原作大石圭の傑作サスペンス映画が韓国で再映画化!
パートナーの暴力に苦しむ女性に救いの手を差し伸べたのは、
彼女のベッドの下に潜むストーカーだった。
盲目の愛なのか――、それとも暴走した狂気なのか――。
原作 大石圭×監督 SABU×主演 イ・ジフン
「うさぎドロップ」「砕け散るところを見せてあげる」
SABU監督韓国デビュー作
“魅力的な犯罪者”の誕生秘話が明かされる・・原作は実話だった!
作家大石圭×SABU監督 オフィシャルインタビュー公開!
更にイ・ジフン 急遽来日決定!!メッセージ動画も到着!
映画『アンダー・ユア・ベッド』が5月31日(金)より全国劇場にて公開する。
原作は、「呪怨」「殺人鬼を飼う女」など数々の名作を世に送り出した大石圭の角川ホラー文庫処女作「アンダー・ユア・ベッド」。2019年には高良健吾主演で実写化され、今までにない役どころで注目を集め話題をかっさらった。そんな衝撃作が海を超え、韓国でついに再映画化されることになった。
メガホンをとった監督は『蟹工船』(09)や『うさぎドロップ』(11)、『砕け散るところを見せてあげる』(20)など日本でも評価の高いSABU。
孤独な人生を送る男・ジフン役には、「新米史官ク・ヘリョン」や「青い海の伝説」など様々なジャンルのドラマや映画で活躍中の期待の若手俳優イ・ジフン。ジフンが長い間一途に思い続ける女性・イェウン役には、期待の新人女優イ・ユヌを抜擢。夫から激しいDVを受ける難役を体当たりで演じる。さらに暴力を振るうイェウンの夫役を舞台や映画を中心に活躍する実力派俳優シン・スハンが演じ、SABU監督韓国デビュー作にふさわしい面々が勢揃いした。
この度、読者が感情移入して応援したくなるような“魅力的な犯罪者”を生み出した「アンダー・ユア・ベッド」の原作者である大石圭と“世界的なエクストリームディレクター”で韓国版の監督を務めたSABU監督の対談が特別に実施された。公開されたオフィシャルインタビューでは、隠された原作の誕生秘話や原作からインスピレーションを受け、撮影でごだわったシーンの裏話などがたっぷりと語られている。
◆大石圭&SABU監督 オフィシャル対談
──SABU監督にとって韓国映画初進出作ですね。
SABU監督:1990年代後半に韓国で日本の大衆文化解禁があって、岩井俊二監督の『Love Letter』(1995年)や北野武監督の『HANA-BI』(1998年)がヒットして、僕の『ポストマン・ブルース』(1998年)も上映されたりしました。その頃から韓国でやってみたいという気持ちはずっとあったので、監督としてのオファーを頂いてやっと願いが叶いました。脚本を読んだ時は暴力描写と性描写のハードさに若干ひるみましたが、これまでコメディ色の強い作品の多かった自分としては、シリアスなスタイルに挑戦できるいい機会になると思いました。
──SABU監督をひるませた『アンダー・ユア・ベッド』の原作はどのような経緯で生まれたのでしょうか?
大石圭:原作は角川ホラー文庫からの初めての依頼で書いたものです。しかし自分はそれまで純文学を書いていたもので、一体何がホラーになるのかわからなかった。そこで思い出したのが、妻が一人暮らしをしていた時に実際に起こった出来事でした。家に帰るたびに物の配置が変わっていたり、下着がなくなっていたり、アルバムから写真が抜かれていたりする。しかし警察に訴えても相手にしてくれない。それでも妻が「絶対に他人が入っている!」と言い続けて調べてもらった結果、なんとそのアパートの大家の息子が合いカギを持っていたんです。…これは相当怖いですよね。ならばそれをベースに書こうと思って生まれたのが『アンダー・ユア・ベッド』です。
──着想は実話だったんですね…。恐ろしい。そんな原作が韓国で映画化されたことに、どのような感慨がありますか?
