シリーズ累計500万部を超える、ごとうしのぶの大人気小説「タクミくんシリーズ」。1992年から続き、何世代にも渡り愛され、金字塔を打ち立てた学園BL小説が、31周年を迎える今年、待望の劇場映画の新シリーズが始動!
本作は「タクミくんシリーズ 完全版1」小説のうち『暁を待つまで』『そして春風にささやいて』『長い長い物語の始まりの朝。』の3作をもとに、名門の全寮制男子校・祠堂学院に通う高校生たちが繰り広げる学園青春ラブストーリー。人間接触嫌悪症の主人公・葉山託生(はやま・たくみ:通称タクミ)を森下紫温、その美しさから学園一目立つ存在の崎義一(さき・ぎいち:通称ギイ)を加藤大悟が演じる。
この度、W主演を務める森下さんと加藤さんにインタビューを遂行! 初の映画出演にして初主演の2人が歴史ある名作BLに挑戦し令和の風を吹き込んだ。そんな彼らが本作の魅力やキャラクターへの想い、撮影の裏話を語ってくれた。
― まずは、それぞれ出演が決まったときのお気持ちと、原作もしくは台本を読んだときの感想をお聞かせいただけますか?
加藤大悟(以下、加藤):映画初出演で『タクミくんシリーズ』に主演として携わらせていただき、しかも完璧で誰からも憧れられる・崎義一(ギイ)という素敵な役をいただいて、とても嬉しい半面、最初は不安もありました。W主演ですが紫温くんは僕より年下なので、年上の僕が座長として何かできることはないかなと考えながら過ごしていました。台本を読ませていただいて、ギイってやっぱりカッコいいなと。あらためて凄く幸せな役をいただいたなと感じながら、一人の演者としてこの『タクミくんシリーズ』でギイとして生きることができました。物語には色んな伏線もあって、それぞれのキャラクターと、その関係性もしっかりと描かれています。『タクミくんシリーズ』とは?ということが分かりやすく表現されているので、とてもやりがいのある作品だと思いました。
― 確かに、BL作品というより青春恋愛物語として観やすい作品になっていますね。
加藤:そうなんです。『タクミくんシリーズ』として31周年を迎えるので、BL作品を観たことがない方や、まだハマってはいないという方にもぜひ観ていただけたらいいなと思っています。
― 森下さんはいかがですか?
森下紫温(以下、森下):僕は今回オーディションで出演が決まりました。自分が事務所に所属して初めて受けたオーディションだったので、凄く緊張していたことを覚えています。そして、マネージャーさんから「タクミくんの役が決まりました」と連絡をいただいたときは、もうめちゃくちゃ嬉しくて「シャーッ!ヤッター!」って叫んでしまいました(笑)。
最初はただ嬉しかったんですが、徐々に撮影が近づくにつれて実感が湧いてきて、凄く緊張してきてしまって。演技経験もあまりなかったので、本当に自分でいいのかなと不安になってきました。撮影前日の夜は寝られなかったこともありました。
― その初々しさがちょうどタクミくんのキャラクターと合っていたのかもしれませんね。
森下:初日と2日目の撮影は本当に緊張していて。タクミは感情を表に出すタイプではないので、キャラクターに救われたなと思いました。もし、僕が(野口友輔演じる)利久役や、ほかの先輩役だったら、たぶん感情を上手く表現することができなかったんじゃないかなと思います。
加藤:はまり役だったんだよね。
― お二人は今作が初共演になりますが、お互いの印象はいかがでしたか?
