映画『悪い夏』の公開記念舞台挨拶が、3月21日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の北村匠海をはじめ、共演の河合優実、窪田正孝と、城定秀夫監督が登壇した。
「クズとワルしか出てこない」と話題を呼んだ染井為人の傑作小説を映画化した本作は、真面目に生きる気弱な公務員の破滅への転落と“今そこにある”恐怖を描く衝撃のサスペンス・エンターテインメント。 真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく主人公・佐々木守を北村匠海が演じ、色仕掛けで佐々木を犯罪へと巻き込んでゆくシングルマザー・愛美を河合優実、裏社会の住人で犯罪計画の首謀者・金本を窪田正孝が演じ、他にも伊藤万理華、毎熊克哉、竹原ピストル、木南晴夏など豪華俳優陣がクズを狂演!鬼才・城定秀夫監督がメガホンを取り、脚本は『ある男』の向井康介が務めた。
完成作品を観て、北村は「非常に滑稽だった。面白かったです」と笑顔を見せ、「特に滑稽だったのは(竹原)ピストルさん(笑)」とニヤリ。隣に立つ窪田も「ズルいよね。誰が彼らを救ってくれるんだろうね(笑)」とその存在感を称えた。
同じく、河合も「脚本を読んだ時の印象と同じものがありました。展開が積み上げられて行って・・・最後にああなるとは。梯子を外された感覚でした。知っている話なのに、笑っちゃうし驚くし。笑っていいんだなと」と、完成作品を楽しんだ様子。
窪田は「これだけ悪いヤツとクズが出てくると、俺は悪くないと思いましたよ」と笑いながら、「クズと悪にも美学があって、全部が醜くないというのが凄く不思議。それが人間で哲学的なものを感じました」と持論を展開した。
監督は「これだけの面子が揃っているんですから、俺は何もすることがなかったですね」と、俳優陣に絶対的な信頼を寄せていたようだが、窪田から「現場で一番悪い顔してましたよ」とツッコミを入れられる場面も。
これまでの作品の役柄とはかなりかけ離れた役を演じた北村だが、「以前は金髪のヤンキーとか、強いヤンキーとかでしたが、あちらの方が僕からしたらかけ離れていた。僕の一番奥の方の引き出しを久々に開けるみたいな感覚があって、非常に気楽でやりやすかったです」とあっけらかんと語る。感情を爆発させるシーンでは「撮影が2日目だったんですが、皆さんに謝られていたのを覚えています。自由にやらせてもらいました。監督からは『貧乏ゆすりを高速でやって!』と言われて・・・」と明かし、舞台上で再現してみせる。
また、キャッチコピー「公務員、堕ち」にちなみ、「〇〇堕ちしている」=最近のハマっていることをフリップに書いて発表することに。北村は「米」と答え、「最近、おにぎりにハマっているんです」と話すと、監督がすかさず「“あんぱん”なのに?」と4月から放送されるNHKテレビ小説の役についてチラリ。「毎日撮影しているので、(食事で)おにぎりをよく注文(宅配)するんですが、色々な具があって美味しいんです。あと、自分は土鍋で炊いています。日本酒も好きなので」と理由を述べる。
河合は「ルービックキューブ」と。「マネージャーさんに勧められてからハマっています。恥ずかしいから隠れてやっています(笑)。でも、3分以内には6面揃えられますよ」と告白した。
窪田は「Chat GPT」にハマっているそうで、「本当に凄いんです。英語とかもすぐに答えてくれる。『悪い夏』と聞いたら何て返ってくるんだろうね」と興味深々。「今は勉強で色々教えてもらっています」と利用していることを明かしていた。
最後に監督は「色々な観方がある、エンタメ要素を詰め込んだので楽しんでもらえれば」とコメント。幼少から映画の仕事に携わってきた北村は「誇れるくらい映画が好き。久しぶりにワクワクする映画作りでした。クズと悪ばかりで胸糞が悪くなる人もいると思いますが、そこから光を見出してもらえたら嬉しい」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
映画『悪い夏』
[ストーリー]
その出会いが、破滅への転落の始まりだった—地獄の果てに希望はあるか!?
市役所の生活福祉課に務める佐々木守(北村匠海)は「職場の先輩・高野(毎熊克哉)が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」と同僚の宮田(伊藤万理華)から相談を受け、真相究明の手伝いを頼まれる。真面目で気弱な佐々木は、正義感に燃える宮田の頼みを面倒くさいと思いながらも断ることができず、その女性、育児放棄寸前のシングルマザー・愛美(河合優実)のもとを訪ねる。愛美は高野との関係を否定するが、実は裏社会の住人・金本(窪田正孝)、その愛人の莉華(箭内夢菜)、手下の山田(竹原ピストル)と共に、ある犯罪計画の片棒を担ごうとしていた。そうとは知らず、徐々に愛美へと惹かれてゆく佐々木。ふとしたきっかけで万引きを繰り返すようになってしまった生活困窮者・佳澄(木南晴夏)らを巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まろうとしていた……。
北村匠海
河合優実 伊藤万理華 毎熊克哉 箭内夢菜
竹原ピストル 木南晴夏 / 窪田正孝
監督:城定秀夫
原作:染井為人『悪い夏』(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:向井康介 音楽:遠藤浩二
製作:藤本款 遠藤徹哉 久保田修
エグゼクティブプロデューサー:藤本款
プロデューサー:深瀬和美 秋山智則 近藤紗良
製作:映画「悪い夏」製作委員会(クロックワークス/KADOKAWA/C&Iエンタテインメント)
製作幹事・配給・宣伝:クロックワークス
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
Ⓒ2025 映画「悪い夏」製作委員会
公式サイト:waruinatsumovie.com
公式X:@waruinatsumovie
3月20日(木・祝)全国公開