名古屋が生んだ、遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」。その個性を出し過ぎな、誰かの”好き“で溢れかえった本屋を舞台に、自称「空っぽ」の杉下とその仲間たちが過ごしたハチャメチャで刺激的な青春の日々を描いたドラマ「ヴィレヴァン!」。
名古屋を中心にサブカル戦士たちの熱いハートに火をつけ、カルト的人気を誇ったドラマの第二弾「ヴィレヴァン!2〜七人のお侍編〜」が10月26日より放送開始。そして映画版『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜』がついに10月23日より公開となった。岡山天音、森川葵、最上もがほか主要メンバーは全員続投、スペシャルゲストとして萩原聖人、安達祐実が参戦しさらにパワーアップ!サブカル愛に満ち溢れた、フルスイングムービーに、いま注目が集まっている。
本作で小松リサ役を演じた森川葵は、愛知県出身で幼いころから「ヴィレヴァン」文化に触れてきたという。そんな彼女が本作に出会い、「大切なものを得た」と笑顔を見せる。それは何なのか、本作への思いとともに語ってくれた。
― 「ヴィレヴァン」というお店は昔からよくご存じでしたか?
もちろんです! 子どもの頃はよく母と買い物に出かけて、「わ~、こんなキャラクターいるよ!」とはしゃいでいました。高校生になってからは友達と一緒に行くようになって、パーティー用のお菓子などを買っていました。私にとってあまりに身近なところでしたし、そんな「ヴィレヴァン」をどうやってドラマにするんだろうと不思議に思っていましたが、出来上がったドラマを観たら「ヴィレヴァン」の世界観そのままでした。このドラマに出ることができて嬉しかったです。
― 本当にご自身が楽しまれている感じがしました。
はい、とても楽しかったです!
―ドラマから、ついに映画化となりますが、映画化のお話を聞かれたときの心境はいかがでしたか?
まさか!と思いました(笑)。最初はドラマのシーズン2を撮ると聞いたんです。その話でさえ、「え?話は完結したよね?(シーズン1のラストで)みんな、ヴィレヴァンを卒業してそれぞれ働く場所が変わっていったし、リサはイギリス行ったんだよね?・・・どうするの?」と、本当に驚きました。そうしたら、今度は「映画やります!」って(笑)。映画までやっちゃうんですか? これ以上まだ話が出てくるのか、ヴィレヴァン!みたいな感じでした。映画の内容もまさか1日を繰り返すなんて誰も考えなかったと思います (笑)。
― サブカルらしいテーマでもありますね。
本当にそうですね(笑)。
― そんな「ヴィレヴァン」の魅力は何だと考えますか?
店員さんが自分たちの好きなものを置いていますが、決して押し付けがましくないんです。お店に入ると「こんなものがあったんだ」、「こんな漫画があったんだ」、「こんなグループがいたんだ」というように情報がたくさんあって、今まで知らなかったもの、新しいものを見せてくれるし、教えてくれるということがとても魅力的。こんなに面白くて、こんなにいろんなものが入っている場所はなかなかないと思うし、そこからどんどん吸収していくことができる。「ここの店主はこれが好きです! じゃあ、みんなも推しましょう!」ではなく、「いいもんがあるんだよ! みんなにも知ってほしい!」という姿勢が気持ちいいし、ステキだなと思います。1つのコーナーを作っている人が純粋にそれが好きだから、その人たちのステキな面が見えてくる。そこが「ヴィレヴァン」のいいところだと思います。
― 実際の店舗に負けないくらいドラマの中情報がいっぱいです。また、登場人物のキャラクターもとても個性的。そんな撮影現場の様子はいかがでしたか?
キャラクターがバラバラで、全然違うタイプなのにそれぞれの情報があるので、話をしているとどんどん盛り上がっていくんです。でも、けっこうハードな撮影スケジュールだったので、現場に入ると寝て休息している人もいれば、ご飯を食べに行ったり、どこかにフラフラと消えていっちゃう人もいて、とても自由(笑)。元気なときはみんなでお喋りしていますが、ちゃんとそれぞれの時間を大切にしている。とても居心地のいい現場でした。
― このドラマで最上もがさんととても仲良しになったとお聞きしましたが、共演されていかがでしたか?
