映画『大河への道』の先行プレミア上映イベントが、5月9日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演の中井貴一をはじめ、共演の松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、溝口琢矢、平田満、橋爪功の超豪華キャスト陣が登壇した。
「落語を超えた究極の話芸」と絶賛される立川志の輔の新作落語「大河への道―伊能忠敬物語―」を原作に映画化した本作は、中井貴一が原作となる落語を観劇し、感動のあまり自ら立川志の輔に映画化の直談判より実現した。前途多難な大河ドラマ実現を描く現代の喜劇と、200年前の日本地図完成に隠された感動秘話を描く時代ミステリーの二つでドラマが描かれ、中井貴一、松山ケンイチ、北川景子ら豪華キャスト陣の一人二役で贈る〈歴史発見〉エンタテインメントだ。
プロデューサーとして企画から参加した中井は「以前から皆さんに観ていただける時代劇を残したいと思っていたところ、志の輔師匠と出会った。師匠にお願いしたら『（この作品に）命を懸けているんだ。やらないですよ』と断わられたんです。『大河への道』というから、中国の壮大な舞台を想像していたんですが、DVDを借りて落語を見たら･･･こっちの”大河”かよ！と思ってしまいました」と、大河ドラマだったことを知ったことを明かし、会場を湧かす。
松山も「僕も、人ってどうやって生きていくべきか！･･･みたいな話だと思いましたよ。ＤＶＤを見せていただいて、『そっちね･･･』って(笑)」と述べ、北川は「私は大河ドラマだと思いましたけど、大河ドラマがどう生まれたのか･･･という作品だと思っていました」と、勘違いしていたことを吐露。
撮影現場では、特に中井と松山の息が合っていたようで、松山は以前から親交のある中井について「僕、中井さんが話をしているとずっと笑っているんです。なんでこんなに面白いんだろうって。今回、仕事をした感じがしないんです」と笑顔を見せると、二人の様子を見ていたという北川が「本当に二人ともとっても楽しそうでしたね。子ども同士がじゃれているようでした(笑)」と微笑む。中井も「そんな程度だと思います(笑)。僕は子供と動物とすぐ仲良くなるので。そんな感じで松山くんとやっていたと思います(笑)」とニッコリ。
撮影での苦労もあったようだが、平田と和田は「とにかく台風の撮影が大変でした」とこぼす。和田は「暴風雨だったんですが、”いい画が撮れる！”って、みんな目がキラキラしていて。あの場面は大人の遠足のシーンだと思っています」と続けた。
溝口が「中井さんの『撮ろう！いける！いける！撮っちゃおう！』という言葉が聞こえてきたんです」と言うと、中井は「どんなに大きな扇風機を回しても、引きであんな画は取れない。みんな風でかつらが飛んじゃうから頭を押さえてましたよ」とあっけらかんと笑った。
また、55歳で日本地図を作り始めた伊能忠敬にちなんで、「55歳から始めたいことは？」と問われると、北川は「肉体改造したいです。と言っても足を鍛えて山登りとか」、岸井は「器械体操をやっていたので、もう1度始めたらどうなるかと思って」、和田は「俳優になっていなかったら駅伝の監督になりたかった。若い人たちが汗かいているところを眺めてみたいですね」と答えた。溝口は「55歳までに日本全国巡ることはないと思うので、行ったことがないところに行ってみたいです」と話す。ところが「最初は世界一周って思ったんですけど、55歳からだと飛行機に長い時間乗るのも大変だし……」と言い出し、中井がすかさず「大変じゃないよ！ 僕だって飛行機ぐらい乗りますよ！そんなこと言ったら橋爪さんはどうするの！？」と激しくツッコミを入れ、会場の笑いを誘う場面も。
さらに、「鳥肌が立った経験は？」と聞かれた中井は「中国で映画を撮影しているときに、なかなかないことなんですが諸問題が起きて、自分は日本に帰ろうと荷物をまとめていたんです。そのときにホテルの電話が鳴りまして。出たら『もしもし、貴一ちゃん？ 高倉ですけど』と。高倉健さんからの電話だったんです」と明かし、「そこで、高倉さんに『堪えろ』と言われて。そういう時って思わず窓の外を見ちゃうんですよね(笑)。どこかで見ているんじゃないか思って。凄いタイミングで、本当に鳥肌が立ちました」と20年前のエピソードを披露し、しみじみ。
最後に、中井が「この数年、コロナ禍で演劇も映画も不要不急と言われ、この世界にいる人間には堪えました。でも、それを救ってくれたのはエンタメだった気がしてます。これからも前を向いて映画も演劇も続けていきたいと思っていますし、支えてくださるのはお客様しかいない。笑ったり、泣いたりしてくださることが映画、演劇が続いていく力になると思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただいきたいです」と伝え、イベントを終了した。
映画『大河への道』
＜STORY＞
現代→1821年〈初の日本地図完成〉→1818年〈伊能忠敬亡くなる〉！？
千葉県香取市役所では、観光促進として地元を盛り上げるために、“大河ドラマ”の開発プロジェクトが立ち上がる。主人公は伊能忠敬！そう、あの初めて日本地図を作ったことで有名な、郷土の偉人である。しかし、その脚本作りの最中に、彼らはある驚くべき事実を発見してしまう。なんと伊能忠敬は、地図完成の３年前に亡くなっていたのだ！
「伊能忠敬はドラマにならない。地図を完成させてないんだ！」「え、じゃあ、誰が？」
舞台は江戸の下町へ――。弟子たちに見守られ、伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく亡くなった。動かぬ師をすすり泣く声が覆う中、ある人物が静かに口を開く。
「では、今しばらく先生には、生きていていただきましょうか・・・」
忠敬の志を継いで地図を完成させるために、弟子たちによる一世一代の隠密作戦が動き出す。そこには、歴史に埋もれた、涙なしには語れない感動のドラマがあった−。
中井貴一 松山ケンイチ 北川景子
岸井ゆきの 和田正人 田中美央 溝口琢矢
立川志の輔 西村まさ彦 平田満 草刈正雄 橋爪功
原作：⽴川志の輔（河出⽂庫刊）／漫画：柴崎侑弘（⼩学館ビッグコミックス刊）
企画：中井貴⼀
脚本：森下佳⼦
⾳楽：安川午朗
監督：中⻄健⼆
主題歌：⽟置浩⼆「星路」(みち)
製作幹事：⽊下グループ
配給：松⽵
助成：⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦（映画創造活動⽀援事業）｜独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
©2022「⼤河への道」フィルムパートナーズ
公式サイト：https://movies.shochiku.co.jp/taiga/
５月２０日（金）全国公開！
