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【第36回東京国際映画祭】クロージングセレモニー開催! グランプリは『雪豹』! 『正欲』は最優秀監督賞&観客賞の2冠! 稲垣吾郎はTIFF史上初の主演作での三度目の“観客賞”を受賞!

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第36回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月1日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、フィナーレを飾る各賞が発表された。最高賞にあたる東京グランプリ/東京都知事賞は、『雪豹』(中国/ペマ・ツェテン監督)が受賞。また、『正欲』(日本/岸善幸監督)は、最優秀監督賞&観客賞のダブル受賞。稲垣吾郎は、昨年の「窓辺にて」に続いて、2年連続で主演作が「観客賞」に輝いた。

今年のコンペティション部門は、114の国と地域から1942本の応募の中から、15作品が正式出品として選ばれた。

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『雪豹』は、白い豹が生息するチベットの山村を舞台に、若いチベット僧と豹との交流をファンタジックに描き、人間と動物の共生の可能性を問う作品。この日は、今年5月に53歳という若さで急逝したペマ・ツェテン監督に代わり、エグゼクティブ・プロデューサーのジョウ・ハオと、出演キャストのジンパ、ション・ズーチー、ツェテン・タシが代理で登壇。この場に監督がいないことの悲しみをこらえつつ、「監督がここに連れてきてくれた。永遠に監督に感謝したい。今、監督と一緒にいるような気がします」と監督に感謝。「これからも、監督の意思を伝えていきたいと思います」と決意を新たにしていた。

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審査委員長のヴィム・ヴェンダース監督は「審査員の満場一致で決まりました」と明かし、「一部デジタル効果での映像になっていますが、それ以上に素晴らしい動物たちを見せてくれました」と賛辞を送った。

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審査員特別賞には、『タタミ』(ジョージア/アメリカ/ザーラ・アミール・エブラヒミ監督、ガイ・ナッティヴ監督)が受賞。イスラエル人とイラン人の初の共同監督作品となる。ザーラ・アミール・エブラヒミ監督は、現在のイスラエルの現状を鑑み、「“柔道”とは柔らかな道を行くと聞いています。イスラエルもそのような状況になってほしい」と語り、「日本の“柔道”をオマージュしました」と明かす。

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そして、岸善幸監督の『正欲』が観客賞と最優秀監督賞を受賞。トロフィーを受け取った岸監督は「この作品に登場する人物たちは、多様性という言葉にはじかれてしまうような小さな人間たちを題材にしています」と述べ、「すべての人が自分を偽らずに生きていける社会とは何かを問いかけています。自分のアイデンティティを確立するのは難しい時代ですが、本当の多様性の意味を考えていただけたらと思います」と作品を通しての思いを口にする。さらに、「こんな素敵な賞をいただけて幸せで光栄。主演の稲垣さん、新垣結衣さん、磯村勇斗さん、その他のキャストの皆さんに(この受賞を)伝えたいです」と笑顔でキャストたちに感謝の気持ちを伝えた。なお、稲垣吾郎はの自身の主演作で(『半落ち』『窓辺にて』に続く)三度目の観客賞を受賞。これはTIFF史上初の快挙となる。

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総評として、ヴィム・ヴェンダースは「実力派審査員の皆さんと共に審査委員長という立場で参加できたことを光栄に思います」と挨拶し、「世界中から集まった15作品、素晴らしい作品を数多く観ることができました。そしてオープニング作品で(ヴェンダース監督作品の)『PERFECT DAYS』を上映する機会を与えてくださって感謝します。東京国際映画祭大好きです!」と充実した笑顔で映画祭を振り返った。

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また、イベントでは、クロージング作品として上映される『ゴジラ-1.0』のキャスト・神木隆之介、浜辺美波と、山崎貴監督も登壇。山崎監督は「これまで東京国際映画祭で、多くの『ゴジラ』作品が上映されてきましたが、久しぶりに『ゴジラ』がクロージングを飾ることになりました。ついに自分の作品が栄えある場所に来れて、嬉しく思います」と胸を張った。神木は「今日初めて一般のお客様にご覧いただきますので、とても楽しみです」と目を輝かせ、浜辺も「信頼できる皆さんの胸に飛び込んで頑張りました」と晴々とした笑顔を見せていた。

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クロージングセレモニーにおいての受賞作品は以下となる。
◆Amazon Prime Video
テイクワン賞:『Gone with the wind』(ヤン・リーピン監督)
特別審査員賞:『ビー・プリペアード』(安村栄美監督)

◆アジアの未来部門作品賞
『マリア』(メヘディ・アスガリ・アズガディ監督)

◆コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞:『雪豹』(ペマ・ツェテン監督)
審査員特別賞:『タタミ』(ザル・アミール・エブラヒミ監督/ガイ・ナッティヴ監督)
最優秀監督賞:岸善幸監督『正欲』
最優秀女優賞:ザル・アミール『タタミ』
最優秀男優賞:ヤスナ・ミルターマスブ『ロクサナ』
最優秀芸術貢献賞:『ロングショット』(ガオ・ポン監督)
観客賞:『正欲』(岸善幸監督)

第36回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)動員数<速報値/1日は見込み動員数>
上映された映画は、219本。上映動員数は74,841人。
海外ゲスト数、約2,000人が参加。

公式サイト:www.tiff-jp.net