シーズン1のときは、「初めまして」だったので、一緒に楽しく普通に仕事をして過ごしていたんですが、そのあとプライベートで仲良くなりました。お互いの家に行ったり食事に出かけたり、外出自粛中は1日5~6時間電話していたり・・・そんなことを繰り返していました。でも、改めてまた現場で会うと(仕事だから)友達のノリでいるわけにはいかないし・・・、話しかけたくても疲れているかもしれないし・・・と考えてしまって、どのくらいの距離感でいればいいんだろうと、ソワソワしちゃいました(笑)
― 仲良くなりすぎて、共演者として接するのに戸惑ってしまった?(笑)
そうなんです。一緒にお仕事できてめちゃくちゃ嬉しいから、本当はいっぱいお喋りしたいんですけど、お互いの時間も大切にしないといけないし。少しでも眠れる時間があったら体を休めたほうがいいことはお互い分かっているから、気を遣いあっていました。それでも常に隣に座っていたんですけどね(笑)。
― 映画版ではドラマ版と変わって、ダークサイドな小松リサを演じられています。新しいリサを演じられていかがでしたか?
ダークサイドのリサも面白かったです。銃を構えてサングラスをかけたり、警備員をたくさん引き連れたり、本来の小松リサのモードだったら絶対にしないようなことができたので楽しかったです。
― 存在感がある方と共演すると「私もこうなりたい」「こういうやり方があるんだ」など、刺激を受けることがあると思いますが、本作の現場ではいかがでしたか?
皆さんステキでしたが・・・。特に、滝藤さんは凄かったです。東京で他の仕事をされてから名古屋まで来て夜中まで撮影して、また東京へ帰って撮影するというハードなスケジュールをこなしていらっしゃったのですが、ずっと明るく元気なんです。(滝藤さん演じる)店長は、サブカルの説明を話すシーンが多く、セリフが難しくて長いのに、ちゃんと全部覚えていらして、やっぱりプロだな!と。そして、店長がシーンによって違う洋服を着ているのですが、それも滝藤さんが自ら提案されているんです。他の現場と同時進行していると頭が混乱すると思うし、本当にお忙しいと思うのですが、常に役について考えていて、色んな事に注意を図っている。とてもタフで丁寧にお仕事をされていて、本当に尊敬します。
― 森川さんご自身がお仕事に対して大事にしていることは何かありますか?
柔軟でいることでしょうか。台本の読み方、受け取り方も人それぞれだと思うので、自分の考えに執着しすぎない。相手に自分の考えを突き付けるのではなくて、相手が自分とは違う考えのカードを出したときに、どちらが適切なのかをしっかり考えて、自分より相手の方のカードがいいなと思ったら、自分はすぐに引く。その場その場で柔軟に対応していけるように、頭を固くしすぎないように気をつけています。
― 本作で印象に残っているシーンはありますか?
映画の冒頭は、台本が何ページもある長いシーンをワンカットで撮っています。お店の奥からずっと撮って、レジの前に来たら、おっぱいボールがたくさんあって「これ、誰が注文したの!?」というシーンなんですが(笑)。セリフも多いし、色んな動きがあるので、自分が1つリズムを狂わせるとみんな崩れてしまうし、セリフも間違えたら最初から撮らないといけないのでとても緊張感がありました。そのシーンで滝藤さんが初登場しますが「久しぶりに店長に会った!」と、みんな大興奮でした。それが映像にも出ていると思うのでぜひ注目してください!
― ところで、森川さんがサブカルに興味を持ち始めたのは何歳くらいからですか?
サブカルが何のか、最近はもう分からなくなってきてしまって・・・。どれがサブなんだろうって感じになっていますよね。だから何歳くらいからかよくわからないです。アニメも今やメインの位置ですし、漫画から映像が作られる時代になっていますから。
― 今お好きな漫画の作品は?
最近は「ブルーピリオド」や、「AKIRA」の作者・大友克洋さんの「童夢」を読みました。
― ドラマで見せてくださった“土下寝”やネイティブな名古屋弁がとてもキュートでしたが、そんな小松リサを演じてみていかがでしたか?
もともと強烈な名古屋弁を話すほうでもなかったのですが、最近は名古屋弁を話す機会が減ってしまっているので、名古屋人を演じて名古屋弁を話してみて懐かしいような、ちょっと違う感じもして、新鮮でした。別の方言というか、普段自分が使っている言葉ではないような気がしました。
― これまでも多くの作品に出演されている森川さんですが、この作品に出て何か得たことはありますか?
