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升毅、公開迎え男泣き!中村優一は「升さんのような男になりたい!」 映画『八重子のハミング』初日舞台挨拶

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映画『八重子のハミング』初日舞台挨拶が、5月6日、東京・有楽町スバル座にて行われ、主演の升毅をはじめ、共演の高橋洋子、文音、中村優一、安倍萌生、梅沢富美男と佐々部清監督が登壇した。

本作は、山口県萩市を舞台に、石崎誠吾が若年認知症を患った妻・八重子を介護した12年間を通して、夫婦の純愛と家族の愛情を描く実話をもとにした物語。主人公・誠吾役を芸能生活42年にして初の映画主演を果たした升が務め、八重子役を28年ぶりの映画復活となる高橋が演じた。

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昨年山口県にて先行公開し、2万5000人以上の動員を記録。満を持して公開初日を迎え、升は「監督の作品への思い、並々ならぬ決意を伺い、出演オファーをいただき二つ返事でお受けしました。主演は身に余る光栄なこと。しかし、本作は実話ですし、こんなに壮絶で切なく悲しい、苦しい主人公を演じられるのかと正直不安でした。これまでは作品の役作りをしたから(撮影に)臨んでいたのですが、今回は“演じる”ということに抵抗があり、その準備ができなかった。何も準備せず、そのまま撮影に入ったのですが、物語が自然に流れていき不思議な現場で撮影することができました。自分は客観的というか、他人ごとのように映画を観てしまいました」と振り返りつつ、「そんな経験をさせていただき・・・共演者のみなさんとここまで来ることができ、今日、劇場に来ていただいたお客さんがいて・・・こんなご褒美はないです」と、万感の思いで胸を詰まらせ涙声になりながらも、感謝の気持ちを伝えると、会場は温かい拍手で包まれた。

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佐々部監督は、「8年前に脚本を書いてから撮影まで、長い道のりを経て上映となり、やっと東京公開となりました。席が埋まるのか心配していましたが、満席で迎えていただいて、プロデューサーの立場でも本当に嬉しい。ありがとうございます」と感激しきり。

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久しぶりに映画のオファーを受けた高橋は、「最初は誰かのお母さん役かな?と思ったんです(笑)。でも、監督からお話をお聞きしたら、中高年で、しかも認知症。もちろん経験ないですし重たくて・・・」と、役作りに悩んだ様子。それでも「ふと、田中絹代さんを思い出し『あなたも(こういう役の)お年頃よ、やってごらんなさい』と言われた気がして、お引き受けました。実際の撮影は苦しみました。最初の3日間でかなり落ち込みましたが1週間過ぎた頃には、八重子さんが降りてきた気がして自然に演じることができました」とエピソードを披露し、微笑んだ。

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10年ぶりの佐々部組の参加となった長女・千鶴子役の文音は「『佐々部監督の作品だったらぜひやります!』とお受けしました。監督は演技に入る前にやさしい一言をかけてくれるんです。それを佐々部監督の『魔法の言葉』と呼んでいます」と、喜びを隠せない。

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千鶴子の夫・英二役を演じた中村は「僕も佐々部監督の大ファンですし、ベテラン俳優のみなさんとこの作品に出られて幸せでした。でも、僕の撮影は1日だけだったので、もう少し携わりたかったです・・・(笑)」と話すと、「君のスケジュールが1日しかなかったんだよね」と監督。恐縮し苦笑いする中村だったが「撮影の前日には、升さんが『家族で揃ったから食事に行こう』と誘ってくれたり、方言を教えてくださって。『舞台があるときは言ってよ』とか、すごく優しくて。俳優としても尊敬していましたが、本当にこういう男になれたらいいなと思いました」と、升に羨望の眼差しを向けていた。

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次女・百合子役の安倍は、佐々部監督の『種まく旅人 夢のつぎ木』で映画デビュー。「佐々部監督とは2回目でしたが、今作は私の出身の山口で撮影もあり、家族(役)のみなさんとお食事もできてとてもいい時間を過ごすことができました」としみじみ。

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「俺は食事に行かなかったけどね・・・」とちょっぴり拗ねてみせた梅沢は、医師・榎木役を熱演。「医者の役というので、産婦人科だと思ったら外科だった・・・」と笑いを誘いつつ、「こう見えても映画は3本目で新人のようなもの。昔は映画俳優になりたくて、オーディション受けたら顔見ただけでいらないと。そのあと売れたんだけどね、その後も映画のオファーは1本も来なかった。もういいやと思っていたら、佐々部監督が『ツレがうつになりまして。』で声をかけてくれた。また撮ると聞いたので、こちらから逆オファーしましたよ。ギャラも決めずに」と、佐々部監督への熱い愛(?)を述べ、会場を沸かせた。

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また、5月11日に64歳の誕生日を迎える高橋に、登壇者と観客からハッピーバースディの歌のプレゼントと、監督から花束の贈呈が。さらに、升から作品に合わせて自作の短歌が贈られた。
「手を添えて 歩く藍場の懐かしさ 八重子思えど 洋子の温もり」と詠んだ升。高橋が嬉しそうに手をつなぎ、劇中さながらの二人を装うと、俳句を得意とする梅沢も「当事者でしかわからない、升さんにしか作れない歌です」と絶賛だった。

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映画『八重子のハミング』
<あらすじ>
「四十年よとせ過ぎ 妻と歩めし 瀬戸の人生みち うず潮の道 今ぞなつかし」
どこからか聞こえてくる男性の声…。「やさしさの心って何?」と題された講演。 演台に立つ、白髪の老人・石崎誠吾。若年認知症を患った妻・八重子の介護を通して、自らが経験したこと、感じたことを語っていく。「妻を介護したのは12年間です。その12年間は、ただただ妻が記憶をなくしていく時間やからちょっと辛かったですいねぇ。でもある時こう思うたんです。妻は時間を掛けてゆっくりと僕にお別れをしよるんやと。やったら僕も妻が記憶を無くしていくことを、しっかりと僕の思い出にしようかと…。」誠吾の口から、在りし日の妻・八重子との思い出が語られる。かつて音楽の教師だった八重子は、徐々に記憶を無くしつつも、誠吾が歌を口ずさめば笑顔を取り戻すことも…。家族の協力のもと、夫婦の思い出をしっかりと力強く歩んでいく誠吾と八重子。山口県・萩市を舞台に描く、夫婦の純愛と家族の愛情に溢れた12年間の物語。

出演:升 毅 高橋洋子/文音 中村優一 安倍萌生 辻 伊吹 二宮慶多 上月左知子 月影 瞳 朝加真由美 井上 順 梅沢富美男
監督・脚本:佐々部 清
原作:陽 信孝「八重子のハミング」(小学館)
エンディング曲:谷村新司「いい日旅立ち」(avex io/DAO)劇中曲:谷村新司「昴」(avex io/DAO)
プロデューサー:佐々部 清、野村展代、西村祐一
製作:Team『八重子のハミング』(シネムーブ/北斗/オフィスen)
配給:アークエンタテインメント
(C)Team『八重子のハミング』
公式HP:http://yaeko-humming.jp/

5月6日(土)より 有楽町スバル座ほかにて全国順次公開