大石圭:実際に完成した作品を観た時は嬉しくて泣きそうになりました(笑)。しかも画も美しくて音も素晴らしい。どのように撮影されたのかわかりませんが、とても綺麗な映画だなと。ちなみに実際に怖い体験をした妻も「オシャレな映画になった」と絶賛しています。
SABU監督:画と音にはかなりこだわりました。画面アスペクト比を4:3にしたのは自分としては初めての試みで、スタンダートサイズのフィックスでアート的な映画を作ってみたいという思いが昔からあったからです。4:3は画面に集中できるサイズなので、物語に没入してもらうという狙いがあります。たまたま音響効果スタッフが日本語を喋れる人だったので、密にコミュニケーションを取って音の面も細かく調整。原作者の大石さんにその点を褒めてもらえて嬉しいです(笑)。
──オール韓国ロケで韓国人スタッフ・キャストを束ねられたわけですが、コミュニケーション面での不都合はありませんでしたか?
SABU監督:日本での僕は結構気を使う方で現場では余計な事を喋ったり、笑わせたり、現場を盛り上げる様にしています。今回は日本人は僕一人だけでコミュニケーションは通訳を介していたので、伝えたいことだけをストレートに伝えるだけにしました。
──SABU監督直筆による絵コンテもスタッフ全員のビジョンの共有に役立ちそうですね。
SABU監督:絵コンテは監督デビュー作の時から自分ですべて描いています。言葉が通じない分、具体的に絵で説明が出来たのでやりやすかったです。
大石圭:この熱量には感激です。絵コンテを初めて拝見した時は誰が監督を務めるのか聞いていなかったので、書き込まれた日本語を見て「日本育ちの韓国の方なのかな?」と思っていました(笑)。
──原作でも熱帯魚屋は重要な場所として出てきますが、劇中の熱帯魚屋は湿度が高そうでジメっとした雰囲気が作品のトーンにマッチしています。
大石圭:原作執筆当時は僕も熱帯魚に凝っていまして、自分でも沢山飼っていました。水槽の管理が大変で(笑)。
SABU監督:大石さんは熱帯魚がお好きだろうなと、原作を読んで感じました(笑)。実は僕も大石さんと同じ時期くらいに熱帯魚を飼っていました。湿度の点でいうと、僕は汗とか人間のギドギドしたものが好き。予算の問題で実現しませんでしたが、熱帯魚屋の天井から水が漏れているという表現をやってみたかったです。
大石圭:なるほど、それが魚をすくう網から垂れる雫に変わったわけですね。靴にしたたる様子がどこか象徴的に見えました。
SABU監督:ちなみに原作にはない海のシーンをあえて岩ばかりの場所にしたのは「敷石のひとつを裏返す。そこには、名もない虫たちがさざめいている」という原作の表現ともマッチするだろうと思ったからです。
──キャスト陣について教えてください。
SABU監督:イ・ジフン君は芝居も上手いし器用。ただ男前なので、事前に男前なことをしないようにお願いしました。色々とアイデアを持ち込んでくれたものの動きがスマートになりすぎるので、それをそぎ落とす形で事細かく演出しました。役名が同じジフンなのは単なる偶然です(笑)。イ・ユヌさんは声のトーンが印象的で、元アイドルという歌って踊れる経歴も最高だと思いました。芝居もやらせればやらせるほど上達して、魅力的になっていく。シン・スハン君はとても真面目で役に没頭するタイプ。暴力シーンやセックスシーンも鬼気迫る形で取り組んでくれました。
大石圭:暴力シーンは生々しかったですね。さすがに僕はあそこまでは書いていません(笑)。原作超えです。でも映画として手加減なくリアルに表現してもらえて嬉しかったです。サイフォンでコーヒーを淹れているところも好きで、細部まで丁寧に作られていることに感動しました。
SABU監督:原作もサイフォンだったのでやりたかったんですが、実は韓国にはサイフォン式コーヒーの文化がない。「何ですかそれは?」と言われました。美術部に探してもらったら偶然日本製のものが見つかってみんなビックリ(笑)。
大石圭:ヒョンオ(シン・スハン)がカウンセリングルームで狂ったようにダンスする場面は驚きました。原作では普通のサラリーマンですが、医者になったことで彼のオシャレさとか苦悩が増したような気がしました。
