菅田将暉&仲野太賀、「新人類」YOSHIの才能に脱帽！　映画『タロウのバカ』完成披露上映会

in CINEMA, Report(CINEMA) · 2019/08/27

映画『タロウのバカ』の完成披露上映会が、8月26日、東京・テアトル新宿にて行われ、主演のYOSHIと、共演の菅田将暉、仲野太賀、監督の大森立嗣が舞台挨拶に登壇した。

『日日是好日』『セトウツミ』『さよなら渓谷』などで知られる大森立嗣監督のオリジナル脚本による本作は、社会からはじき出された3人の少年の純粋で過激な疾走を描いた獰猛な青春ムービー。戸籍もなく、生まれてから一度も学校に通ったことがない主人公タロウをYOSHI（ヨシ）、やるせない悩みを抱え暴力に走ってしまう少年エージ役を菅田、理性的で臆病な少年スギオ役を仲野が演じる。

大森立嗣監督に抜擢され、本作が俳優デビュー作となる16歳のYOSHIは、“オフ・ホワイト”、“ヘルムート・ラング”などのファッション・アイコンとして脚光を浴び、今年5月には1stアルバム「SEX IS LIFE」を電撃リリース。ファッションのみならず、音楽・アートとあらゆるジャンルで躍動する、新世代のポップアイコン。初演技ながら堂々と主演を務めたYOSHIの才能とその自由奔放なキャラクターを菅田と仲野も絶賛。

3人揃って謎の覆面で登壇すると、会場に大歓声が響き渡った。マスクを外した菅田は、「これはYOSHIの映画です。カメラマンの皆さん、今日は僕とか大森さんとか、ましてや太賀なんてどうでもいいです。YOSHIだけを撮ってください」と呼びかける。
すると、ウサギのマスクを外したYOSHIは「イエーイ！」とダブルピースしながらも、「撮影しているときは緊張しなかったけど、実は今すげー緊張してる。ヤバイ！」と照れ笑い。

本作は、大森監督が1990年代にデビュー作として構想していたオリジナル。監督は「20年前から構想し、時間が経っても作りたいという気持ちはなくならなかった。ほとんど初めて書いた脚本なので、直球な気持ち、自分のストレートな思いが詰まっています。それに菅田と太賀が乗っかってくれて、YOSHIを見つけた」と感無量の面持ち。YOSHIの起用についてはSNSで「14歳有名人」と検索。ヒットした画像の端に写っていたのが彼だったという。

菅田と仲野は、YOSHIと初めて会ったときを振り返り、「絶句！ずっと裸でいるし新人類！」「こんなに興味深い生物いない」と、その印象に衝撃を受けたそう。仲野は「いろんなことを飛び超えてくる。初めて会ったときも『太賀、見たことある。知ってるよ』って(笑)」と苦笑い。菅田、仲野、監督を「将暉、太賀、たっちゃん」と呼ぶYOSHI。菅田は「YOSHIとどう接するべきか、太賀と作戦会議しました。この才能を生かすも殺すも俺たち次第。このままでいさせよう、でも放っておいたら絶対にいつか事故るだろうな･･･と」と述べ、そして、「撮影現場は仲野、プライベートは菅田と役割分担を決め接しました」と話した。菅田はYOSHIの両親にも挨拶に行ったそうで、「純粋に、どうしたらこういうふうに育つんだろうという興味もあったんです」と。

また、菅田は「撮影中にYOSHIが俳優部に変わった瞬間があった」と明かす。「自由に演じるように言われたYOSHIがアドリブで台本を飛び越えてきたんです。驚きもあったけど、俺もイラッとして、芝居ですがブチ切れてタロウを地面に押さえた。その瞬間にYOSHIの目が変わって『ちゃんと集中しなきゃ』という顔になったんです」と言い、仲野も「今のYOSHIと撮影当時のYOSHIは違うし、成長速度が速い。大森監督はYOSHIの大人と子供の狭間のあいまいなところを絶妙に捉えた。そこに立ち会えたのがよかったです」と笑顔を見せた。

そんな個性あふれるYOSHIが「レトロな心を持っているほうが楽しいよ、って言いたい。型にハマりたくないんです。常に翼をもって羽ばたいていたくて」とコメントすると、菅田が「わかってるよ、それができるように俺たちが頑張っていたんだよ！」とツッコミを入れる一幕も。太賀も「ただのバカじゃない。いろんなものが共存していている」とその才能に脱帽していた。

最後に仲野は「スギオを演じていても、YOSHIに引っ張ってもらったところが何度もありました。フラットな気持ちでこの映画を観ていろんなことを感じてもらいたいです」と伝え、菅田は「このタロウはYOSHIにしか演じられないし、YOSHIが演じたからタロウになった。何かしなきゃな･･･という気持ちになって自分を見つめ直すきっかけになるかと。YOSHIというスーパースターとの出会いが色んな人に色んなものを送ると思います」と本作をアピール。YOSHIは「単純に何も考えずに観て欲しいです。タロウは人間の欲望の部分をさらけ出したキャラクターだと思います。この作品は観るたびに何個も正解があるので賛否両論になると思うけれど、人間の原点に戻ったとき、人間の欲をワーっと出したような凄くアグレッシブな映画です」と力を込めて伝えていた。