映画『わたし達はおとな』の公開記念舞台挨拶が、東京・新宿武蔵野館にて行われ、主演の木竜麻生と、藤原季節、桜田通と加藤拓也監督が登壇した。
20代の等身大の恋愛の危うさと歯がゆさ、葛藤をリアリティ溢れる描写で描いた本作は、「平成物語」(フジテレビ系)、「俺のスカート、どこ行った?」(2019年/日本テレビ)などテレビドラマの脚本のほか、「劇団た組」を主宰する演出家・脚本家、加藤拓也のオリジナル脚本による監督デビュー作。
大学生の優実を木竜麻生)、優実の恋人で演劇サークルに所属する直哉を藤原季節が演じ、さらに、菅野莉央、清水くるみ、 森田想、桜田通、山崎紘菜ら、加藤監督が信頼する若手俳優陣が集い、次世代の日本映画界を担う若き才能が集結した。
8年ぶりに同じ劇場で舞台挨拶に立つという藤原と桜田。優実の元彼氏で今もなお優実に思いを寄せる大学の同級生・将人を演じた桜田は「ここに来るのが8年ぶりではないのですが、同じ作品で一緒に立つことができました。嬉しいですね」と共演を喜んだ。
本作を制作するにあたり、加藤監督は「いつも演劇でやっていることを映画に落とし込んでいこうと考えていて、撮影に臨みました」と新たな体験を吐露。「演劇で舞台が転回するときに『次は何が来るのだろう』と観客の方が頭を働かせるところを取り込んでいきたかった。映画でも前のめりになって観ていただければ」とアピール。
また、それぞれの役が決まった時の感想やキャラクターの印象を問われると、木竜は「脚本が面白かったですね。優実は何かを飲み込みながら話をする子だなと思って見ていました」と分析し、「今まであまりやったことのないキャラクターでした」と振り返る。
藤原は「直哉は「ハハハー!」と笑ったあとにシリアスな言葉をぶち込んでくるので、そのあたりは好きだなという印象でした」と自身が演じたキャラクターに愛着も。
二人の男性に挟まれて役を演じた木竜だが、藤原、桜田それぞれとの共演について、「藤原さんは最後のシーンがとても印象に残っています」と明かし、「スタッフ、キャストの皆さんを含め、緊張感のなか凄く集中して撮ることができました。それが作品の中に残せていると思います」と述懐。桜田については「とても“陽”で接してくれて、いつも明るい色でした」と印象を語る。
すると、藤原が「あのシーンは木竜さんが一番大変だったんじゃないかなと思います。長回しで撮ったので途中で余計な邪魔が入ったりしないように、自分がセリフを間違えないようにと木竜さんの感情を損なわないように努力しました」と、木竜のメンタリティーを気遣った様子。「昨日の(映画を観た)感想で、僕は『歴史的クズ野郎』って書かれてたし、通は『ストーカー!』って。そんな二人に挟まれて、本当に頑張りましたね(笑)」と称え、会場の笑いを誘う場面も。
最後に桜田は「内容は少し重いかもしれませんが、その重さは現実にありそうな重さ。生きるってこういう感じだよな・・・と思いました。自分を見つめるきっかけになれば」と伝え、藤原は「歴史的クズ野郎とか、ストーカーだとか言っている人は、明日は我が身だぞと言っておきたいですね(笑)。僕は、自分は相手を傷つけるようなことを言っていないだろうかと、ヒヤヒヤしながら観ましたが、映画の見かたは人それぞれ。本当に自由に楽しんで観てください」とアピール。
木竜は「この映画が好きでもいいですし、嫌いでもいいですし、もう見たくないでも、また観たいでもいいと思います。何かが自分の中で思うことが生まれたら、残ることがあったらいいなと思います」とニッコリ。監督は「恋愛っていうのは今も昔もあまり変わらないのではないのかなと思います。この作品は共感するしないの物差しだけじゃない映画だと思うので、いろんな物差しで、自分にはなかった物差しでこの映画を観ていただければと思います」と声をかけ、舞台挨拶を締めくくった。
★“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第一弾公開作品!
本作は、『勝手にふるえてろ』(17/大九明子監督)、『寝ても覚めても』(18/濱口竜介監督)、『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)、『本気のしるし』(20/深田晃司監督)を手掛けてきたメ〜テレと、制作会社ダブ。本作は新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第一弾公開作品として制作された。
【あらすじ】
大学でデザインの勉強をしている優実(木竜麻生)には、演劇サークルに所属する直哉(藤原季節)という恋人がいるが、ある日、自分が妊娠していることに気付く。悩みながらも優実は直哉に妊娠とある事実を告白する。直哉は将来自分の劇団を持ちたいと願っていた。現実を受け入れようとすればするほどふたりの想いや考えはがすれ違っていく・・・。
木竜麻生 藤原季節
菅野莉央 清水くるみ 森田想 / 桜田通 山崎紘菜
片岡礼子 石田ひかり 佐戸井けん太
鈴木勝大 山脇辰哉 上村侑 中山求一郎 諫早幸作 伊藤風喜 鳥谷 宏之 平原テツ
監督・脚本:加藤拓也
音楽:谷川正憲
製作:狩野隆也 松岡雄浩 宇田川寧
製作幹事:メ~テレ
配給:ラビットハウス
宣伝:フィノー 製作プロダクション:ダブ
(not) HEROINE movies 第一回作品 メ~テレ60周年
©2022「わたし達はおとな」製作委員会
公式HP:https://notheroinemovies.com/
【(not) HEROINE moviesとは】
『勝手にふるえてろ』『寝ても覚めても』『愛がなんだ』『本気のしるし』を手掛けたメ〜テレと、制作会社ダブがタッグを組み、“へたくそだけど私らしく生きる”、等身大の女性のリアルをつむぐ映画シリーズであり、次世代を担う映画監督と俳優たちを組み合わせ、それぞれの感覚と才能を思う存分発揮できる場を生み出し、輩出するプロジェクト。
何ドンもされない。
胸キュンもしない。
恋とか愛とか生きるとか自意識とか、考えすぎてこんがらがって。
それでももがいて生きている“ヒロイン”になりきれない“ヒロイン”たちの物語。
新宿武蔵野館ほか全国公開中!