高良健吾、玉木宏、土屋太鳳、中川大志、野村萬斎
5人の人気俳優がショートフィルムの監督に挑戦!
『アクターズ・ショート・フィルム3』
特別上映&監督登壇イベントレポート
WOWOWが開局30周年を記念して 2021 年に始まったプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』。予算・撮影日数など同条件で 5 人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを制作。世界から6,000 本超のショートフィルムが集まる米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)のグランプリ:ジョージ・ルーカス アワードを目指すというもの。
多くの反響を受け制作された今回の第三弾『アクターズ・ショート・フィルム3』では、高良健吾、玉木宏、土屋太鳳、中川大志、野村萬斎と錚々たる豪華俳優陣 5 名が監督を務め、 高良健吾監督作に中島歩と染谷将太、玉木宏監督作に林遣都、土屋太鳳監督作は土屋太鳳自ら主演も務め、有村架純と W 主演を担った。そして、中川大志監督作に井之脇海・板垣瑞生・林裕太、野村萬斎監督作に窪田正孝と、実力派の豪華キャストが集結。
2月12日のWOWOWでの放送を経て、2月18日に玉木宏監督作「COUNT 100」の劇場での特別上映&監督登壇イベントを実施した。ユナイテッド・シネマ豊洲(東京・豊洲)でリアル登壇舞台挨拶が行われ、シネマ・ジャック&ベティ(神奈川)、センチュリーシネマ(愛知)、出町座(京都)、第七藝術劇場(大阪)でリモート登壇による舞台挨拶を行った。ユナイテッド・シネマ豊洲では、『COUNT 100』で監督・脚本を務めた玉木宏とプロデューサーの宮田幸太郎氏が登壇した。
<舞台挨拶レポート>
2月18日、『アクターズ・ショート・フィルム3』の舞台挨拶が東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われた。上映後の舞台挨拶に、「COUNT 100」の監督を務めた玉木宏とプロデューサーの宮田幸太郎が登場。「土曜日のお忙しい時間にお越しいただきましてありがとうございます。短い時間ですが楽しんで帰ってください」と挨拶をし、「アクターズ・ショート・フィルムの 1 回目と 2 回目は普通に視聴者として見ましたが、2 回目の時に監督をしていた瑛太くんに『どうにかできないかな』と話をして、瑛太くんから伝えてもらいました」と、今回初監督に挑戦した経緯を説明。
実際に監督ができると決まった後は、「『脚本はどうしますか?』『主演はどうしますか?』という話になり、脚本は『できれば自分で書きたいです』と伝えて、自分で書くことにしました。準備も含めて時間がありましたし、大変さもそれなりに分かりましたし、やっぱりすごく良い時間だったなって思いますね」と初監督作に満足している様子がうかがえた。
近くで見ていた宮田プロデューサーは「監督が俳優やスタッフに伝える言葉が明確で、短編フィルムを撮るのが初めてとは思えないくらい堂々とされていました」と評すると、「そう言っていただけると嬉しいなと思いますけど、内心、不安だらけでした(笑)。僕の頭の中にあることを形にしようと皆さんが動いてくれていたので、聞かれたことはすぐに答えられるようにしたいとは思っていました」と現場で気を付けていたことを明かした。
今回の撮影を通じて意識したことについては、「“自己離脱”というサブタイトルを付けていますが、“自己肯定”とか“自己否定”とか、“自己”が付く言葉はいっぱいあります。結局は、己との向き合い方でどんどん今ある形が変化していってしまうものだと思うんです。なので、ちゃんと向き合うことを忘れずにいてほしいなと思いました。スポーツ選手の現役での生涯って短いと言ってはあれですが、己と向き合いながらプレッシャーをものすごく感じているだろうし、究極の場所にいる人たちだと思うんです。自分がボクシングを経験してきたこともあって、そういう例えになれば良いなと思って、今回はボクシングを題材に選びました」と、作品の中に込めたメッセージ、テーマについて熱く語った。
後半は観客からの質問に答えるコーナーも設けられていた。「今回の作品の出来栄えは 100 点満点中何点ですか?」という質問には「100 点だと思いますね」と答え、「自分の力だけではなくて、いろんな人の力をお借りしてこの作品が出来上がったと思います。そして何より、主演してくれた林遣都くんが僕が頭で想像していることよりも素晴らしいお芝居を目の前で見せてくれたのがすごく大きかったです。撮影期間、みんなが 100%の力を出し切ってくれたと思うので、その時に出来る全力でやったから 100 点です。2 回目があるとすれば、さらに高いレベルの 100 点を出したいなと思います」と、製作チームと主演の林遣都へを讃えた。
「監督としてこだわったところは?」という質問には、「プロデューサーや周りのスタッフから指摘されて気付いたところもあったりしました。それで『そこはもうちょっとちゃんと描いた方がいいんだな』と思ったりしました。あと、クローンの光輝がブラジャーを投げるシーンがあるんですけど、“彼女を乗っ取られてしまうかもしれない”という強いシーンでもあるので、それを本物の光輝に当てつけるようなシーンになればいいなと思っていました。絵コンテを描いて説明したりとか、結構計算し尽くして撮影したシーンなのでこだわりがあります」と明かした。
