映画『正体』の公開初日舞台挨拶が、11月29日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、主演の横浜流星をはじめ、共演の吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之と、藤井道人監督が登壇した。
本作は、殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けるも脱走した男・鏑木が日本を縦断し、それぞれまったく違う姿をして出会った4人から見た鏑木を捉えながら、真相に迫る逃亡サスペンス!
鏑木を横浜流星が演じ、指名手配犯だと気づくが彼の無実を言じる沙耶香を吉岡里帆、日雇い労働者として鏑木と共に工事現場で働き、親しい友人となるが、犯人ではないかと疑う和也を森本慎太郎、、介護施設で鏑木と出会い恋心を抱く舞を山田杏奈、鏑木を追う刑事・又貫を山田孝之が扮する。
第49回報知映画賞で主演男優賞、助演女優賞、作品賞と3冠を受賞した本作。横浜は「なによりも作品賞が嬉しいです。この作品に携わった関係者の皆さんに“おめでとうございます!”と言う気持ちですし、自分が賞をいただけたのも皆さんのおかげだと思っています」と感謝の気持ちを口にした。
吉岡は「監督に連れてきてもらった気持ちです。一生懸命仕事をしていても自分の良さをわかってくれる監督と出会えないと自分の華は開かないもの。この作品と出会えて、監督と出会えて、素敵なキャストの皆さんと共演できて、私は本当に幸せものだと思いました」と感慨深げに語る。
藤井監督は「作品賞というのは狙って獲れるのものではないので、スタッフのおかげ。お客様に届けることを一番に考えていたことを認めてもらえたのは嬉しいこと。もっといいものを作らなきゃいけないんだなと思うし、このチームに出会えたことが最大」と受賞を喜んでいた。
4年という歳月をかけて作り上げた渾身の一作だが、監督は「4年って凄く長いように聞こえますが、そうは感じない。企画から撮影をして編集をして公開までっていうのはやっぱり奇跡。これまで映画が完成せず終わってしまったこともあります。この映画が企画の段階で流星が横にいてくれて、一緒に走りきれたこと自体が奇跡だなと思います。お客さんに届けること自体が奇跡なんだなと思うので、流星に本当に感謝したいなと思ってます」と企画からともにしてきた横浜に感謝する。
映画『青の帰り道』で藤井監督と出会ったという横浜も、「その時に、映画が完成し届けられるというのは当たり前じゃなくて幸せなことなんだなと痛感した。この作品も紆余曲折ありましたが、それを乗り越えたから、この素敵な方々と出会えて作品作りができて、自分の中でも1つの集大成となる作品になりました。多くの方に届いてほしいと心から願っています」と目を輝かせた。
また、吉岡は本作を観て「衝撃だったのが森本さん演じる和也と鏑木の出会い。2人がお酒を初めて飲み交わすシーンがすごい好きなんです」と言い、「18歳で死刑囚になってるので青春時代を奪われている彼が初めてお酒を飲んで“友達になろうよ”って言われるピュアなシーンに心掴まれちゃって。いい映画だなとシンプルに思いました」と笑顔を見せる。
その言葉に、森本は「嬉しいです!ありがとうございます」と礼を述べ、「毎日毎日、これで大丈夫なのかなと不安で、モヤモヤもあったんですが、流星くんが凄く支えてくれた。あのシーンは狙って作った感じではなく、藤井監督に導いてもらった」と振り返る。そして、「この映画を観たあとに、“信じる”って何だろうとか、“今の自分が置かれている現状はどうなのか”とか、いろんなことを考えました。それほど考えて振り返られる作品にこれまで出会ったことがなかったので、新しい出会いに感謝しながら観ていました」と感想を述べた。
山田杏奈は「私は自分のパート以外のところはどんな様子で撮ってるのか全く知らなかったので、単純に流星さんがめちゃくちゃ大変だったんだろうなっていうのを映画を通してみて改めて思いました。凄いなと」と、横浜を称える。
鏑木を演じた横浜は「とてつもない状況においても、決して諦めない心だったり、目的を達成させるために希望を持つ、そのまっすぐさだったり、それを維持するっていうのはすごく心身ともに疲弊しましたけど、でもそれは、人と出会って、その温かさに触れて皆さんのおかげで生きる希望を持てたという思いもあるので、本当に鏑木にとってそれぞれの出会いっていうのはすごく大きなものだったと思う」と述懐した。
藤井監督とは長い付き合いになるという山田孝之も「いい映画だなと思いましたね」と言い、「藤井監督とは過去に一緒に映画を作って脚本作りをやった仲ですが、いろんな映画がエンターテイメントもあるけども、“答えを出さない”っていうことも重要だと思っていた。今回映画の中では結末はあるんですけど、やっぱりこれを見た人たちがどう思いますか?と問いかける、そんな映画になっていました」と、コメントした。
撮影の合間に新たな一面を見たか?と問いかけると、吉岡は「横浜さんは万能すぎるというか、あらゆるシーンでの適応能力、運動神経、感性がありすぎて驚かされるんですが、唯一、餃子を作るのがめちゃくちゃ下手でした(笑)」と暴露し、会場の笑いを誘った。「可愛かったですね。これはできないんだな人間なんだなと」と笑うと、横浜は「鏑木は料理が上手なんですけどね・・・。そこだけは」と苦笑い。藤井監督も「そこは(手元が映らないように)引いておきました(笑)」と続けた。
さらに、横浜の意外な一面が。森本は「横浜さんは、撮影の最中はあまり喋らないんですけど、(本当は)めっちゃお喋りですよね。凄く笑うし、凄くふざける」と告白。これには横浜も「(役柄が)こういう関係性じゃなかったら食事に行きたかったんだよね」と笑顔を返していた。
一方で、山田孝之と念願の共演を果たした横浜。山田が「以前、自分もドラマで“逃げる役”をやったことがあるので、いかに逃げる役が大変かがわかるので、この作品で共演で着て良かったなと思う」と伝えると、横浜は「(山田と共演できて)幸せでした。役でぶつかりあうこともできたし、新たな感じの関係性が描けたのも山田さんだからだと思います」と感慨深げに話していた。
<STORY>
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)そして彼を追う刑事・又貫(山田孝之)。又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。間一髪の逃走を繰り返す343日間。彼の正体とは?
そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。その真相に心震える感動のサスペンス!
映画『正体』
■原作:染井為人『正体』(光文社文庫)
■出演:
横浜流星
吉岡里帆 森本慎太郎 山田杏奈
前田公輝 田島亮 遠藤雄弥 宮﨑優 森田甘路
西田尚美 山中崇 宇野祥平 駿河太郎 / 木野花 田中哲司 原日出子 松重豊
山田孝之
■監督:藤井道人
■脚本:小寺和久、藤井道人
■配給:松竹
■公式サイト: https://movies.shochiku.co.jp/shotai-movie
公式X: shotai_movie https://twitter.com/shotai_movie
公式Instagram: shotai_movie https://www.instagram.com/shotai_movie
■レーティング:PG12
■公開:11月29日(金)
■©表記:(C)2024 映画「正体」製作委員会
全国公開中!