆さんと会話するにより、お互いの映画に対する向き合い方を知り、集中して撮影に臨むことができたので、そこもプラスに働いたと思います。

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― 本作は日本のホラーの中でもとても斬新なイメージがあります。それはやはり韓国でのロケーションということもあるのでしょうか?

やはり、韓国には少し日本とは違う空気が流れていて、舞台となった居酒屋の土地も実際に訪れてみると少し重々しい感じがしました。何かが起きそうな空気、その異質な雰囲気に監督がここを選んだ理由が分かったような気がしました。韓国で撮ることによって、輝夫という男が現実から逃げて、人間関係を断っているという役の意味がより一層強まったのではないかと考えます。

ホラーには、人間が想像力を働かせることによって生まれる内面的な怖さもあると思います。この作品にはそれにプラスしてミステリー要素もある。そしてちょっと笑えるところもあるので、ホラーというジャンルにとらわれず、気楽に見てもらえると嬉しいです。

― 現場にあった古井戸がとても気になりましたが、実際にあそこにあったのですか?

(プロデューサーさんより)あれは美術です。実際に大がかりな工事で設置しました。

日本人の中に「古井戸=ホラー」という意識が出来ているのかもしれません。あと、あの土地ならではの力も感じました。僕が演じた輝夫が住んでいた別荘も海を隔てて北朝鮮があって凄く不思議な空気が流れていましたし、淀んだ天気の日は少し怖い感じがしたのを覚えています。

― 間近で見た祈祷師のシーンは迫力があったとお聞きしましたが。

あんなに圧倒されると思っていませんでした。空間を支配されるってこういうことなんだろうなと。祈祷のシーンは、とても生命力が豊かで、自分はただただ見入ってしまいました。この映画の中でも出てきますが、信じる力って本当にあるんだなと感じました。

韓国の映画を見ていると、ああいう(祈祷の)シーンってよく出てきますよね。「映画で見てたやつだ」と、純粋に感激したりして(笑)、そういうのが経験できたのはすごく楽しかったし、映像でも日本では味わえない醍醐味にもなっていたと思います。

韓国映画『哭声/コクソン』にも出演され、僕も以前ほかの作品で共演させていただいた國村隼さんに「韓国の映画作りというものに対しては、日本よりも少し違うところに行こうという、気概を感じる」というお話を聞いたことがあります。今回、韓国のチームと一緒に映画作りをすることで、以前に増して映画に対する気持ちや、向き合い方を教わった気がします。

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― 特に韓国チームで印象に残っていることは?

とにかく、皆さん真面目で、オンとオフの切り替えが上手でした。ご飯もみんなで一緒に同じ場所で同じものを食べるというのは、日本の撮影スタイルの中ではないことですし、週休2日など、万全な態勢で撮影に臨める環境を作っているのは素晴らしいと思いました。

今では朝まで撮影することはありませんが、10代、20代の頃は朝まで撮影して、2時間後に別の撮影に入るときもありました。体力的にも精神的にも削られていく撮影スタイルが、いいように働くときもあれば、働かないときもありました。若いときにそういうことを経験していたので、俳優の体力、精神力、集中力を考えると韓国の撮影現場の体験はとても新鮮でした。

今作ではアクションシーンもありますが、韓国のスタッフの皆さんもたくさんアイディアを出して下さって、自主的に映画のために動く姿がとても素敵で刺激になりましたし、自分ももっといいものにしようという気持ちにさせられました。

― 常に色々な作品にチャレンジされている岡田さんですが、作品選びはどのようにされているのでしょうか?

常に一つのところにとどまらず色んなジャンルに挑戦したいと思っています。その中で監督や共演者の皆さんと一緒にもの作りをしたいという気持ちで心が動いている気がします。少し映画と離れていた時間もあり、映画に対する気持ちがあふれていたからこそ、去年、一昨年はとにかく映画の現場に行きたいという気持ちが強かったです。

今年公開された映画を含めて、少し癖のある役が多かったので、偏りすぎてしまったかなとも思ったので、いろいろ調整しながら、来年はまた違った役をやらせてもらえる現場があるなら、飛び込んでみようと思っています。

― 監督や共演者を含め、人との出会いが成長につながるということでしょうか?

そうですね、入江監督をはじめ30代、40代の監督さんと一緒に仕事をさせていただく機会が多くなりました。そんな同世代の監督とは感じているポイントが似ている部分が多く、現場を通して監督と意思疎通ができてくると、キャラクターを含めて、作品の質が上がっていく感じがします。

皆さんとても素敵な監督で本当にいい経験をさせていただきました。様々な現場を踏むことで、多くの方に自分を知っていただきたいという欲はあります。次のステップアップのために、色々な役を演じることで、現場を通して人間力を上げていきたいです。

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― 今回、入江監督との出会いはいかがでしたか?

僕はプライベートでスタッフの方とお会いすることがあまりないのですが、今回韓国に1カ月滞在していたので、入江監督と一緒にご飯を食べたり、お酒を一緒に呑む時間を作ることができました。その時に映画の話になり、監督の考えている映画作りというものに賛同することが多かったんです。そこで、なおさらこの監督についていこう、僕も信頼される役者になりたいという思いが強くなり、信頼関係をさらに作っていくことができました。『聖地X』も含めて、また違う現場で呼んでいただいたときは、また違う姿を見せたいという気持ちになりましたし、映画に対する愛を凄く感じる、入江監督はそういう監督でした。入江監督からも「いろんな役にチャレンジしていった方がいい」とアドバイスをいただきました。

― 近年とても精力的に活動されていらっしゃって、アクの強いキャラクターを演じることも多いと思いますが、役の切り替えで意識されていることは?

