映画『居眠り磐音』の完成披露試写会が、5月6日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、主演の松坂桃李をはじめ、共演の木村文乃、芳根京子、杉野遥亮、南沙良、石丸謙二郎、西村まさ彦、中村梅雀、柄本明と、本木克英監督が舞台挨拶に登壇した。
佐伯泰英のベストセラー小説「居眠り磐音」を本木克英監督の手で実写映画化した本作は、江戸で浪人暮らしを送りながら、昼はうなぎ屋、夜は用心棒として働く坂崎磐音が、下町の人々と温まる交流をしながら、時に爽快に悪を斬る姿を描く時代劇。磐音役を松坂、磐音に好意を抱くおこん役を木村、磐音の許嫁・小林奈緒役を芳根、磐音の幼なじみで奈緒の兄・琴平役を柄本佑、河出慎之輔役を杉野が演じる。
本格的時代劇で初の主演を務めた松坂は、「皆さんの応援と支えのおかげで完成披露を迎えることができました」と晴れ晴れしい笑顔とともに観客に向け感謝の気持ちを伝えた。さらに「磐音は壮絶な過去の運命を背負います。自分もその運命に向き合い、磐音の気持ちを大事に大事にしながら、撮影を駆け抜けていきました」と吐露。
そんな磐音を演じた松坂を、本作が5度目の共演となる木村は「松坂さんなのか磐音なのか、わからなくなってしまうぐらいピッタリでした」と絶賛。「今まで見たどの背中よりも、とても背負っているものが大きく見えました。私が太陽として隣で頑張らねばと思ったんですが、結局、松坂さんのお人柄の良さに救われていました」と語ると、松坂は「左様でございますか・・・」と磐音になりきり、時代劇調に応える。
芳根も「本当に“磐音さま”。撮影よりもプロモーションなどの取材でご一緒させていただく時間が多かったのですが、そこでも磐音のイメージがブレない。心が暖かい方だなと感謝しています」と松坂に優しい眼差しを向けると、松坂は「こう真っすぐな瞳で見られると何を言っていいのか分からないですね(笑)」と照れ笑い。
また、本作の撮影は京都や滋賀の寺院などで行われたが、磐音の父・正睦役の石丸から「これはパンフレットにも書いてないことなんですが、実は撮影現場は僕の実家なんです」と告白し、観客を驚かせた。この話は登壇者の一部しか知らされていなかったようで、木村や芳根たちも目を丸くする。幼少のころ、大分県杵築市の武家屋敷に実際に住んでいたと言う石丸は「小さい頃には、両親も自分も着物を着て、板の間でちゃぶ台の前で正座をして食事をしていました。リアルに“時代劇ごっこ”をやっていたんですね(笑)。映画の撮影で本物の武家屋敷を使うことはほとんどありません。まさか実家で映画の撮影ができるとは・・・。役者にやっていて良かったと思いました」としみじみ。その事実を聞いていた松坂は「石丸さんと天井裏の隠し部屋を見つけたんです。本当にお邪魔します…という気分でした」と振り返った。
また、5月1日より始まった新年号“令和” の抱負を掛け軸に書いて発表する場面も。松坂は「豊かに」と掲げながら、「最初は!“健康第一”と書こうとしたんですが、マネージャーさんに止められて(笑)」と明かし、「令和の時代も仕事も生活も、自分自身も周りも含めて豊かになっていければ」とその想いを説明。「具体的には?」と問われると「事務所がもっと豊かになればいいなと。人数が少ないので、後輩も含めて頑張っていただいて・・・」と事務所の後輩である杉野に視線を向ける。杉野は「無言の圧を感じています・・・」と先輩からのプレッシャーにたじろぎ、会場を沸かせる。
木村は「目指せ 100本」とライフワークにしているダイビングの目標を掲げ、芳根は「海外旅行」と書いて「タイ料理が好きなので、母とタイに行ってみたいです」と目を輝かせた。
一方、杉野は令和の抱負を「跳」と達筆に書き、「“跳”と書いてバンジーと読みます」と発表。「令和元年って7カ月しかないので。7カ月のうちに、やがて子孫とか子どもに自慢できることがないかなと。バンジーやスカイダイビングとか、跳(飛)べたらいいなって思って…」とコメント。
その言葉に松坂は「えっと…子どもに自慢できること? ん、これ自慢か~?」と首をひねると、そのやりとりに木村が「事務所の未来が心配ですね(笑)」とツッコミを入れ、笑いを誘っていた。
最後に松坂が「時代劇の初主演が『居眠り磐音』でよかったと心の底から思います。世代を問わず楽しめる時代劇です」とアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
<STORY>
友を斬り、愛する人を失った。――
男は、哀しみを知る剣で、悪を斬る。
主人公・坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼馴染を失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩。
すべてを失い、浪人の身となったー。
江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋の大家・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として働き始める。春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。そんな折、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、哀しみを胸に悪に立ち向かう―。
映画『居眠り磐音』
原作:佐伯泰英「居眠り磐音 決定版」(文春文庫刊)
出演:松坂桃李 木村文乃 芳根京子
柄本佑 杉野遥亮 佐々木蔵之介 陣内孝則 谷原章介 中村梅雀 柄本明 ほか
監督:本木克英
脚本:藤本有紀
音楽:髙見優
主題歌:「LOVED」MISIA(アリオラジャパン)
製作:「居眠り磐音」製作委員会
配給:松竹
©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
撮影:2018年3月~4月 大分県杵築市、京都近郊にて撮影
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5月17日(金)全国ロードショー!