『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』など数々のヒット作で知られる鬼才・園子温監督の最新作『TOKYO TRIBE』が、8月30日に公開される。これを記念した特別番組の公開収録が、7月2日、東京・新宿の「ロボット・レストラン」で行われた。
本作は、累計250万部超、90年代のストリートカルチャーを牽引した井上三太のコミック『TOKYO TRIBE2』が原作の“バトル・ラップ・ミュージカル”。鈴木亮平とYOUNG DAISを主演に、近未来の町“トーキョー”に生きる様々なトライブ(族)の若者たちが、ある事件をきっかけに壮大なバトルを巻き起こす。
「放送禁止でなぜ悪い(仮)」と題されたイベントでは、園子温監督と映画にも出演している佐々木心音、アクション監督の坂口拓をMCに、誰にも言えない悩みを抱える人々の相談に乗るもの。お悩みゲストには、ラップミュージシャンのサイボーグかおりも登場。下ネタオンパレードで悩みを一刀両断した。
イベント終了後の囲み取材では、「こんな番組がシリーズ化されたら大変だよ。僕は本当は寡黙な詩人なのに(笑)。下ネタしか喋らない人間だと思われちゃう」と苦笑い。
劇中でもセクシーな姿を披露している佐々木心音は、「現場では緊張しっぱなしでした。監督にも厳しく指導されました」と撮影を振り返る。そんな佐々木に対して園監督は、「チャンスがあれば抱きたいよ」とジョークを飛ばしながらも「『いつかものにしてやろう』と思って、みんな一番前の席を奪いあうんじゃないかな(笑)。TRIBEもほとんどが実名で本物のチームの人たちが出演している。彼らは映画をとてもリスペクトしていて忍耐力も強かった。エロ、ラップ、ヤキソバなど、中・高校生が好きなものを詰め込んでいます」と作品に向けての情熱をぶつけた。
そんな園監督に、今の悩みは?と尋ねると、「映画はもうやりたくないな・・・飽きたよ」とポツリ。「9月にもライブをやるけど、バントとか小説を書いているほうがいいな」とぶっちゃけた。とは言いながらも、「でも、今年はあと2~3本映画を撮る予定。今日も帰ったら脚本書いて編集もやるんだけどね」と笑った。バンド活動や小説執筆で上手にバランスをとっているようだ。
後輩の熊切和嘉監督が『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門の最優秀作品賞&最優秀男優賞の2冠に輝いたことについて、「この映画界は人格破綻者が多いんだけど、彼は性格も良くて好きだね。エゴスティックじゃない監督が賞を獲って良かった」とコメント。自身もこれまで数々の国際映画祭で高い評価を受けているが、「昔は“逆輸入”型を狙って海外の賞を獲っていたけれど、今はあまり気にしていないな。だいたい、この作品はどう見ても映画祭向けじゃないでしょう(笑)。そういうのは河瀬直美にまかせたよ」と笑い飛ばした。
なお、イベントはCS放送チャンネルNECOで8/30・9月に“園子温でなぜ悪い!?”と題した特集で放送予定。
チャンネルNECOのHP:http://www.necoweb.com/neco/
映画『TOKYO TRIBE』
WELCOME TO“TOKYO BATTLE PARK!!”トライブたちの壮絶バトル勃発!
オマエらの街、仲間、プライド、愛・・・すべてをかけて、東京を奪い合え!!
近未来の “トーキョー”には様々なトライブ(族)が存在し、そこに住む若者たちは、街を暴力で支配しながらお互いの縄張りを守っていた。「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨する<メラ>と「ムサシノSARU」に所属する<海(カイ)>。二人を取り巻く”トーキョー”中のトライブを巻き込んだ、激しく壮絶な一大バトルが今始まる――。
原作:井上三太「TOKYO TRIBE2」(祥伝社)
監督・脚本:園子温
出演:鈴木亮平 YOUNG DAIS 清野菜名 他
配給・宣伝:日活
(C)2014 INOUE SANTA / “TOKYO TRIBE” FILM PARTNERS
公式サイト:http://tokyotribe-movie.com/
8月30日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー!