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金子大地インタビュー! 映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』 教官役なのに緊張でガチガチ!? 「黒木華さんのほうがリードしてくださって先生のようでした(笑)」

202108_『先生、私の隣に~』金子大地さん-(30)

黒木華・柄本佑がダブル主演を務める映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』。
2018年TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM の準グランプリを受賞した堀江貴大監督の作品を映画化。本作は結婚5年目を迎えた夫婦の間で夫に不倫疑惑が沸き起こり、妻が“不倫”をテーマに漫画を描いて夫を追い詰めていく・・・ウソとホンネが交錯する、漫画家夫婦の心理戦が描かれる。

主人公で人気漫画家の佐和子が通い始めた、自動車教習所の若い先生・新谷歩役を務めたのは、若手実力派俳優の金子大地。佐和子の不倫相手として夫婦に大きな影響を与えていく難しい役を演じた彼に話を聞いた。

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― まずは脚本を読んだときの感想を教えてください。また、今回は夫婦関係に入り込む難しい役だったと思いますが、演じられていかがでしたか?

脚本を読んだときは、不倫を題材にしている映画なのに、誰が見ても楽しめる作品だなと感じました。黒木華さんと柄本佑さんが夫婦役ということを照らし合わせ、お二人を想像しながら読んでみると、すごく面白い映画になるだろうなと思いました。僕は新谷という青年を演じましたが、監督から「現実なのか、佐和子の妄想なのかわからないように演じてほしい」と言われ、今まで演じた中でも一番自分とは遠い役だったので難しかったです。

― 役作りをするにあたって気を付けたことはありますか? あまりバックボーンが見えてはいけない役ですね。

そうなんです。「本当に漫画から出てきたような好青年を演じてください」と言われたんですが、自分にはそんなところが全くないので苦労しました。年下だけどスマートにリードして爽やかに立ち振る舞うというような・・・。それでいていわゆるキラキラした青年かと言われたら、それも違う。監督が寄り添って一緒に考えてくださったので、相談しながら作り上げていきました。とにかく難しかったです。

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― 爽やかな青年を演じるにあたり、何か参考にしたものはありましたか?

それは結局まねごとになってしまうと思ったのでできなかったです。自分の中にある邪念のような悪いものを全部とっぱらって、とにかく純粋でまっすぐ。寄り添えたらいいなと思って演じました。

― 映画をご覧になる女性をキュンキュンさせる役でもあると思いますが、そのあたりは意識されましたか?

果たしてあれで女性をキュンキュンさせられるのかはわかりませんが(笑)。ミステリアス過ぎて、客観的に見て好印象を与えられてはいるのかな・・・と。それこそ黒木さん演じる佐和子もミステリアスなので、ミステリーな二人の関係ですよね。現実に教習中でああいうことが行われてるのか?と思ってしまうところも含めてミステリーな映画だと思います。

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― 爽やかさを出すために監督から具体的な演出指示などはありましたか?

とにかく優しく柔らかい感じで演じてほしいと言われました。でもそれが逆にミステリアスに繋がっているのかなと思いました。人ってちょっと雑なところが出たりしますよね。新谷はそこが全くないんです。あとは佐和子と2人だけでなく、佐和子の実家に行ったときの新谷がどうしているのかも気になると思いますが、そこも「どっち?(不倫しているのかしていないのか?)」と感じるくらい、そんなことなかったですよという佇まいでいるので、そこは意識して演じました。

― 教習所の教官ということで特に役作りはされましたか?

まずちゃんと運転できる人に見えるのかが不安でした。あとは僕が全く使わない話し方なので難しかったですが、そこは意識しました。

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― 普段、車の運転はされますか? 教習所に通っていたころを思い出したりしました?

車の運転はたまにします。先生と言えるほどではないですが(笑)。教官はどんなふうに話していたかなと、教習所に通っていたころを思い出しながら演じましたが、あんな教習所の先生はいないと思いますし、あんなに丁寧に教えていたらたぶん毎日疲れるだろうなと思います(笑)。でも、佐和子さんが一目見たときから想いを寄せた人物なので、言葉遣いや佐和子に対する接し方は役作りとして考えました。

― あの車の中のシチュエーションが実際にあったら男女関係に発展すると思いますか?

発展すると思います。普通は意識しないと思いますが、2人きりで結構近い距離ですし、2人だけの空間という意味では、一度意識してしまったらあり得るかも。それがどちらも同じ考えだったらそういう関係にもなるのかもしれないですよね。 改めて想像するとちょっといやらしいですね(笑)。

― それに教官がイケメンだったらたまりません(笑)。そして新谷先生は胸キュンなセリフも言っていて。

けっこう言わせていただきました(笑)。あんなセリフ、自分ではなかなか言えないので、ぎこちなかったと思います。あのセリフにも苦労しました。

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― それでも相手が黒木華さんなので、感情は入りやすかったと思いますが、黒木さんと共演されていかがでしたか?

本当に素敵でした。2人の芝居でもあり、運転しながら演じないといけないので、僕が少し緊張していたんです。でも黒木さんが緊張させない雰囲気を作ってくださって、気さくに自然に接してくださったので、すごくやりやすかったです。佐和子という役がとてもハマっていました。

― ご一緒されて得るものはありましたか?

たくさんあります。常に落ち着いているというか、ずっと平常心でいらっしゃって、休憩中に好きな漫画やアニメとか、他愛もないお話をしていました。本当は僕がフラットに接してガチガチの(佐和子役の)黒木さんをアドバイスしなければいけなかったんですけど、実際はまったく逆でしたね。ガチガチの僕がいて、お姉さんのようにリードしてもらいました。僕の方が先生と呼びたかったくらいです(笑)。

― 他にも豪華な俳優さんが揃いました。

以前から画面越しで見ていた方々なのでご一緒できることを楽しみにしていましたが、どんな感じになるんだろうと少し緊張もしていました。でも、皆さん気さくな方ばかりで、黒木さんと2人だけのシーンよりも、ちょっと力を抜いて演じることができて、本当にいい現場でした。それはたぶんスタッフさんも含め、堀江監督も柔らかい方だからそういう空気になったのではないかと思います。

― 新谷先生が教官の制服ではなく、プライベートで佐和子と会うときの私服がとても可愛くて、そのギャップにキュンとしてしまいます。

新谷先生はプライベートだとものすごく少年ですよね(笑)。ファッションには少し疎くて。衣装合わせのときに、ここまで邪念がないのかと思いました(笑)。

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― ところで、金子さんが印象に残っているシーンはありますか?

みんなが揃うシーンが印象的でした。テーブルを囲むシーンでは僕の隣に風吹(ジュン)さんが座っていたのですが、風吹さん演じる佐和子のお母さんは、おそらくだいたい(状況を)把握しているのに、凄く僕に優しいんです。みんなが佐和子に寄り添っているんだなと思うと、僕も緊張もほぐれていきました。食べ物も取ってくれたりして、とにかくものすごく優しいお母さんです。

― 佐和子は新谷先生に一目ぼれしていますが、新谷先生も佐和子に惹かれるものがあったから二人の関係ができてきたと思います。佐和子に惹かれる瞬間はどんなところだったと考えますか?

きっと最初に出会ったときに、佐和子が新谷に感じたものを、たぶん新谷も感じていたんだと思いました。

― 最初からとても優しい言葉をかけていますが、それは新谷先生のほうも佐和子に好意をもっていたからだと思いますか?

好意を持ってあのセリフを言うと凄くいやらしいですよね。恋愛経験豊富な男が女性を落としにかかっているように見られたくないなと思いつつも、どこから気になっていたのかと聞かれたら、やっぱり最初からだったのではないかと思います。(佐和子が)可愛かったので。たぶんあのときに恋に落ちているのではないかと思って演じていました。

― 新谷さんは佐和子が人妻だと分かっていて恋に落ちたのでしょうか?

