映画『月の満ち欠け』のプレミアナイト試写会が、11月7日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、主演の大泉洋をはじめ、共演の有村架純、目黒蓮(Snow Man)、柴咲コウ、田中圭、伊藤沙莉、菊池日菜子の豪華キャストと、廣木隆一監督が登壇した。
佐藤正午のベストセラー小説「月の満ち欠け」を廣木隆一監督により実写映画化した本作は、愛する妻と娘を事故で同時に失った男に訪れる、夫婦と恋人たちの数奇で壮大な愛の奇跡を描いた物語。主人公・小山内堅(おさない・つよし)を大泉洋。小山内の娘と同じ名前を持つ謎の女性、正木瑠璃には有村架純。正木瑠璃と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦には、単独での映画出演は初となる、Snow Manの目黒蓮。小山内の妻・小山内梢には柴咲コウ。そして、正木瑠璃の夫・正木竜之介には田中圭、小山内にある事実を伝える、娘の親友・緑坂ゆいには伊藤沙莉、小山内の娘・瑠璃には、期待に新人・菊池日菜子など、超豪華キャストが集結。監督は、『余命1ヶ月の花嫁』(09)、『ストロボ・エッジ』(15)他などで知られる廣木隆一。脚本には『映画 ビリギャル』(15)、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)他の橋本裕志が務めた。
ラブラブの夫婦を演じた大泉と柴咲。大泉は、「僕は凄くこの家族のシーンが好きです。柴咲さんは今はちょっと違う(ビジュアルと)けど、本当にお母さんという感じだった。途中で髪を切って・・・本当の家族のように」と時系列で役に合わせる柴咲を称える。しかし、「1つだけ慣れなかったのは、もの凄くのろけるんです、この夫婦は。なかなか私にはないところだったので、こういう夫婦もいるんだな。今度生まれ変わったらこういう夫婦もいいなと思いましたね」としみじみ。
柴咲は「この物語は現在の小山内堅さんの話を軸に、穂赤の登場人物の過去の出来事や想いが交錯していくストーリーになっています。みんな、それぞれの人生、過去の出来事や思い出がたくさんあるはず。その時には触れられなかった相手、家族、友人、恋人との思い出などの汲み取れなかったものが、時間が経ってから気付いたり、一層恋しくなることもあると思うので、皆さんの人生と比べながら作品を楽しんでもらえたら嬉しいです」と作品への思いを口にする。
そして、柴咲も大泉を「偉大な人です。もの凄い安心感です」と絶賛。「役者って意外と一人で抱え込んでオープンに相談できる場所がなかったりするんですが、そういうことができるし、よりいいシーンにしようと思わせてくれる。包容力があって。たまにボヤキもありますけどね(笑)」と大泉の人柄を明かした。
娘役の菊池は「お芝居に悩んでいてモジモジしていたら、大泉さんと柴咲さんが本当のお父さんとお母さんのように感じ取って、どうアプローチしていけばいいかを一緒に考えてくださって、凄くありがたかったです。ありがとうございます」と、両親役の二人に感謝。
大泉と対峙するシーンが多かった伊藤は「勝手に想像していたものと、こんなにまんまの人って会ったことない!」と大泉のイメージを口にし、「普段から凄くお話をされる方なんだけど、カチンコのタイミングでスイッチが入ってこっちを見るものだから、あからさまの切り替えについ笑ってしまうんです」と告白。大泉が「あなた、笑いをこらえてやっていたの? 決して笑うようなシーンじゃないよ。ぜんぶシリアスなシーンなんだけど」と愚痴る始末。「そうなんです。シリアスなシーンなんだけど・・・すみません、忘れてください(笑)」と伊藤が謝ると、大泉はさらに「みんな笑いをこらえているシーンだと思ってみるよ」と愚痴り、会場の笑いを誘っていた。
一方、1980年代の恋人同士を演じたのは有村と目黒。有村は「1つ1つのシーンが二人の関係性を築いていく大事なシーンだったので、いい緊張感を持ちながら役を通して向き合えたのかなと思っています」と真摯に語ると、目黒も「最初の段階で、有村さんから『(撮影)日数もすくない中、濃いシーンをいっぱい撮っていくので、役を通して信頼関係を築いていけたらいいと思ってます』という話をしてくださったので、同じ目標、方向に向かっていけたのかなと思います。本当にありがたかったです」と語り、お互いが役に向き合っていった様子。