本当に普通の生活をすることです。お休みの日はゲームをしたり、スーパーに行ってご飯を作ったり・・・そんなふうにリラックスして、なるべくフラットな状態で次の現場に臨めるように体も心も作っておくようにしています。ずっと働いていたいタイプで、20代はもっといろいろな現場に行こう、30代は、1つずつ丁寧に作品に取り組もうと考えていましたが、今もまだ足りない気がして、もっと現場を踏みたいなと思ったりもします。

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― 今回の共演者の方で特に印象的だったエピソードがあれば教えてください。

以前からお芝居をよく見させていただいていた緒方(直人)さんとの共演はとても嬉しかったです。あの包容力と空気感は、自分の理想としているものに近いし、年下の人にも緊張を与えずに包んでくれる人間力がある方ですね。いい意味で甘えてくださいますし、とてもカッコ良くて、現場にいてくださるだけで安心できました。先輩の言葉、現場での姿に凄く助けてられましたし、とても尊敬しています。

― それではこれからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

今作は劇場上映と配信が同時になって、とても面白い試みだと思います。劇場でも楽しめるし、テレビ画面でも面白く観ることができる作品です。兄妹の絆、前に一歩進もうとしている彼らの行く末を見届けていただけたら嬉しいです。怖くもあり、笑いもありで楽しんでいただけると思います。ぜひご覧ください。

【岡田将生 Masaki Okada】
1989年8月15日生まれ、東京都出身。
2006年デビュー。近年の主な出演作は、『何者』(16/三浦大輔監督)、『銀魂』(17/福田雄一監督)、『伊藤くんA toE 』(18/ 廣木隆一監督)、『家族のはなし』(18/山本剛義監督)、『星の子』(20/ 大森立嗣監督)、『さんかく窓の外側は夜』(21/ 森ガキ侑大監督)『Arc アーク』(21/ 石川慶監督)などがある。
21年放送のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ)での演技も話題となる。第 74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21/ 濱口竜介監督)、『CUBE 一度入ったら、最後』(21/清水康彦監督)など話題作への出演も続くほか、12月12日より主演舞台「ガラスの動物園」が上演中、多方面で活躍の幅を広げている。

撮影:ナカムラヨシノーブ

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映画『聖地X』
【ストーリー】
その土地には、絶対に行ってはならない。ひとたび足を踏み入れた者は、想像を絶する奇妙な現象に巻き込まれ、死ぬまで悪夢は終わらない!
小説家志望の輝夫(岡田将生)は、父親が遺した別荘のある韓国に渡り、悠々自適の引きこもりライフを満喫中。そこへ結婚生活に愛想をつかした妹の要(川口春奈)が転がり込んでくる。
しかし、韓国の商店街で日本に残してきた夫の滋(薬丸翔)を見かける要。その後を追ってたどり着いたのは、巨大な木と不気味な井戸を擁する和食店。無人のはずの店内から姿を現したのは、パスポートはおろか着の身着のまま、記憶さえもあやふやな滋だった。
輝夫と要は別荘で滋を取り押さえ、東京にいる上司の星野(真木よう子)に連絡すると、滋はいつも通り会社に出勤しているという。では輝夫と要が捕まえた滋のような男は一体誰なのか? さらに妻の京子(山田真歩)が謎の記憶喪失に襲われた和食店の店長・忠(渋川清彦)は、「この店やっぱり呪われているかもしれません」と言い出す始末。日本人オーナー江口(緒形直人)いわく、店の建っている土地では、過去にも同じように奇妙な事件があったことがわかってくる。
負の連鎖を断ち切るため、強力なムーダン(祈祷師)がお祓いを試みるも、封印された“気”の前には太刀打ちできない。
この地に宿るのは神か、それとも悪魔か?彼らはここで繰り返されてきた数々の惨劇から逃れ、増幅し続ける呪いから解放されることはできるのか!?
想像を絶する悪夢が今はじまる――。

岡田将生 川口春奈
渋川清彦 山田真歩 薬丸翔
パク・イヒョン パク・ソユン キム・テヒョン
真木よう子 緒形直人

原作:前川知大「聖地X」
監督・脚本:入江悠
音楽:SOIL&”PIMP”SESSIONS 海田庄吾
エンディングテーマ:SOIL&“PIMP”SESSIONS『Face』(Getting Better / Victor Entertainment)
製作:五老 剛 香田哲朗 森田 圭 村上 潔 與田尚志 栗花落光 柴田邦彦 山田泰彦 加太孝明 福田剛紀
エグゼクティブ・プロデューサー:飯田雅裕 紀伊宗之
「聖地X」製作委員会:朝日新聞社 Akatsuki  KDDI キングレコード 東映ビデオ FM802/FM COCOLO ADKエモーションズ サンライズプロモーション大阪 ROBOT 全日本プロレス
企画・制作プロダクション:ROBOT
企画協力:東映
共同制作:B.A.エンタテインメント
配給:GAGA 朝日新聞社
©2021「聖地X」製作委員会

公式HP:https://seichi-x.com
公式ツイッタ-:@seichiX_movie
公式Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCn2SPgsIaeTHg2C3REDRdfQ

■映画『聖地X』配信概要
配信サービス:「auスマートパスプレミアム」「TELASA(テラサ)」
対象:auスマートパスプレミアム会員(月額情報料548円(税込)/初回30日間無料)
TELASA(テラサ)会員(月額情報料618円(税込)/初回15日間無料)

※各サービスの詳細については、下記をご覧ください。
【auスマートパスプレミアム】
https://pass.auone.jp/main
【TELASA(テラサ)公式サイト】
https://navi.telasa.jp/

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