加藤:オーディションの時に、僕がギイ役で紫温ちゃんがタクミ役の台本を読んだのですが、(森下から)凄く緊張感が伝わってきて。でもその緊張している紫温ちゃんが僕の持っていたタクミのイメージそのものだったんです。僕自身も初めて舞台に立った時はこういう気持ちだったな・・・と、初心を思い出しました。僕もまだまだですが“新鮮さ”って本当に素晴らしいなとあらためて実感しました。
紫温ちゃんはフレッシュでピュアで、本当に可愛がってあげたい“タクミ”のままでした。紫温ちゃん自身も人懐っこいタイプだからすごくありがたかったですし、コミュニケーションをいっぱい取りました。撮影中に僕の家に泊まったこともあるんですよ。「一緒に本読みしよう!」って。紫温ちゃんは凄く好印象です!(笑)。
森下:大悟くんはどんな現場にいても、その中心にいるというか、その空気の真ん中にいるような人なんです。そういうのは初対面でも、オーディションの緊張してる空間でもわかりました。その雰囲気や性格を持ち合わせている人じゃないと、きっとギイは演じられないと思うし、演技が未熟な僕をずっとリードしてくれました。大悟くんが「ウチに来なよ」って、撮影2日目の前夜に言ってくれて、台本の読み合わせをして次の日一緒に現場行ったんです。さりげなく僕をリードしてくれる大悟くんがいたから、タクミとギイの関係性が自然と出来上がっていった気がします。そのおかげで僕も役にも入り込みやすかったし、本当に大悟くんに助けてもらいました。
― なるほど。二人の関係性はそうやって構築されていったのですね。
加藤:二人の関係性は上手く作っていけたと思います。ただ、僕はギイとは性格が真反対で、もっと明るいんですよ(笑)。明るさは抑えて演じましたが、この作品の世界観がとても素敵だなって感じていて。この作品に限らず、僕は小説や漫画などの原作には書かれていない感情を読み取ることが凄く楽しいんです。ギイの心の葛藤とか、やっぱり人間が演じることで表現できるものじゃないかなと。原作を映画作品として表現するとき、自分なりの解釈で自分なりのギイを演じさせていただこうと自信を持って臨みました。紫温くんに関しても僕なりのコミュニケーションの取り方で、僕が先輩からたくさん色々教わってきたことを伝えただけです。今回はタクミとギイの出会いのお話ですが、僕たちにも繋がる話なのかなと思いました。
― なんと言っても今作は『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』なので、シリーズの始まりです。どうしても次回作を期待しちゃいます。だからこそ一番初めって気合いも入るし、大変ですね。
森下:本当に大変でした。
加藤:すごく大変でした。これまでも『タクミくんシリーズ』は何本も映画化されてきているわけですから、僕たちがまたあらためて土台を作るので、めちゃくちゃ難しかったです。
それでも今回はキャストたちの年齢差があまりなかったので、みんなで仲良く、エネルギッシュに切磋琢磨してこの映画を盛り上げていこう!という空気が現場には流れていました。
― みんなの歳が近い、そしてキャストも男子だけですからやりやすさもあったのかもしれませんね。
森下:それは凄く感じました。ここにもし凄く年上のベテランの方がいらっしゃったら、違う緊張感も出て気を使ったと思うので、慣れていない僕には正直キツかったかもしれないです・・・。
加藤:みんな歳が近かったので、劇中と同じような雰囲気の現場でしたね。
― それでも、いざ演じてみて特に難しいと感じたところはありましたか?
加藤:全部が難しかったけれど、その分楽しかったです。僕はBL作品が初めてだったので、純粋な愛ということでタクミに対しての気持ちが芽生えたときの顔だったり、タクミに気持ちを伝えるシーンはとても難しかったです。
森下:タクミは“人間接触嫌悪症”という、実際にはない症状を表現するので、自分の中ではそれが一番難しかったと思っていたんですが・・・。いま振り返ってみると、ベッドで寝ていて目を覚ますところがあるのですが、目を覚ますことって日常でありふれてることじゃないですか。当たり前に毎日やってることなのに、いざ演じてみようとすると、いつも意識してない行動なので、どうやるのが正解なのか分からなくなってきて。当たり前の行動を自然に表現することの難しさを感じました。
― 舞台と映像の違いは何か感じましたか?
加藤:もう全然違いますね。舞台は物語の流れで気持ちを作っていくことができますが、今回の映画撮影は順撮りではなかったので、感情の入れ方や表情の作り方が大変でした。ドラマや映画作品をよく観ますが、演じている人って本当に凄いなと思いましたね(笑)。あと、舞台は体全体で表現することが多いのですが、映像はほんの少しの顔の角度で表現が変わってきたりするので、細かい表情を必要とされます。舞台では遠くの席の方までわかるように大きな動作で演じるのでその違いがあって勉強になりました。
― これからも映像作品に挑戦していきたいですか?
