映画『太陽』の完成披露試写会が3月7日、東京・一ツ橋ホールにて行われ、W主演の神木隆之介と門脇麦をはじめ、共演の古川雄輝、古舘寛治、原作者の前川知大、入江悠監督が、舞台挨拶に登壇した。
本作は、2011年の劇団イキウメによって上演された舞台を、入江と前川が脚本を手がけて映画化。ウイルスによって人口が激減した21世紀初頭、2つに別れた人類。夜にしか生きられない新人類ノクスと、太陽の下で貧しく暮らす旧人類キュリオが自分たちの生きる道、そして未来に向かって葛藤する様を描く。
会場には多くの若い女性ファンが集結し、イベント前から熱気で溢れていた。キャストたちが登場すると黄色い声が響き渡り、司会者の声もかき消されるほど。特に、神木と古川の一挙手一投足に視線は集中。二人が視線を合わせるだけで悲鳴のような歓声があがった。
撮影は、2014年の真冬に埼玉・秩父で行われ、かなり過酷だったようだ。主人公・鉄彦を演じた神木は、「ホントに寒かった!」と力を込めて述べ、「古川くんと撮影したのがダムみたいなところで。魂を削りながら頑張りました。水辺だから、すごい寒かったよね」と古川と顔を見合わせた。「唯一、救われたのは、劇中で寒がる演技ができたからよかった。寒くないふりは絶対にできなかったです」と苦労を語った。なんと、カイロを8枚も貼って撮影に臨んだという。
キュリオの結役の門脇は、「寒さに加えて睡眠不足も続いて大変だった」と明かし、「人って、寒い、眠いとなると生命の危機を感じて食欲が湧くんですね。いつもの2倍くらい食べていたらコロコロになってしまって・・・完成作を観て、自分がコロコロでビックリしました」と笑い、会場を沸かせた。
太陽の下では生きられないノクス・森繁を演じる古川は、その役がらのため「撮影は夜の6時から日の出まで。日が出ている時間は起きてなくて・・・」と、昼夜逆転の撮影日々に苦労があったようだ。そして、「神木くんが『寒い、寒い』って言ってましたけど、一番寒くなさそうでしたよ。一人だけベンチコートを着ていなかった」と告げると、「本当に寒かったんだよ!」とムキになる神木。「確かに、感情をむき出しにする芝居をやっていたときは暑かった。でも冷めるとすっごく寒かった」と神木が古川と見つめ合いながら仲良しトークを進めると、会場のファンはもうメロメロ。
作品に出てくる“ノスク”と“キュリオ”。自分だったらどちらがいい?という質問に、神木と古川は「ノクス」を選び、門脇は、「キュリオ」を選んだ。
最後に、神木は「僕も台本を読んで分からないことがいっぱいだったけど、“分からない”ということも大事なことだなと思いました。一人一人が別の観点で観て、見終わってから話し合ったり何度も観たり、自分の中でゆっくり育っていくような作品です」と伝え、門脇も「SFですが、人間の性、隠したいけど隠し切れない人間模様が描かれています。見終わってちょっと苦しい気持ちになるかもしれないけど、持ち帰って、じっくり感じてください」とアピールした。
入江監督は、「前川さんの原作は10年に1本の作品。なぜ、どうして面白いのかは未だにわかっていないけれど、それを考えて撮影していました。お客様の評価でこの作品が出来上がると思っています」と観客に呼びかけていた。
『太陽』
出演:神木隆之介、門脇麦、古川雄輝、水田航生、村上淳、中村優子、高橋和也、森口瑤子、綾田俊樹、鶴見辰吾、古舘寛治
監督:入江悠
脚本:入江悠、前川知大
原作:前川知大 戯曲「太陽」(第63回読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞)
企画・製作:アミューズ KADOKAWA
制作プロダクション:デジタル・フロンティア アミューズ映像制作部
配給:KADOKAWA
©2015「太陽」製作委員会
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4月23日 角川シネマ新宿ほか 全国ロードショー