友達が増えました。現場で仲良くなる人はいるけれど、もがちゃんとは本当によく連絡を取り合って、いつも一緒にいるんです。撮影現場で1週間くらい一緒にいただけなのに、こんなに仲良くなることがあるんだという発見がありました。「ヴィレヴァン」の物語ではないけれど、本当の仲間を得ることができて、この作品に出会えてよかったと思っています。
― まだ「ヴィレヴァン」を知らない方も含めて、これから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
「ヴィレヴァン」は個性豊かなキャラクターたちが、個性しかないお店で働いて事件を起こしていく物語です。(事件が)起きちゃうんじゃないんです、起こしちゃうんです(笑)。
個性豊かな俳優たちが個性豊かな役を演じて、本当に中身が濃くて、もしかしたら1回では観きれない可能性がある作品になっています。「サブカル」と聞いて少し敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、何か好きなものがある人だったら確実に共感できるものがあると思います。映画ではそんな「好き」がなくなってしまうかもしれないお話なので、自分の世界から自分の好きなものが消えた時に自分はどうするだろうかを考えながら観ていただけたらと思います。もしかしたら、この作品をきっかけに新しい好きを見つかるかもしれません。ぜひ、自分の「好き」を探しに来てください。
【森川 葵 (もりかわ・あおい)プロフィール】
1995年6月17日生まれ、愛知県出身。2010年、デビュー。12年より、女優として映画、TVドラマ、CM など幅広く活躍の場を広げ、15年TVドラマ「テディゴー!」で連続ドラマ初主演。近年の映画出演作に、『映画 賭ケグルイ』『耳を腐らせるほどの愛』(19)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(20)。声優出演作品として、おジャ魔女どれみ 20周年記念作品『魔女見習いをさがして』(20) が公開を控え、映画「天外者」(12月11日公開予定) 、舞台「マシーン日記」(2月東京公演、3月京都公演)、映画「賭ケグルイPart2(仮題)」(2021年公開予定)。
『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜』
<Story>
自称「空っぽ」の大学生・杉下啓三は、ヴィレッジヴァンガードで儲け度外視で集められたガラクタや、常識からかけ離れた変人バイトたちに囲まれはちゃめちゃで刺激的な日々を送っていた。そんな、刺激にも慣れ始め早1年、平和だが、何かが足りていないことに気づく。この世から“サブカル”がなくなっていたのだ!サブカルを、カルチャーそのものを取り戻すべく、杉下の壮絶なバトルがいよいよ幕を開ける!
出演:岡山天音、森川葵、最上もが、本多力、柏木ひなた(私立恵比寿中学)、水橋研二、落合福嗣、小林豊(BOY SAND MEN)、大場美奈(SKE48)/萩原聖人、安達祐実/・平田満・滝藤賢一
監督:後藤庸介
脚本:いながききよたか
制作 : コギトワークス
配給:イオンエンターテイメント
(c)2020メ~テレ
HP:https://www.nagoyatv.com/vv_movie/
10月23日(金)より全国公開中!
森川葵さん
直筆サイン付きチェキプレゼント!
応募はこちらから
◆予告編
インタビュー撮影:ナカムラヨシノーブ
ヘアメイク:石川奈緒記 or Naoki Ishikawa
スタイリスト:平田雅子
<着用衣装クレジット>
ドレス¥150,000
ニット¥57,000/共に、M MISSONI(三喜商事)
ブーツ¥138,000/JIMMY CHOO
ピアス¥75,000/
右手 人差し指のリング¥27,000
中指のリング¥70,000
左手 人差し指のリング¥27,000/すべて、ALIITA(パラグラフ)
《問い合わせ先》
●三喜商事 03-3470-8235
(〒107-0062港区南青山5-14-7 #3A M incorporated 03-3498-6633)
●JIMMY CHOO 0120-013-700
(送本先:〒107-0052 港区赤坂8-5-34 TODJ BUILDING 8F 03-5413-1467)
●パラグラフ 03-5734-1247 目黒区青葉台1-19-7
(送本先:〒150-0001渋谷区神宮前1-11-11-608 HiRAO INC 03-5771-8809)