加藤、森下:やっていきたいです!
― ところで、劇中ではお互いの想いをなかなか伝えれない二人ですが、ご自身はストレートに意見を伝えるタイプですか? それとも言えないタイプ?
加藤:対する人によりますね。関係が深い人なら言えます。会ったばかりの人にはなかなか言えないかも。
― 人見知りするほうですか?
加藤:いや、全然。僕は“人見知り”なんて言葉は知らないです(笑)。
森下:確かに!本当にそう (笑)。
加藤:人見知りではないですが、自分の意見をあまり前に出すのは好きじゃないので、基本的には受け止めるタイプです。
森下:僕も凄く仲良くなったり、家族など近しい間柄の人だったら、けっこう何でも言えるんですが、そうじゃないと自分から意見を発することはないかもしれないです。
加藤:そう思って僕からガンガン行っちゃったんですよね。
森下:めっちゃありがたいです。
― それでは、好きな女性に告白するときはどうですか?
加藤:それは僕から伝えたいですね。う~ん、でもやっぱり僕はチキンですから(笑)。告白するまえに「僕なんかじゃ無理だ~」って思っちゃう・・・。「好き」って言われるのは大好きなんですけどね(笑)。
森下:僕もたぶん性格的には言えないタイプなんだけど、でも男だから、ここは言わないと!と思ったら自分から告白すると思います。
加藤:あ、それは僕も言えます!(笑) (一同爆笑!)
森下:いざとなったらね!(笑)
【森下紫温(もりした しおん)】
2002年10月25日生まれ、静岡県出身。
2023年、「戦国送球バトルボールズ〜大阪冬の陣〜」に出演。
【加藤大悟(かとう だいご)】
2000年9月19日生まれ、愛知県出身。
主な出演作は、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage 四十物十四役、舞台『魔法使いの約束』ヒースクリフ役、ミュージカル『刀剣乱舞』山姥切国広役、舞台「漆黒天 -始の語り-」真嶌千蛇役など。本作の主題歌も歌唱している。
撮影:ナカムラヨシノーブ
映画『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』
<ストーリー>
祠堂学院の受験の日、タクミ(葉山託生)は、誰よりもひと際目立つ存在のギイ(崎義一)と廊下ですれ違い、その出で立ちと日本人離れした美貌に目を奪われる。タクミは、人に触れたり触れられることができない人間接触嫌悪症のため入学して間もなくクラスの中で変人扱いされるが、唯一仲良しで寮が同室の片倉利久のおかげで何とか高校生活を過ごしていた。
そんな安穏とした生活も束の間で図書室で3年の麻生圭から校内での「祠探し」のイベントに一緒に参加しようと誘われたり、ギイに好意を持つ高林泉が親衛隊と共にタクミに難癖をつけくる。高林は、ギイにぞっこんだったが全く自分に振り向いてくれないばかりか変人のタクミを気に掛けていることに気付き、嫉妬してついにタクミを攻撃する事件を起こす。
春が訪れ 2 年生になったタクミとギイは、寮の同室になり二人の距離が一層近くなると高林が更なる行動を起こし、タクミを追い詰めていく。そんな高林の行動に気づいたギイがタクミを助けようとするが。。。ここからタクミとギイの煌めきの⻑い⻑い物語が始まる。
出演:森下紫温 加藤大悟
中山咲月 高橋璃央 野口友輔 植村颯太 永島龍之介 坪倉康晴 木津つばさ
原作:ごとうしのぶ(「暁を待つまで」「そして春風にささやいて」「長い長い物語の始まりの朝。」/角川ルビー文庫刊)
原作イラスト:おおや和美
主題歌:「0%」加藤大悟
監督:横井健司
脚本:金杉弘子
製作:「タクミくんシリーズ」製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2023 ごとうしのぶ/KADOKAWA・「タクミくんシリーズ」製作委員会
公式ウェブサイト:https://takumi-kun.jp
公式Twitter/Instagram:@takumikun_movie
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