細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』2025年冬公開決定！「時空をこえる強き王女の物語」を東宝＆ソニー・ピクチャーズで全世界配信！ 2025年東宝配給作品ラインナップ発表会

in CINEMA, Report(CINEMA) · 2024/12/24

Tags: 東宝, 東宝配給作品ラインナップ発表会, 果てしなきスカーレット, 細田守監督

2025年東宝配給作品ラインナップ発表会が、12月23日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、第1部ではラインナップを発表、第2部では細田守監督による最新作製作報告会が行われた。

発表会見には東宝（株）取締役専務執行役員、エンタテインメントユニット映画本部長・市川南の他4名が出席。市川は「今年の成果はひと言でいうと“海外”」と言い、『ゴジラ-1.0』『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞で受賞し評価を受けたことを挙げ、「日本の実写映画の可能性を感じた年だったと思います」と胸を張った。そして、「業界全体（邦画と洋画合わせて）として、2024年は2,000億円前後の興行収入が見込まれ、その中で東宝は29本作品、昨年から設立されたTOHO NEXTから13本を配給し、12月配給分の見込みをあわせて910億円から920億円の興収を見込んでおり、毎年目標の報酬を500億円としているが、21年連続達成し、600億円超えは13年連続となっている」と報告。

その中で、50億を超えた作品は『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が158.0憶円。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が、116.4憶円、『キングダム大将軍の帰還』が80.3億円、『劇場版 SPY×FAMILY CODE：White』が63.2億円、『ラストマイル』（※上映中 12月22日時点122日間の成績）が59.1億円、『変な家』が50.7億円と成績を残し、ヒットの目安とされる10億円を超える作品が19本となり、ハイレベルなヒットが続出したことを振り返る。アニメと実写の比率は52.5%対47.5％となっており、実写比率が例年よりも2019年以降では高い年となった。

2025年は未発表のものを含めて27作品を、再来年以降の作品も発表。例年通りアニメーションが充実しているのが特色の1つ。2つ目は実写の作品として、テレビ局幹事の作品以外の会社が幹事を務める作品や、東宝の自社制作作品もありバラエティに富んだ編成となっている。

また、TOHO NEXT では、実写・アニメ・音楽・ステージ・ドキュメンタリーなど様々なジャンルの映像作品を届けるという目的のもと、音楽ライブ映像の配信など意欲的に展開していく予定。

記者より、業界全体の興行収入が2,200億円から下がった原因を問われると、「洋画の配給が少なかったことが要因となるかもしれません。ハリウッドの俳優ボイコットも多少影響しているかも」と理由を述べていた。

第2部では、「『果てしなきスカーレット』東宝／ソニー・ピクチャーズ全世界配給＆製作発表会見」と題して、細田守監督とスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサーが会見に登壇した。

細田守監督の最新作品名は『果てしなきスカーレット』。「時をかける少女」から19年、2021年公開の「竜とそばかすの姫」以来となる本作は、“時空をこえる強き王女（ヒロイン）”の物語が描かれる。原作・脚本は細田監督のオリジナル。

齋藤プロデューサーは同作が全世界で配給されることを明かし、「世界を越えて、いや日本の中に世界があるくらいの気持ちでいる」と言い切り、「世界中どこでも感じられる“家族のよろこび”、その中の奇跡を描く普遍的な物語を作りたかった」と続けた。配給は日本では東宝、それ以外の国と地域はソニー・ピクチャーズが担当する。「グローバルに届けるには、日本と世界が手を取ってシステムを作らないといけない」とも話し、ソニー・ピクチャーズは作品への出資もしており、新しい形で日本アニメーションが世界に送り出される。

細田監督の作品は例年夏に公開されているが、本作は冬に公開する。そのことに監督は「枠組みを超えて作品を制作しなければいけなかった」としながらも、「（2025年冬の公開に）間に合うのか･･･、ドキドキしています」と苦笑い。

この日、主人公・スカーレットのビジュアル画像も公開され、「彼女はとある国の王女です。アクション、ロマンスも楽しんでいただける作品になるように志を持って臨みます」と真摯に語り、「これまでの監督作品の画とタッチが違うのでは？」と問われると、「これまでもチャレンジを続けてきましたが、今回もルック（見た目）を大きく超えていければ。2Dアニメでもなく、CGアニメでもない。まったく新しいアニメーションを表現する」と意欲を見せた。