映画『牛首村』の完成報告会見が、東京・帝国ホテルにて行われ、主演のKōki,をはじめ、共演の萩原利久、高橋文哉と、清水崇監督が登壇した。
ホラー界の巨匠・清水崇監督が恐怖描写を徹底的に突き詰めて作り上げる「恐怖の村」シリーズ。2020年2月に公開し大ヒットを果たした『犬鳴村』、第2弾として2021年2月に公開された『樹海村』。そして、待望の第3弾『牛首村』がついに完成した。本作は、富山県魚津市に実在する北陸最恐心霊スポット・坪野鉱泉を舞台に、都内在住の女子高生・奏音と、富山在住の女子高生・詩音の二人の姉妹が“牛首村”と呼ばれる場所の秘密と風習から不可解な出来事に巻き込まれていく様を描く。本作で映画初主演&女優デビューを果たしたKoki,が奏音と詩音の二役に挑戦している。
本作の完成を受け、Koki,は「ものすごく素敵な経験をさせていただきました。皆さんと一緒にチームワークで作りあげたものが、1つの映画になったんだなということに感動しました。いろんな思い出や、そのシーンの裏場面を思い出してウルウルしてしまいました」とコメント。撮影を通じて「毎日学ぶことが多くて、集中力が付いて演じることの楽しさや魅力を感じられるようになりました」と、自身の成長を実感。
奏音のクラスメイトで彼女に好意を持つ香月蓮役の萩原は、「清水監督を勝手に怖そうだなぁと思っていたのですが、実際お話しするとすごく柔らかい方でした。手取り足取りお話ししながら現場を作ってくれる方だったのですごく楽しかったです」と監督の印象を語り、「CGで現場では見えない部分も、完成した作品を見たときは自分の想像以上のものが出来上がっていたので、心がワクワクしました」と作品の完成度に満足げ。
詩音の恋人・倉木将太役の高橋は、今作がホラー映画初出演となったが「ホラー映画を最初から最後までちゃんと見たことが人生で1度もなくて。『犬鳴村』『樹海村』を観ようとして、最初の10分で断念するくらい苦手だったのですが、今回参加させていただいてホラー映画にこんな魅力があるんだ、ホラー映画だからこそ感じられるハラハラ・ドキドキの新しい発見ができました」と振り返り、「『牛首村』が初めて最初から最後まで見ることができた作品。撮影も楽しかったです」とホラー映画に魅了された様子。
参加を喜ぶキャストたちについて、清水監督は「出ていただいた俳優さんが、この作品に関わって良かった、この作品に出会えて良かったと思ってもらえる作品に仕上げる責任がある」と語り、「Koki,さんは初めてでありながら主演で、一人二役という難しい役どころ。監督としてもどのように表現してもらえばいいかというプレッシャーもありましたが、それに負けないように臨みました」と述懐した。
また、キャスティングの理由を問われた清水監督は「Koki,さんのお芝居を見たことがなかったのですが、お会いしたところ、真面目でストイックな姿が見えた。おもしろいかもしれないと思った。挑戦したいと思ったんです」と答え、「普通は一生出くわさないような大変な役ですが、見事に演じてくれました」とKoki,の演技を絶賛。萩原には「役としての意図を組んでよくやってくれた」、高橋は「準備が大変だったと思う」とし、「3人とも見事に期待に応えてくれました」と、それぞれを労った。
撮影は、実在の心霊スポットである富山県・坪野鉱泉で行われたが、「昼と夜の雰囲気がまるっきり違っていて、夜は特に寒気がするくらい怖かったです」と振り返るKōki,。一方の萩原は「不謹慎ですけど話せるような心霊現象が起きないかなぁと思っていましたが、何も起きずに撮影を終えてしまいました」とちょっぴり拍子抜け?。高橋は、「僕も何事もなく終えました。ただ、先日富山県出身の方と坪野鉱泉の話をしたら『あそこは本当にやばいよ』って言われて。地元でそんな風に言われる場所で撮影してたのかと思うと、いまさらながら怖くなったりしています」と恐怖を感じていた。
あらためてKoki,との共演を萩原は、「Kokiちゃんは現場でずっと明るくて、太陽みたいなエネルギーを持っているなと思いました」と話すと、高橋も「クールなイメージを持っていましたが、お会いしたら明るくて、本当に太陽のような存在で驚きました」と同調。「気を遣ってくれて、優しい先輩です」と続けると、二人の言葉に思わず笑顔をこぼすKokiだった。
難しい役どころに挑んだKoki,は、「奏音も詩音も、ストーリーのバックグラウンドも想像しながら感情を作り、集中して役に入り込むように努力しました」と役作りを述べ、完成した作品を見たときは恐怖で思わず声が出そうになったそう。「試写を姉と一緒に観たんですが、姉も隣で声を上げていたり、自分も台本を読んでいて分かっていても、びっくりしたりドキドキしてしまう感覚がありました」とエピソードを披露し、「姉が『頑張ったね』と言ってくれました」と嬉しそうに微笑んだ。
最後に清水監督は、「今回、Kōki,さんという、先の得体のしれない逸材を皆さんにお届けする作品に挑戦し、それをきちんと仕上げられたという自負があります。その成果が出ている怖い映画になりました。観ていただいたら驚かれると思います。初めて取り組む女優さんの姿勢が見れて、一緒にいることができたことは監督人生の財産になりました」と胸の内を明かし、完成報告会見を終えた。
映画『牛首村』
Kōki,
萩原利久 高橋文哉
芋生悠 大谷凜香 莉子
松尾諭 堀内敬子 田中直樹 麿赤兒
監督:清水崇
脚本:保坂大輔 清水崇
楽:村松崇継
制作プロダクション:ブースタープロジェクト
配給:東映
2022年/115分/カラー/ビスタ/5.1ch
Ⓒ2022「牛首村」製作委員会
公式サイト:https://www.ushikubi-movie.jp/
2022年2月18日(金)、降臨。