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【第35回東京国際映画祭】『ザ・ビースト』が東京グランプリに! 最優秀監督賞&最優秀男優賞を合わせ3冠! 『窓辺にて』は観客賞受賞に輝く!

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第35回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが、11月2日、東京国際フォーラムにて行われ、各受賞者が表彰された。

10月24日から東京ミッドタウン日比谷にて開幕した第35回東京国際映画祭が、11月2日、ついに閉幕。昨年から会場を日比谷・有楽町・銀座エリアへ移し、地域との連携を深めた街ぐるみの映画祭として会場を大幅拡大し、更なる飛躍を遂げた東京国際映画祭。

最終日となったこの日は、映画祭のメイン部門「コンペティション部門」の各賞が発表された。2022年1月以降に完成した長編作品を対象に、世界各国か・地域の横暴作品の中から厳正な審査を経た15本の作品を上映。今年は107の地域から1695本がエントリーされた。

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コンペティション部門の前に「特別功労賞」を発表。長年にわたる映画界への貢献を評価して野上照代さんが受賞。トロフィーと花束を受け取った野上さんは「私は95歳ですからね。よくもったもんです(笑)」と言って会場の笑いを誘いつつ、「私は映画が大好き。いろん那表現方法があるけれど、映画ほどリアルで具体的で真実に迫るものはない、素晴らしい表現方法だと思います。ありがとうございました」と喜びの声を口にした。

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アジアの未来 作品賞には『蝶の命は一日限り』、最優秀芸術貢献賞には『孔雀の嘆き』、最優秀監督賞は『ザ・ビースト』のロドリゴ・ソロゴイェン、最優秀男優賞は『ザ・ビースト』のドゥニ・メノーシェ、最優秀女優賞は『1976』のアリン・クーペンヘイム、審査員特別賞は『第三次世界大戦』、観客賞は『窓辺にて』が受賞。そして、東京グランプリ/東京都知事賞は『ザービースト』に輝き、東京都知事の小池百合子氏も会場に駆け付け表彰状と像を贈った。

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Amazon Prime Videoテイクワン賞は残念ながら今年は該当なしとされ、審査員の行定勲監督は「全くダメというわけではなく希望を見出せる作品もあったが、賞に値するものはなかった。来年さらに飛躍して応募してきてほしい」と期待を込めた。

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観客賞を受賞した『窓辺にて』には、今泉力哉監督が登壇し、トロフィーを受け取り「私は個人的な悩みや、小さな悩みに焦点を当てた恋愛映画を作り続けています。世界には戦争やジェンダーなど様々な問題がありますが、本当に小さな、映画の題材にならないような悩みや個人的な問題などを、恋愛を通じて、また、笑いやコメディ的なことも含めて描こうと思い作品を作っています。ネガティブに全部とらえるわけじゃなくて、そこにある小さな喜びとかを、これからも自分なりにできることを考えていこうと思います」と喜びを語り、今後の活躍にも期待を持たせた。(下記にて全文掲載)

最後に、ジュリー・テイモア審査委員長により本年の映画祭全体の総評を、安藤裕康チェアマンより閉会宣言が告げられ、映画祭が幕を閉じた。

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<今泉監督コメント>
この度は、観客賞をいただきありがとうございます。私は東京国際映画祭のコンペティション部門は今回が2回目でして、それまでにも日本映画スプラッシュという部門で何度か参加させていただいております。

私は個人的な悩みや、小さな悩みに焦点を当てた恋愛映画を作り続けています。世界には戦争やジェンダーなど様々な問題がありますが、本当に小さな、映画の題材にならないような悩みや個人的な問題などを、恋愛を通じて、また、笑いやコメディ的なことも含めて描こうと思い、作品を作っています。

どうしても、映画や小説などでは、大きな問題を取り上げてそれについて語るという側面がありますが、自ら行動できない受動的な主人公だったり、見過ごされるような小さな問題について描きたいという思いがあります。
最初に野上さんが特別功労賞を受賞していた場面が、今日のクライマックスなんじゃないかと思いながら見ていたんですが、自分も作品を通して同じ舞台に立てていることを嬉しく思いますし、今後も映画監督を続けていければと思います。

また、今回ご一緒した主演の稲垣吾郎さんが新型コロナウィルスに感染され、初日にも大事をとって登壇できない状況があります。まだまだ戦争だけじゃなくて、コロナもそうですし世界にはいろんな問題がありますが、ネガティブに全部とらえるわけじゃなくて、そこにある小さな喜びとか、そういうものについて、これからも自分なりにできることを考えていこうと思います。本日はありがとうございました。

第35回国際映画祭
開催期間:2022年10月24日(月)~11月2日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net
コピーライト:©2022 TIFF