WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム2』の完成報告会が、2月2日、東京国際フォーラムにて行われ、各作品の監督を務めた青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子が登壇した。
WOWOWが開局30周年を記念して行ったプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』は、予算・撮影日数など同条件で5人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを制作し、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)のグランプリ:ジョージ・ルーカス アワードを目指すというもの。
第二弾の実施となる『アクターズ・ショート・フィルム2』では、青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子の豪華俳優陣5名が監督を務め、各作品の主演には、青柳翔監督作に村上虹郎、玉城ティナ監督作に琉花と奥平大兼(W主演)、千葉雄大監督作は千葉雄大自ら主演も務め、伊藤沙莉とW主演、そして永山瑛太監督作に役所広司、前田敦子監督作に柳英里紗と三浦貴大(W主演)と多彩な俳優陣が集結した。
全員、スタイリッシュな黒の衣装で登場した監督たち。今回、ゼロから映画制作に携わることとなったが、青柳は「観る人によって解釈が変わる作品にしたいと思っていました。観客の皆さんの反応が凄く気になります」とコメント。
MCから「『監督のルールブック』を読んで臨んだとか?」と聞かれると、「はい。代官山のTUTAYAに売ってました(笑)。“役者には端的に伝える”とか、“人によって言い方を変える”と書いてあって、参考になりましたね」と言いつつ、「村上虹郎くんには出ていただいて本当に感謝しています。キャストの皆さんに助けられました」とスタッフ、キャスト一同が協力しあった現場を振り返る。
玉城は「初めてのことが多く、とても勉強になりました」と挨拶。主人公がモデルのような表に出る女性という設定に、玉城自身を投影しているようにも見えるが、「自分が経験したり、想像できることをテーマにしたいと思っていました。自分も言われたことがある言葉も出てきますし、私をリンクさせて観る方もいるかもしれません。どのように受け取っていただいても」と話す。また、10代の頃から書き溜めてきた中で、最初に構想していた作品は長編向きだったので、短編向きのものを選んだという。「チャンスがあれば長編作品も」と意欲を見せる場面も。
脚本、監督、主演の3役をこなした千葉は「観た方のお土産になるような作品になれば」と作品への想いを口にしつつ、「演じながらカットをかけるのは大変でしたが、僕の変わりに伊藤沙莉さんがカットをかけてくれたりして、助けられながらやりました」と感謝。作品は「喋りやすいようなテンポ感や言葉の互換みたいなものを意識して、現場では臨機応変に臨みました」と説明した。
永山は「客観的に観ても魅力的な作品です」と自信をのぞかせ、「「とにかく、役所広司さんで撮ってみたいと思っていた。そのことをプロデューサーさんに話したら『厳しいですね』と言われたので、ダメだったら降りてもいいつもりで、自分から直接役所さんにオファーしました」と、熱意を見せる。
第1弾の『アクターズ・ショート・フィルム』では森山未來監督のもと、俳優として出演したが、「その時から『来年もやるんでしょ?』と、少しずつジャブを送っていたんです(笑)」と、当時から監督の座を狙っていたようで、今回念願の監督デビューとなった。
前田は「アップで始まり、アップで終わることを考えていていました」と作品の構想を伝え、「キャストには一語一句全て覚えて欲しいとお願いしました。膨大な量の会話なので大変だったと思いますが、完璧に覚えてきてくれて、何よりも楽しみながら撮影に挑んでくれた二人の姿が嬉しかったですね」と柳英里紗と三浦貴大を称え、「泣きながら始まって、最後は笑い声で終わったので、イメージ通りのものが形になりました」と大満足の様子。
さらに、他の作品を観た感想を披露するコーナーも。永山が「青柳さんの作品は今まで見たことのない冒頭でした。村上くんへの演出も興味が湧きました」と話始めると、続けて「玉城さんは長いセリフに聡明さを感じた。千葉さんは伊藤沙莉さんとのやり取りが本当に可愛くて、凄く感極まるシーンがあって僕はどうしたらいいか分からなくなってしまった。前田さんは、あの膨大なセリフ量で、柳さんを演出して、本人は(気持ちが)150%くらいまで入っていたと思う。前田敦子さんて本当にサディスティックな方だなと思いました」と全員の感想を話し始める。