田中は「有村さんと夫婦役なんですが、二人の経緯は描かれていないので、観ている人にすぐに嫌われちゃうんじゃなかと思ってます」と苦笑い。そんな田中に大泉は「こういう田中圭はなかなか見れないよね、という感じで良かった!」と太鼓判を押していた。
今回、初めてグループを離れ、単独で映画出演に挑戦した目黒は「演じていて苦しい時間が続いたのですが、最後にある希望みたいなものを皆さんにも感じ取ってもらえたら嬉しい」と、観客に声をかけながら、大泉の主演としての立ち振る舞いが凄く勉強になったと言う。「めちゃくちゃカッコ良かった。自分が腑に落ちない部分はちゃんとスタッフさんと話し合って、心の中にちゃんと落としてから撮影を進める姿だったり、お芝居以外のお仕事、現場にいる時の雰囲気を僕も感じとりながらお芝居ができたらいいなと思いながら一生懸命やらせてもらいました」とべた褒めし、「たくさん勉強になりました。ありがとうございました」と頭を下げる。
大泉は目黒の言葉を受け、嬉しそうにほくそ笑みながらも「僕は信じちゃいませんよ。非の打ち所がない人なんて好きじゃないんです。こんな(いい)人いますか?」と照れながら、「一回、俺とバラエティー合宿をしろって言ったんですよ」とこぼすと、「僕も大泉さんのように面白いトークができるようになりたいです」と目黒。大泉は「一回さ、Snow Manを1年休んで、TEAM NACS(チームナックス )に入ったほうがいいと思うよ。1年だけ、TEAM NACSの目黒蓮って言ってくれないかな?」と自身の所属する演劇ユニットに勧誘し、会場を盛り上げる一幕も。
また、「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い想いが起こす奇跡のラブストーリーである本作にちなみ、“もし生まれ変わったらなりたいもの”を問われると、監督は「昔飼っていた犬」、柴咲は「大きな鷲」、菊池は「葉っぱ」と答え、田中は「ゼロから作れる作家、創作家になりたい。レオナルドですかね。ダ・ビンチです」、有村も「文才のある方に憧れます」とコメント。伊藤は「生まれ変わっても自分になりたい。周りも変わらずもう一回やりたい」と話した。
目黒が「ずっと漁師さんになりたくて、詳しく調べていったら(自然と向き合うので)命の危険もあることが分かった。なので、農家さんをやって、たまに釣りに行ければいいかなと」と考えが変わっていったことを話すと、「そんなのは漁師さんにも釣りをやる人にも失礼だよ」をイジる大泉。自身は「葉っぱは嫌だしな、何かを隠すイメージがあるし。そうねぇ、桁違いの大金持ちになれれば」と言いながら、最後は「やっぱりホタテの貝殻でいい。何かを隠せれば」と話しがあらぬ方に向かってしまい、「こういう映画ではないですからね!」と自ら舞台挨拶の盛り上がり話を否定して慌てていた。
【STORY】
生まれ変わっても、あなたに逢いたい―――
小山内堅(大泉洋)は、愛する妻・梢(柴咲コウ)と家庭を築き、仕事も順調、どこから見ても順風満帆だった。だが、不慮の事故で梢と娘・瑠璃を同時に失ったことで幸せな日常は一変。深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男(目黒蓮)が訪ねてくる。事故のあった日、小山内の娘・瑠璃が面識のないはずの自分に会いに来ようとしていたという。そして、彼女と同じ名前をもち、自分がかつて愛した“瑠璃”という女性(有村架純)について語りだす。それは数十年の時を超えて明かされる、はかなくも鮮烈な、許されざる恋の物語だった。一見何の関係もない夫婦とかつての恋人たち。その二組をつなぐ、誰も想像もしえなかった数奇で壮大な愛の軌跡とは―― 。
『月の満ち欠け』
■原作:佐藤正午「月の満ち欠け」(岩波書店刊)
■主演:大泉洋
■出演:有村架純、目黒蓮(Snow Man)、伊藤沙莉 / 田中圭 柴咲コウ
菊池日菜子 小山紗愛 阿部久令亜 尾杉麻友 ・ 寛一郎 波岡一喜 安藤玉恵 丘みつ子
■監督:廣木隆一
■脚本:橋本裕志
■製作:「月の満ち欠け」製作委員会
■配給:松竹株式会社
■撮影期間:2021年11月~12月
■公開: 2022年冬
■クレジット:©2022「月の満ち欠け」製作委員会
■公式HP:movies.shochiku.co.jp/tsuki-michikake/
■公式Twitter:@eiga_tsukimichi
12月2日(金)、あなたも真実の愛に涙する。