10月24日より開催中の第35回東京国際映画祭にて、「仮面ライダーBLACK SUN」のワールド・プレミアが、10月25日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、キャストの西島秀俊と中村倫也、白石和彌監督が舞台挨拶に登壇した。
仮面ライダー生誕50周年を記念し制作された本作は、1987年から放送され今なお強い人気を持つ「仮面ライダーBLACK」をリブート。国が人間と怪人の共存を掲げ、半世紀が過ぎた2022年の混乱の時代を舞台に、人の姿で暮らす怪人たちが虐げられ、人間との衝突を繰り返していき、両者の溝が深くなっている世界の中、二人の男が50年に渡る友情と戦いを通じて、日本の闇に切り込んでいく姿を描く。西島が仮面ライダーBLACK SUN(南光太郎)、中村が仮面ライダーSHADOWMOON(秋月信彦)を演じる。
西島が生まれて5日後に「仮面ライダー」が初めて放送されたという、長期にわたり愛され続けるシリーズ。西島は「これだけ長く愛されたシリーズで、その中でも金字塔と言われている『仮面ライダーBLACK』のリブート作品です。非常に光栄ですし、プレッシャーを感じてこの作品を受けました」と本作へ参加した思いを明かす。
今年51歳を迎えた西島は「近年の『仮面ライダー』も面白いので参加したいと思っていましたが、僕の歳だと敵役かなと。今回、仮面ライダーの役をオファーしていただいたので即決しました」と笑顔を見せる。
さらに、本作のレイティングがR18+となっていることから、西島は「個人的に子供たちが見られるバージョンを作ってほしいです。僕のギャラを全部返しますので」とお願い。白石監督は「大人の『仮面ライダー』を作ってほしいとオファーを受けました。とはいえ、子供も背伸びして観られるぐらいにしたくて、僕が目指したのはPG12でした。でも、なぜか完成したらR18+になっていて。これはもう僕の不徳の致すところ。子供たち、ごめんなさいという感じです」と謝り、事情を説明した。
そんな白石監督は「仮面ライダーの監督と聞いたときは驚きました。こういうオファーは二度とない。特撮作品をやってみたかったので、これはやるしかない!と心に決めてスタートしました」と当初を振り返り、「特撮は現実世界にないクリエイチャー。撮っていてとても楽しかった」と感慨深げ。
一方、中村は子供のころ兄と一緒に「仮面ライダーBLACK RX」をリアルタイムで観ていたそうで「レンタルビデオで借りてほかの作品も観ていましたが、その中でもSHADOWMOONは強烈でした。今回、オファーが来たというより、この企画の話を聞きつけて僕のほうから『やらせてください!』とプロデューサーに言ったんです。憧れの存在だったので気を引き締めてやらせていただきました」と強い思いれを吐露。
劇中では西島と中村の役が同い歳という設定であることから、司会者から「タメ口で話すことは難しくなかったか?」と聞かれると、西島は「別に難しいところじゃないですよ」と笑い、中村は「普段から目上の方にタメ口をきく若手なので違和感なかったです(笑)」と西島を見てほほ笑む。続けて「過去に何度もご一緒させていただいているので、全然やりづらくなかったですね。僕は回想シーンと現代パートの両方の光太郎と共演していいますが、まったく違和感がなくて、それが面白かったですよ」と注目ポイントも。「苦労といえば、カリスマに見せなきゃいけないので、ヘラヘラしないでピリッとしなきゃいけなかったことかな」と笑った。
また、西島と中村の変身シーンについて話が及ぶと、白石監督は「オリジナルの変身ポーズを写し鏡にしてやってもらっています。お二人の変身ポーズを現場で見たときは、体が震えて泣きそうになりました」と感動の面持ちに。
最後に、西島は「『仮面ライダーBLACK』が好きな方は、絶対に喜んでもらえるシーンがたくさんありますし、今まで仮面ライダーに触れてこなかった方も、ただのヒーローものではない深いテーマ、人間ドラマが描かれているので、エピソードの1、2、3くらいまで観ていただくと止まらなくなると思います」とアピール。
中村は「仮面ライダーで特撮ですが、自分が観終わったあとにジャンルが難しい作品だなと感じました。これは『怪人たちの群像劇』。今を生きる怪人じゃない皆さんも感情移入できたり、共感できたりするポイントがあるはず。仮面ライダーファンの人も初めて見る人も楽しめる作品です」と本作の魅力を語る。
白石監督は「今日は映画館で上映されて嬉しいです」と感謝しつつ「50周年企画の作品なので、100周年のときに見返してもらえる作品を作ろうというのが合言葉でした。配信作品ですが、スクリーンで観てもまったく問題ないフルスペックで作りました」と自信を覗かかせていた。
「仮面ライダーBLACK SUN」(全10話)
10月28日午前0時よりAmazon Prime Videoにて一挙配信!
公式サイト:https://www.kamen-rider-official.com/blacksun/
<第35回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2022年10月24日(月)~11月2日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
<TIFFCOM2022 開催概要>
■開催期間:2022 年 10 月25 日(火)~27 日(木)(※オンライン開催)
■公式サイト:www.tiffcom.jp