直木賞受賞作、禁断の愛を描いた映画『私の男』が6月14日、ついに全国公開され、主演の浅野忠信と二階堂ふみ、共演の高良健吾、子役の山田望叶、熊切和嘉監督が、東京・新宿ピカデリーにて初日舞台挨拶を行った。
本作は、第138回直木賞受賞の桜庭一樹によるベストセラー小説を、熊切和嘉監督がメガホンをとり映画化。北海道・紋別の田舎町を舞台に、家庭を失った少女、花(二階堂)と、家庭を知らずにその少女の父となった男の禁断のラブストーリー。
40代でどのような役をやるべきか考えていたという浅野は、「イメージしていた通り当てはまる役だったので、とことんやりたいと思った。どんな世代でもやりきれるということがわかり、より集中して取り組むことを学びました」とし、40歳を迎え「楽になりましたね」と余裕の笑顔。
また、第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門に続き、第62回サン・セバスチャン国際映画祭、第19回釜山国際映画祭など、続々と出品が決定している本作。海外から“和製デ・ニーロ”と言われていることについて、「そんなふうに言ってもらえて光栄だね」と照れながらも、「ふみちゃんと強烈な時間を過ごさせてもらい、しっかり監督に切り取ってもらった。妥協なく作ったので絶対楽しんでもらえると思います」と胸を張って作品をPR。
一方、自ら選んだという振り袖姿で登場した二階堂は、「私にとって特別な作品。初日を迎えられて夢のような気持ちです」とニッコリ。「10代最後の作品になりましたが、これからも変わらず頑張っていきたいと思います」と決意を見せた。
二人をキャスティングした熊切監督は、「浅野さんは、原作を読んだときからイメージしていて、淳悟が抱える空虚感、孤独、切なさを今の浅野忠信で見たかったんです。二階堂さんに初めて会ったのは3年前。彼女を見た瞬間、“花”だと思った。原作よりも切実で強い花になりました」と語った。
共演の高良は、「撮影初日は病気かと思うくらい汗が出て緊張しました。みなさんとご一緒できて幸せでした」念願の熊切組に参加できたことを喜んでいた。
“花”の子供時代を演じた山田望叶ちゃんが登場すると、会場は一気に和やかな雰囲気に。「生まれて初めてのお仕事で、最初はカメラを向けられて正直恥ずかしかったけれど、みなさんと一緒に作っていくのが楽しくなっていったので、終わった時は寂しかったです」の可愛い言葉に、共演者たちも目尻を下げる。
さらに、映画の内容にちなみ「これがないと生きていけない、私の○○は?」の問いに、二階堂は、「ナチュラルローソンに売っているような“水”」。高良は、「酸素。久しぶりに地元の九州に帰ったら、空気が違うなと思いました」と。浅野は、「先輩ですね」と一言。実はこの日、林家ペー・パー子師匠が応援に駆けつけてくれたという。「肉まんを差し入れしてくださって、ノンストップで盛り上げてくれました(笑)。映画を理解してくれているかわからないけど、ステキな先輩です!」と明かし、会場を沸かせた。
『私の男』
世界四大映画祭【モスクワ映画祭コンペティション部門】出品決定!!
冬のオホーツク海、純白の“流氷”の上で起きた殺人事件。暗い北の海から逃げるように出て行く父と娘は互いに深い喪失と、ふたりだけの濃厚な秘密を抱えていた…。
10歳で孤児となった少女・花は、遠縁にあたる青年・淳悟に引き取られる。孤独なふたりは、北海道紋別の田舎町で寄り添うように生活を送っていた…。理屈を超えた禁断の愛のかたち。文壇を揺るがせた濃密で美しいエロス。オホーツク海の流氷が魅せる一大スペクタクル。刺激的なテーマと極限的な舞台設定から、映像化不可能と言われた桜庭一樹による50万部超のベストセラー小説「私の男」。第138回直木賞を受賞した本作の映画化が、遂に実現!「禁断のラブストーリー」にして、流氷の上での殺人事件を発端とする映画的スリルと興奮に満ちた「至高のサスペンス」に、心を激しく揺さぶられる!
監督:熊切和嘉
原作:「私の男」(桜庭一樹/文春文庫刊)
出演:浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤 竜也
配給:日活
(C)2014「私の男」製作委員会
R15+
公式サイト: http://watashi-no-otoko.com/
新宿ピカデリーほか全国公開中!