「監督をして一番楽しいと感じた瞬間は?」という質問には「撮影している時間全てが楽しくて、いくらでも撮ってられるなって思いました」と全てだと答えた。そして「今回、監督をやったことを今後どう活かしたいですか?」という質問には、「現場を作るのがどれだけ大変かを痛感しました。何もないところにネットカフェを作ってもらったり、アパートの窓の格子にブラジャーが引っかかるんですけど、またブラの話をしてしまいますが(笑)、絵コンテでそれを描いていたので、実際にロケハンしたアパートには格子がなかったんですけど、それも作ってもらったんです。無いものをその場で作ってもらったので感謝しかなくて。だから、実際に僕が撮影に参加する時も、これだけたくさんの方が動いて準備をしてくださってたんだなって思うと有り難みを感じて、現場にいる人により優しくなれそうな気がします」とスタッフへの感謝の気持ちがさらに大きくなったという。
「写真を撮られる玉木さんですが、こだわったカメラワーク、構図はありますか?」という質問には、林遣都の顔が大写しになっているポスターを例に挙げ、「暗い中で何かを映すってすごく難しいんです。光と影は表裏一体で、同じ場所にあるけど正反対だったりするので、それをうまく表現できればいいなと。このポスターに関しても、『僕が撮ってもいいですか?』って相談して、僕が撮らせてもらいました。光と影になっていて、明るい方は強い感じでクローンの光輝を表していて、もう半分の影が本来の光輝で、消え掛かっているのを表現しました」と説明。宮田プロデューサーも「結果、すごくいい写真になったと思います」と絶賛すると、会場から大きな拍手が起こった。
「主演に林遣都さんを起用した理由は?」という質問には、「ボクシングに関する作品に何作か出ていましたし、今も継続してボクシングをやっているというのを、大島(優子)さんから聞いて、『これは遣都くんにお願いしたい』と思いました。端正な顔立ちがロボットっぽい無機質な感じもあるし、ピッタリだなって」と理由を説明して、「萩原聖人さんが共通の先輩なんですけど、萩原さんに『遣都くんの番号ってこれで合ってますか?』って連絡をして(笑)、番号が変わってないということだったので」と自ら出演を依頼したと明かした。
「監督作品に俳優として出演することの苦労は?」という質問には、「僕は本当は出たくなかったんです。でも、監督も出演するというのが条件の一つになっていたので、隣人ぐらいの分量ならいけるかなって。でも自分で“スタート”を言いながら“カット”をかけるのってめちゃめちゃ忙しいですね。今回、土屋太鳳さんが監督と主演をされてますけど、僕は無理だと思いました(笑)」と両立の難しさを語った。
宮田プロデューサーが「日本では年間 1200 本の映画が公開されるんですけど、その中の 1 本に選んでいただいて本当に嬉しく思っています」と感謝の気持ちを伝えたが、その後、玉木が観客へのメッセージを求められ「日本には年間 1200本の映画が公開されるんですけど、その中の 1 本に選んでいただいて本当に嬉しく思っています(笑)」と被せるお茶目さに観客が爆笑。改めて「ショートフィルムをいい座組 の中で監督をやらせてもらったのは僕にとって財産になる時間でした。まさか普通の劇場でこういう時間が設けられるとは思ってなかったので、これだけたくさんの方に会うのは久しぶりな感じがしないでもないんですが(笑)、すごく感動しています。監督と言われることには今も慣れ ることはないですし、今後やるのかどうかも分かりませんが、貴重な経験をさせていただいて勉強になりました。本日はありがとうございました」 というメッセージを伝えて舞台挨拶を締めくくった。
玉木宏監督の「COUNT 100」を含む「アクターズ・ショート・フィルム3」は WOWOW オンデマンドで配信中。また3月4日(土)午後9時30分から1年間の監督挑戦に密着した「アクターズ・ショート・フィルム3 ザ・ドキュメンタリー」が放送される。
タイトル:「アクターズ・ショート・フィルム3」
『CRANK-クランク-』監督/脚本:高良健吾 出演:中島歩 染谷将太
『COUNT 100』 監督/脚本:玉木宏 出演:林遣都
『Prelude ~プレリュード~』 監督/脚本:土屋太鳳 出演:土屋太鳳 有村架純
『いつまで』 監督:中川大志 脚本:増田嵩虎 出演:井之脇海 板垣瑞生 林裕太
『虎の洞窟』 監督/脚本:野村萬斎 出演:窪田正孝
チーフプロデューサー:射場好昭
コンテンツ戦略:仁藤慶彦
プロデューサー:小室秀一 宮田幸太郎 和田圭介
制作担当:谷村龍
割作プロダクション:スタジオブルー
製作著作:WOWOW
クレジット:(C)WOWOW
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『アクターズ・ショート・フィルム3』
特別上映&監督登壇イベント
18日(土)・19日(日)・23日(祝・木)実施