そうですね、これ言うと新谷の印象が悪くなると思うんですけど・・・、ちょっと隙があったのではないかと思います。佐和子に(笑)。人妻なので、普通はなかなか行けないですよね。
なんだかこうやって話しているうちに、だんだん新谷像が見えてきました (笑)。

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― とてもいい現場だったようですが、カメラが回っていないときのエピソードがあったら教えてください。

僕は、スタッフさんや黒木さんから“王子”と呼ばれていじられていて、佑さんは“殿”って呼ばれていました。最初から佑さんも僕のことを王子って呼んで、僕も佑さんのことを殿と呼んでいたんですが、途中から“佑さん”と呼ぶようになりました(笑)。
佑さんは色んなことに偏見がなくて真直ぐで純粋な方。その上、色々な経験を積んでいらっしゃるので人間としても役者としても深みがあるんです。それでいていつもフラットでいるので、僕もこういう人になりたいなと思います。大好きになりました。

突然「金子くんさぁ、TikTok見る? 俺、最近めちゃくちゃ見ちゃってさあ、止まらなくて寝れないのよ」って。まさか、柄本佑さんという俳優からTikTokという言葉が出るとは思わなくて。さっきも「ずっとK-POPにハマっててさ」って言っていて。凄く素敵で、話をしていて楽しいです。

― では、最後にこれから本作をご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。

堀江監督のオリジナル脚本でとても素敵な作品です。黒木さんと佑さんの夫婦の関係性も面白くて、そこに僕が謎の教習所の先生として出てきます。どういう人なのか、はっきりわかる佑さんがいて、どういう人かよくわからない僕という構造は結構おもしろいものになったんじゃないかなと。それが観ている方にもちゃんと伝わっていたら嬉しいです。不倫をテーマにしていますが、ドロドロした感じがなくポップで、どの年代の方にも楽しんでいただけると思います。最後までどうなるかわからないエンターテイメントになっています。多くの方に観ていただけたら嬉しいです。

【金子大地 Daichi kaneko】
1996年9月26日生まれ、北海道出身。「アミューズオーディションフェス2014」にて俳優・モデル部門を受賞しデビュー。2018年、ドラマ「おっさんずラブ」(EX)で注目を集め、翌年ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK)にてドラマ初主演を果たし、第 16 回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 新人賞を受賞。舞台『彩の国シェイクスピア・シリーズ第35弾「ヘンリー八世」』で活躍の場を広げ、映画『殺さない彼と死なない彼女』(19/小林啓一監督)、『君が世界のはじまり』(20/ふくだももこ監督)J他に出演。今年は『バイプレイヤーズ もしも 100人の名脇役が映画を作ったら』(21/松居大吾監督)、W主演映画『猿楽町で会いましょう』(21/児山隆監督)、『サマーフィルムにのって』(20/松本壮史監督)など話題作に多く出演している。『私はいったい、何と闘っているのか』が12月に公開待機中。

オフィシャルサイト:https://artist.amuse.co.jp/artist/kaneko_daichi/
オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/daichikaneko_official/

撮影:ナカムラヨシノーブ

ポスタービジュアル

映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
【ストーリー】
結婚5年目の夏。夫が不倫をした。それはよくある夫婦の出来事、のはずだった・・・
漫画家・佐和子の新作漫画のテーマは・・・「不倫」
そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、佐和子の担当編集者・千佳と不倫をしていた俊夫は、「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生との淡い恋へ急展開。
この漫画は、完全な創作?ただの妄想?それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!?恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく・・・
爽快?嫉妬?絶句!?みる人の数だけ答えがある!夫婦の数だけ、【事件】がある!

出演:黒木華 柄本佑/金子大地 奈緒/風吹ジュン
脚本・監督:堀江貴大
劇中漫画:アラタアキ 鳥飼茜
主題歌:「プラスティック・ラブ」performed by eill
製作:「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018 準グランプリ受賞作品
©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会
公式サイト:https://www.phantom-film.com/watatona/
公式Twitter・Instagram:@watatona_2021

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