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萩原利久「北村匠海はエンターテインメントの最前線にいる人」。北村の監督姿に藤堂日向は「知らない匠海を見れた」井浦新は「大御所感あったよ!」映画『世界征服やめた』公開記念舞台挨拶

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映画『世界征服やめた』の公開記念舞台挨拶が、2月8日、東京・ヒューマントラストシネマ渋⾕にて行われ、監督を務めた北村匠海と、キャストの萩原利久、藤堂日向、井浦新が登壇した。

俳優でありアーティストとしても活躍する北村匠海が、初めて企画・脚本・監督を務めた短編映画『世界征服やめた』。
本作は、独特な言葉のセンスとパフォーマンスで注目をあびながら、2011年6⽉に不慮の事故でこの世を去ったポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyの代表的な楽曲の一つである「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村が、この楽曲からインスパイアされて自ら脚本を書き下ろし映画化。内向的な社会人・彼方(萩原利久)と、彼方の同僚で白黒をはっきりさせたがる星野(藤堂日向)を通して、生にすがることへの尊さと人生の主人公は自分しかいないのだと思い起こさせるヒューマンストーリー。

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公開を迎え、北村は「監督という立場で作品に関わらせていただいて、観客の皆さんに渡り手を離れたわけですが、企画から脚本とずっと右往左往していたので、実感がまだ湧かないですね」と心境を吐露。

監督をやろうと思ったきっかけを「小栗旬さんがきっかけでした」と言い、「小栗さんが監督をした『シュアリー・サムデイ』に出演したとき、自分は小学校6年生。(小栗の姿が)ただただカッコ良かった。『いつかやりたい』と思う人生の中で大きなきっかけになった」と明かし、「それを不可思議/wonderboyが叶えてくれたと思います」と続けた。

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俳優としての共演のほかプライベートでも北村と交友がある藤堂と萩原。藤堂は「僕は友だちとしての時間が長いのですが、匠海が作った映画ならきっと面白いだろうと思った。友人としても俳優としても出演できたことは幸せなこと」と喜び、萩原も「彼は僕らの世代の中で、エンターテインメントの最前線にいる人。今回改めてそれを感じた」とし、「匠海の行動から広がっていて、今この場に立っていることに尊敬の思いがありますし、その熱量に乗って、作品の一員として現場に参加したいという思いがありました」と北村を称える。

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居酒屋店主の役で友情出演した井浦も「匠海くんとはドラマ『にじいろカルテ』で共演して、ちょうどコロナ禍で映画館の存続について模索していたころでした。撮影の合間に『映画をもって応援したい。映画を作りたい』と話していた彼の情熱を感じた。匠海くんは様々なカルチャーを吸収して楽しんでいる。そして、そのカルチャーに対して敬意がある人なんです。そういう人が生み出すものはきっと素敵なものになるんだろうなと」と、北村の印象を語り、「彼が映画を作る時には何でもいいから関わりたいと思って、スタンバイしていました」と、出演への思いを述べた。

北村が「この3人には絶対的な信頼がある。本当に助けてもらった」と感謝の気持ちを表すと、藤堂は「匠海はいろんな顔を持つ人ですが、何事にもひたむき。真剣にモニターに向かっている姿はかなり鮮烈でした。あらためて知らない匠海を見られました」と北村の監督姿に感慨。その言葉に、北村は「日向から『仕事の話をするとき、めっちゃ目が怖いよ』って言われるので、怖がられてないかな?と思いながらやっていました」と笑った。

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すると、すかさず井浦も「大御所感あったよ」といい、藤堂と萩原も大きくうなずいて同意。北村は「どこかで“監督然”することを演じていたかもしれないですね」と照れていた。
萩原は、北村の演出について「いつ“カット!”がかかるか分からなくて不安になるんですよ(笑)。『生きて!』と言って放り出される演出はなかなかない経験」と、信頼からくる演出を述懐。そして「撮影期間に、演者じゃないからヒゲが伸びていてもそのままなんです。レアな匠海が見れましたね」と笑うと、北村も「3徹(3日間徹夜)だったもんね(笑)」と言い、会場を沸かせていた。

毎日働いてるとヒゲを剃りますよね。でも撮影期間は演者じゃないからヒゲが伸びてくるんです。ある意味レアな匠海が見られたなと思います」と別の角度から北村監督の印象を語り、会場の笑いを誘っていた。

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北村監督のこだわりの詰まった本作。「ニコンのスタジオで撮った画も楽しみにしてほしいです。僕がニコンさんのCMに出演してなかったらできなかったシーンなので」とPRも。井浦は「最初に台本を読んだ時の印象と違い、視点が様々の方向に向けられ、いろんな景色を楽しめる作品になっていた」と完成作品観た感想を述べ、「匠海監督なりの『不可思議/wonderboy』へのアンサーが出されていて、僕も昔から不可思議のファンだったので、グッと感動させられました。監督の等身大のリアル、あのときにしか作れなかったものを、1時間の中に詰め込んだんだなと感じました。きっと監督の頭の中、心の中を感じて楽しめると思います」と熱弁。

最後に北村監督が「 “生きること”って大変なことだと思うんです。僕も『なんだかしんどいな』と感じる毎日だったりしていました。そういう中で僕が『不可思議/wonderboy』の楽曲に救われたように、エンタメが少しでも日々を明るくしてくれることはあると思う。その力を信じていきたいですし、役者でも監督でも、カメラマンでもどんな役割でもいいから映画を作り続けることで、さらに誰かの生きることのきっかけになればと思っています。このお三方と不可思議/wonderboy、そしてこの作品に出会ってくださる皆さんに感謝しています」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

作品概要
製作陣には、北村と『スクロール』やDISH//の「プランA」MVで組んだ映像作家・清水康彦、フォトグラファーとしてポカリスエットの広告から映画『正体』撮影まで手掛ける川上智之といったトップクリエイターが結集した。多才な面々との協働で北村が監督として開花させたのは、世界観の構築―いわば総合力の高さ。
日本映画界を引っ張るトップ俳優にして、 監督として踏み出した“大型新人”の鮮烈なるデビュー、その命の輝きを余すことなく受け止めていただきたい。

【FIX】世界征服やめた_キービジュアル

映画『世界征服やめた』
■原案・主題歌:「世界征服やめた」不可思議/wonderboy(LOW HIGH WHO? STUDIO)
■企画・脚本・監督:北村匠海
■出演:萩原利久|藤堂日向|井浦新(友情出演)
■製作・制作プロダクション:EAST FILM

撮影協力:ニコンクリエイツ|制作協力:ニコン|企画協力:Creatainment Japan
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
©️『世界征服やめた』製作委員会

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