SABU監督:ダンスは撮影初日の前日に閃いて夜中に絵コンテを送って、急遽追加した場面です。急に変わったので現場はザワザワしましたが、スタッフの中には僕の作品ファンもいて「これぞSABU監督!」と思ってくれたようです。診察室はヒョンオが唯一自分を曝け出せる場所であり、患者を支配できる場所。それまでの静謐なトーンを激しい音楽と共に一転変化させるというか、エロチックな妄想も入ってきたりするのでシーンとしても面白くなると思いました。字で考えるのと絵で考えるのとでは全然違って、絵コンテにすると色々なアイデアが浮かびます。ポスターにもなっている、ベッドの上と下でジフン(イ・ジフン)とイェウン(イ・ユヌ)の指が触れそうになっているシーンは脚本にはないもので、絵コンテを描いて自分が作ったものです。
──これから映画をご覧になる方にメッセージをお願いいたします。
SABU監督:これまで出来なかったやりたい事を今回やり尽くすことが出来たので、自分に対する自信がつきました。韓国での公開の際の評価も高かったので手応えしか感じていません。日本公開されるとは思っていなかったので、それも嬉しい。見応えのある作品だと自負しているので、楽しんで観ていただきたいです。
大石圭:原作を書いていた時に主人公・三井は新美南吉の児童文学『ごん狐』のごんなのかもしれないと思っていました。今回韓国で映画化されたことで、三井の持つ犠牲的精神は国を超えた普遍性があると感じました。美しく切なく悲しくて、しかも気持ち悪い主人公を応援したくなるような映画もそうないので、是非ご覧になっていただきたいです。原作者である私自身、何回か泣きました。ラストシーンは必見です。
SABU監督:今日一番の嬉しい誉め言葉です。
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更に、長年忘れられない女性イェウン(イ・ユヌ)と偶然再会を果たし、再び彼女に惹かれ、24時間彼女を監視する異常なストーカー男のジフン役を怪演した、俳優イ・ジフンの急遽来日が決定!公開を記念して、公開日5月31日(金)に公開初日舞台挨拶を実施することも決定。本作のメガホンを取った、SABU監督と登壇し、本編を鑑賞した観客とともに本作を語り合います。そして今回特別に舞台挨拶終了後、イ・ジフンとSABU監督のサイン会を実施予定。
日本公開に向け、俳優イ・ジフンからメッセージ動画が到着。役柄とは正反対の爽やかな笑顔で登場。自己紹介を日本語で披露し、日本での公開を待ち侘びているファンの皆様に「歪んだ愛を描いた切ないラブロマンスである『アンダー・ユア・ベッド』公開されたら沢山の方々に観にきてもらいたいです!」と、強いメッセージを送った。
イベントは5月31日(金)シネマート新宿 18時25分の回で実施予定。イベント付きチケットは、劇場オンライン販売システムにて5 月25 日(土)0:00(=5 月24 日(金)24:00)より販売開始。舞台挨拶はファンの方にとっても特別な時間となるだろう。
◆メッセージ動画
映画『アンダー・ユア・ベッド』
<STORY>
学生時代から誰からも名前すら覚えてもらえなかった孤独な男・ジフン(イ・ジフン)には忘れられない女性がいた。 それは、初めて大学の講義中に名前を呼んでくれたイェウン(イ・ユヌ)だった。 数年経っても忘れられないジフンは彼女を探し出し再会を果たすも、彼女は覚えていなかった。 再び彼女に強烈に惹かれてイェウンを24時間監視するようになったジフンは彼女が夫であるヒョンオ(シン・スハン)から激しいDVを受けていることを知ってしまうがー
原作:大石圭『アンダー・ユア・ベッド』(角川ホラー文庫/KADOKAWA刊)
監督・脚本:SABU
出演:イ・ジフン、イ・ユヌ、シン・スハン
配給:KADOKAWA
2023年/韓国/韓国語/99分/カラー/スタンダード/5.1ch/
原題:언더 유어 베드/字幕:北村裕美
映倫区分:R18+
画像クレジット:©2023, Mystery Pictures, ALL RIGHTS RESERVED
5月31日(金)全国ロードショー