すると、続く青柳、玉城も全員の作品の感想を話し、予定の時間をオーバーしそうになるハプニングも。
また、「楽しかったことや大変だったことは?」と問われると、千葉は「美術の打ち合わせが本当に大変でした」とし、前田は「こだわることが楽しかった」と、これまで経験したことのない、苦労と喜びに感激しきり。充実感を漂わせていた。
【各作品あらすじ】
■『いくえにも。』 監督:青柳翔 脚本:山咲藍 主演:村上虹郎
線路脇にポツンと設置された電話ボックス。そのかたわらを通り過ぎた修平(村上虹郎)は、とぼとぼと家に帰って行く。家には父(奥田洋平)と母(平岩紙)、妹(見上愛)が待っていて、週に一度の家族団欒でテーブルを囲もうとしていた。そこに、隣に引っ越してきた奇妙な夫婦が挨拶に訪れる。犬を抱いた妻(黒沢あすか)はリビングに上がり込み、一家団欒を掻き回すような言動をしはじめるのだが…。
■『物語』 監督・脚本:玉城ティナ 主演:琉花・奥平大兼
高層ビルに囲まれた都会の雑踏をひとり音楽を聴きながら歩いている少女(琉花)が、向かった先は、なにもない真っ白な部屋
。その部屋には、ものいわぬ美少年(奥平大兼)が、ひとりベッドに横たわっている。そのベッドのかたわらで、少女は少年に向かって自分の装わない気持ちを問わず語りに語り出す。二人のスリリングな関係の行方は…。
■『あんた』 監督・脚本:千葉雄大 主演:伊藤沙莉・千葉雄大
「あたしはいつでもあんたの味方だからね」筆を走らせるスナックの雇われママの男(沖田修一)が思いを馳せるのは、キャンプを楽しむ女(伊藤沙莉)と男(千葉雄大)。恋人でもなく、友人というには軽すぎ、でも家族にはなれない。近くにいるのに遠く感じる。ひとりでも平気だと思っていたはずなのに込み上げる寂しさ。一生続くはずだった関係は、男の一言によって徐々に歪が生まれていき…2人の先にあるものとはー。
■『ありがとう』 監督・脚本:永山瑛太 主演:役所広司
家族と離れ、死に場所を求めてひとり彷徨うおとこ(役所広司)。癒してくれるはずのマッサージ嬢(橋本マナミ)からも逃げ出し、路上で盗んだ車で奥深い山へとはいっていく。車を乗り捨て、さらに森の奥へ歩み入るおとこは、そこで奇妙な若者に出会う。
■『理解される体力』 監督:前田敦子 脚本:根本宗子 主演:柳英里紗・三浦貴大
小さな喫茶店の店中に響き渡る大声で泣くキエ(柳英里紗)と、やさしくそれを受け止めるユミ(三浦貴大)。キエは貪るように巨大なパフェをたべ、貪るように涙を流して子どもみたいに大声で泣いている。どうやら旦那に浮気されたらしいキエは、とどまることのない怒りと涙と食欲の激流に押し流されている。喫茶店の店長(野間口徹)は、キエが大声で泣いているその理由を想像してキエにつたえるのだが…。
『アクターズ・ショート・フィルム2』
2月6日(日)午後5:00 WOWOWで放送・配信
監督:青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子(※五十音順)
主演:村上虹郎、琉花・奥平大兼、伊藤沙莉・千葉雄大、役所広司、柳英里紗・三浦貴大(※監督の五十音順)
チーフプロデューサー:射場好昭
コンテンツ戦略:仁藤慶彦
プロデューサー:小室秀一、宮田幸太郎、和田圭介
制作プロダクション:スタジオブルー
製作著作:WOWOW
番組オフィシャルサイト:https://www.wowow.co.jp/movie/asf/
番組公式Twitter:https://twitter.com/asf_wowow
番組公式インスタグラム:https://www.instagram.com/asf_wowow/
▶密着ドキュメンタリーや関連番組も続々放送決定!
『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 短編映画傑作選 2』
2月2日(水)~4日(金)午後3:30 WOWOWで放送・配信
『完全密着!俳優が監督になる瞬間 アクターズ・ショート・フィルム2を紐解く』
2月5日(土)午後0:00 WOWOWで放送・配信
『アクターズ・ショート・フィルム2 ドキュメンタリー』
3月6日(日)午前0:00 WOWOWで放送・配信
『アクターズ・ショート・フィルム2』
2022年 2月6日(日)午後5:00 WOWOWで放送・配信
番組詳細はコチラ:https://www.wowow.co.jp/movie/asf/