第33回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが、10月31日、東京国際フォーラムにて行われ、映画祭オープニング作品に選出された『アンダードッグ』キャストの北村匠海と瀧内公美、監督の武正晴、脚本を手掛けた足立紳、佐藤現プロデューサーが登壇。主演を務めた森山未來は大阪で舞台公演中のため、リモートで参加した。
『百円の恋』の監督・武正晴と脚本・足立紳がタッグを組み、森山未來、北村匠海、勝地涼で送る本作は、過去のささやかな栄光が忘れられず〝かませ犬(=アンダードッグ)〟になり果てた今も、ボクシングにしがみつく事しかできない主人公を中心に、人生から見放された三人の男たちの感動のドラマ。
北村は「久しぶりにこのような名誉ある映画祭に参加でき、オープニング作品ということで大変光栄に思います」と挨拶。若きボクサー・大村龍太を演じるが、オファーを受けた時を振り返り、「これまで格闘技をやったことはなかったが、観るのは好きでした。ボクシングの話と聞いた時に“やってみたい”、リングに上がれる機会を逃すまいと思った。食らいついていきました」と語った。
役作りのために、撮影の約1年前からトレーニングを続けてきたという。「筋トレで身体を作るのではなく、ボクシングをやって(体重を)落としました。家でもシャドウ(ボクシング)をやったり、リアルな試合を見ていました」とし、撮影前日にはプロボクサーと同じ食事をとったりしてギリギリで闘っていました」と、述懐。
一方の森山は、ボクシングの魅力について「最初は憎くもない相手を殴る、殴られる気持ちが分からなかったけれど、スパークリングをしているうちに湧き出てくるアドレナリンに病みつきになってしまう気持ちがだんだんとわかっていきました」と吐露。
武監督は「普段、主人公とならない人を主人公にしたかった」と言い、「この手の映画はキャストが本当に重要。森山さんや北村さんをキャスティングできたからこそ良い作品ができたと思います。みんな全身全霊をかけて演じてくれました」と満足気。
武組に初参加となった北村は、監督について「誰よりも主役だった。誰よりも映画に魅了されている方で、情熱がすごい。役者として鼓舞された。現場の中心にいる武さんを見て、僕らも頑張ろうと思いました」と称えると、森山も「いつも現場のど真ん中にいて誰よりも大きな声を出していた。エネルギーに溢れた現場で、毎日ウキウキしていましたね」と笑顔を見せた。
最後に北村は「長いようで短く感じるスピード感のある映画です。パンチの痛みや音が生で感じられる、這いつくばって立ち上がる3人の男たちの姿ぜひ観てください」とアピール。
武監督は「非常に意義深い作品でこうやって映画祭に呼んでいただき、非常に光栄に思います。こういう場所でいろんな映画人たちともっと映画の話をして、次の企画を考えたい。映画祭とはそういう場所で合ってほしいし、交流を深めていきたい。『やっぱり(映画製作は)やめられないな』と思います」とメッセージを伝えた。
映画『アンダードッグ』
一度は手にしかけたチャンピオンへの道……そこからはずれた今も〝咬ませ犬〟としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・末永晃(森山)。児童養護施設で育ち、過去にある秘密をもつが、ボクシングの才能が認められ、将来を期待される才能豊かな若きボクサー・大村龍太(北村)。大物俳優の二世タレントで、芸人としても鳴かず飛ばずの芸人ボクサー・宮木瞬(勝地)。リングの上で、人生から見放された三匹の負け犬たちが巡り合う——。
たった一度でもいい・・・人生の輝きを求めて戦う男たちの物語は、観る者の魂を揺さぶる。
出演:森山未來 北村匠海 / 勝地涼
監督:武正晴 「全裸監督」、『百円の恋』
原作・脚本:足立紳 『百円の恋』、『喜劇 愛妻物語』
音楽:海田庄吾 『百円の恋』、『喜劇 愛妻物語』
企画・プロデュース:東映ビデオ
制作プロダクション:スタジオブルー
配給:東映ビデオ
製作:ABEMA 東映ビデオ
公式 HP:https://underdog-movie.jp/
公式 Twitter:@Movie_UNDERDOG #アンダードッグ
ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
『アンダードッグ』
【前編】【後編】11 月27 日(金)より同日公開!
ホワイトシネクイント他にて
<第33回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間: 2020 年 10 月 31 日(土)~11 月 9 日(月)
■会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木、東京ミッドタウン日比谷、日比谷ステップ広場ほか
■公式サイト:www.tiff-jp.net
※第33回東京国際映画祭セレモニーの様子は → こちら