松坂桃李、シム・ウンギョンから「今日はナウいですね！」と言われ照れ笑い！？ 映画『新聞記者』完成披露上映会

映画『新聞記者』完成披露上映会が、6月4日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、W主演のシム・ウンギョンと松坂桃李、共演の高橋和也、北村有起哉、田中哲司、監督を務めた藤井道人が登壇した。

東京新聞・望月衣塑子記者の同名ベストセラーを原案とした本作は、一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを問いかけるオリジナルストーリー。真実に迫ろうとする新聞記者・吉岡エリカ（シム・ウンギョン）と、理想と現実の間で揺れる官僚・杉原拓海（松坂桃李）の葛藤と運命を描き出す。

日本映画初主演を果たしたウンギョンは「ちゃんとやれるかと、悩んだ時期もありましたが、自分の持っている集中力の全部を出して頑張りました。この映画で貴重な経験ができ、自分のお芝居も成長できたと思います」と、流暢な日本語で語り、達成感を滲ませた。

撮影期間は約2週間というタイトなスケジュールだったそうだが、松坂は「役がら的にも、けっこうズシンと来るシーンが多く、メンタル的に気持ちを上げることが難しかったです」とし、「杉原は、目の前で起こる一つ一つの出来事に自身の信念を持って立ち向かい、揺れ動いては自分に問いただしていた。自分自身、果たしてそういうことができているか、考えさせられました」と吐露。

杉原の上司で内閣参事官・多田役を演じた田中は「特に役作りということはなく、淡々と優しくやっていましたよ」と言いながらも、「これまで悪い役をたくさん演じてきましたが、今回はその集大成のようなものです」とニヤリ。その言葉に松坂は「怖かったです･･･。静かなものがゆっくり迫ってくるような怖さがありましたね」と共演シーンを振り返った。

吉岡の上司・陣野役の北村は「脚本を読んで血が騒いでワクワクしました。これは絶対に参加すべきだと迷いもなかったですね。ここに立って光栄に思う」と作品の魅力にとりつかれていた様子。新聞社の独特な雰囲気も「実際に東京新聞の社会部をお借りして撮影しました」と明かし、「楽しかったよね」とウンギョンに笑顔を向ける。

杉原の外務省時代の上司・神崎俊尚役を演じた高橋は、松坂とは初共演。「松坂さんは、シュッとしているなぁ～と思いました(笑)。僕は哲さん（田中）とは対極にある役。優しい役だったので、（松坂とは）初対面から上手くいったかと」と話し、「とても勇気のある映画。この作品には覚悟を決めて参加しないといけないなと思いました」と真摯に語った。

舞台挨拶では、ウンギョンが新聞記者・吉岡エリカになりきって、登壇者らに“つっこんで質問“する場面も。「どのようにセリフを覚えますか？」という問いに、田中が「僕は歩きながら。歩きながらでないと覚えられない。だから雨の日でも外を歩きます」と答えると、ウンギョンは「言い切れますか？」とマイクを向けて詰め寄り、会場の笑いを誘った。

松坂は「焼き肉を焼いたり、何かをしながら」と回答。「何か負荷を与えながら覚えています」と続けるも、ウンギョンは「以上ですか？」とクールに返事をしていた。また、「お休みの日はどんなふうに過ごしていますか？」という質問には、松坂は「ひたすらテレビを観ています。朝にニュース、昼はワイドショーとかアニメとか、夕方のニュースやドラマも見ています」と告白。北村に「自分を追い込んだりしないの？」と聞かれると、「いや、開放されたいですね～」と松坂。ウンギョンも「私も同じです」と同調。

逆に、松坂がシム・ウンギョンに質問をしてみる。「気に入っている日本語は？」と尋ねると、「“ナウい”です」と答え、「それは古いよ」と驚く登壇者たち。ウンギョンは「そうですか？でも、気に入っています」とあっけらかん。すると、松坂に「今日はナウいですね！」と声をかける。松坂は「ありがとうございます。光栄です」と照れ笑いを浮かべていた。

最後に、ウンギョンが「ジャーナリズムの話ですが、人間群像も見えてくる作品です」と本作をアピール。松坂は「いまだにこの作品はどういう作品なのかというこ後場が見つかっていない。いいワンワードが出てきません。こんなことは初めての経験です。それだけ一言では語れない作品だということかと。ぜひ、先入観を持たずに観ていただき、感想を寄せてもらえたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

映画『新聞記者』
＜STORY＞
東都新聞記者・吉岡（シム・ウンギョン）のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名 FAX で届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある強い思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原（松坂桃李）は葛藤していた。「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる！

出演：シム・ウンギョン 松坂桃李 本田翼 岡山天音 ／西田尚美 高橋和也／北村有起哉 田中哲司
監督：藤井道人
脚本：詩森ろば 高石明彦 藤井道人
音楽：岩代太郎
原案：望月衣塑子「新聞記者」(角川新書刊) 河村光庸
配給：スターサンズ イオンエンターテイメント
©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ
公式サイト：http://shimbunkisha.jp

6月28日（金）新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国公開！