映画『台風家族』の初お披露目イベントが、8月31日、東京・スペースFS汐留にて行われ、主演の草彅剛をはじめ、共演のMEGUMI、甲田まひる、監督の市井昌秀が登壇した。
本作は市井昌秀監督が構想から12年間あたためてきた、“両親への想い”を形にしたオリジナルストーリー。銀行強盗を企て、2000万円の大金と共に忽然と姿を消してしまった両親の“なんちゃって”葬儀を行うために、10年ぶりに集まったきょうだい達の愛おしくも、めまぐるしい夏の一日の物語。長男・鈴木小鉄役を草彅、長女の鈴木麗奈役をMEGUMI、三男・鈴木千尋役を中村倫也、小鉄の妻・鈴木美代子役を尾野真千子、小鉄の娘・鈴木ユズキ役を甲田まひるが演じる。
草彅は「紆余曲折、いろいろなことがありましたが、公開に至ることができたのは皆さまの応援のおかげだと思います」と感謝の気持ちを表し、「(映画が)公開するのは当たり前のように思っていたところがありましたが、あらためて“公開できる”ということは幸せなんだなと感じています」としみじみ。「デリケートな問題もありますが、昨年の暑い夏に僕たちが懸けた情熱はきっと皆さんの心に触れるものはあると思います」と語った。
また、昨年夏の栃木ロケに話が及ぶと「よくインタビューとかで、『暑かったです・・・』とかいうパターンがあるので、絶対に言いたくないんですが・・・本当に暑かったんですよ!!」と、過酷な撮影を振り返る。「みんなが熱中症にならなかったのは奇跡」と続け、「でも、MEGUMIさんは(熱中症に)なってたんじゃないかなと・・・」と言ってMEGUMIを見やる。すると、MEGUMIは「吐きそうでした・・・」と告白し、草彅の話に同調。すかさず草彅は「監督! なんであんなところを選んだんですか!?」と愚痴り、「暑いから早く帰りたいのに、そんな中監督の説明が始まるし、みんな脂汗ですよ(笑)。山は寒くてストーブ焚くし、何なの!?」とぼやきが止まらない。それでも、「会話ができないくらい暑かったけれど、冷たいものを渡しあったりして本当の家族のようにチームワークが強くなっていきました」とニッコリ。MEGUMIも「共演者とこんなにギュっと近づくことは滅多にない!」と嬉しそう。
今回、映画初出演にして、この日初めて舞台挨拶に立ったという甲田は、「今のほうが緊張しています」と言いながら、「普段音楽をやっていますが、表現するということでは違いはないかと思いました」と分析。「初日から尾野さんと草彅さんが良くしてくださったので助かりました」と笑顔を見せた。そんな甲田について草彅は「監督がユズキちゃんの目力にこだわるんです。アップがめちゃくちゃ力強い。ユズキの目にこの家族が映し出されている。この作品はユズキちゃんの目にかかっているです」と力説し、甲田の存在感を絶賛。
監督も甲田を見た瞬間「ユズキが来た!」と思ったそう。「草彅くんには悪いけど、まひるちゃんが主人公なのかなってくらい・・・」とべた褒めだ。
12~13年前から構想を練っていたという監督だが、監督自身の家族も投影していると話す。家族の思い出から「いつか、“台風”と“家族”をタイトルに使った映画を撮ってみたかったんです」と明かし、作品を愛おしがった。草彅も「監督と小鉄はやっぱり似ているところもある。とにかく、監督が台風の目でした。監督のために、みんなが頑張ろうと思ってしまうんです」と吐露。
これまでここまでクズな男をやったことはない、という草彅だが「普通なら途中で折れるんですが、ネチネチしていてなかなか折れない。そのしつこさが尊敬に変わるような気までしてくるんです」と自身の役柄について語り、最後は「この映画で温かいものを持って帰ってもらえれば嬉しいです」とアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
映画『台風家族』
監督・脚本:市井昌秀(『箱入り息子の恋』)
出演:草彅 剛 MEGUMI 中村倫也 尾野真千子
若葉竜也/甲田まひる 長内映里香 相島一之 斉藤暁/榊原るみ・藤竜也
主題歌:フラワーカンパニーズ「西陽」(チキン・スキン・レコード)
音楽:スパム春日井
配給・製作:キノフィルムズ
クレジット:コピーライトマーク2019「台風家族」フィルムパートナーズ
PG-12
公式HP:http://taifu-kazoku.com/
2019年9月6日(金)全国ロードショー