映画『ヤクザと家族 The Family』の初日舞台挨拶が、1月29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、主演の綾野剛をはじめ、共演の舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚と、藤井道人監督が登壇した。
『MOTHER マザー』『新聞記者』などを世に送り出したスターサンズと、『新聞記者』のスタッフが再集結して作り出された本作は、1999 年、2005 年、2019 年と変わりゆく3つの時代に、ヤクザとして生きるしかなかった男と、彼を取り巻く人々を、抗争ではなく家族という視点から描いたヒューマンストーリー。俳優たちの熱演に心奪われる一級のスタイリッシュ・エンタテインメント作品となっている。少年期に柴咲組組長の危機を救ったことからヤクザの世界へ足を踏み入れた男・山本賢治役を綾野剛。身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博を舘ひろしが演じる。
公開前から試写で鑑賞した人々の評価も高い本作。周囲の反応を聞かれた綾野は「『大傑作だ』と言われ、素直に嬉しいです。自分自身の集大成であるし、最愛の作品。自分たちの愛をちゃんと受けとってもらえたんだなと。僕たちは受け取ってもらうことがすべて。映画という家族に愛された気がしています」と感慨深げ。舘も、試写会に行った友人から「『凄く泣いたよ』と言われました」と明かした。
この日は、本作のテーマでもある“継承”にちなみ、物語の中でも意思を繋いでいくメンバーが揃った。舘との共演に綾野は「舘さんは喋らなくてもそのお背中、佇まいで物語を感じさせてくれるんです。それはとても大事なことで、それは磯村くんにも継承されていると思います」と語り、舘から受け取った大切なものを吐露。続けて、「今日着ているスーツは舘さんから頂いたものです。この門出に魂が宿っていると思います」と笑顔を見せると、舘は「僕が着るよりカッコいい! 返してもらいたいな(笑)」と嬉しそうに綾野を見つめた。
本作で映画デビューを果たした小宮山は、この日が初めての舞台挨拶。緊張しながらも「この映画から多くの人が家族の大切さを感じていただけたら嬉しいです」と挨拶すると、「僕の娘は美しい! 美しい娘をお見せできることができて良かった。勝手にグッときています(笑)」と目を細める綾野。
磯村は「賢兄(けんにい)の残したものを継承していくには、賢兄と過ごしてきた、綾野剛さんと過ごした時間がちゃんとしていないといけない。剛さんに凄い愛をもらいました。本当に剛さんはチャーミング! 愛おしい兄貴です!」と振り返り、綾野を思い切り称えた。
また、「この映画を誰に観てほしい?」と問われると、綾野は「今一緒に制作している作品の現場のスタッフやキャストの皆さんにぜひ観てほしい。友人を友人に『僕の仲間です』と紹介するように。そうやって色々なものがシェアされて育まれていったのではないかと思います」と答える。
舘は「亡くなった渡(哲也)さんに観てもらいたいですね。いつも褒めてくれたんです。『ひろし、お前はいいな』と。いつも言ってくれた。怒られるかもしれませんが(笑)」と。
ここで、先日39歳の誕生日を迎えた綾野にサプライズで、「39GO」とデザインされた花をプレゼント。舘から「おめでとうございます。39歳?やりたい放題だね。いいなぁ。今回は綾野くんに引っ張られてこの映画ができた気がします。ありがとうございました。これからも何かありましたら、ぜひ使ってやってください」とお茶目に祝福され、「めちゃくちゃ嬉しいです」と満面の笑みを浮かべる綾野だった。
最後に、綾野は「今日は『花束みたいな恋をした』『名も無き世界のエンドロール』も公開され、いろんな作品が手と手を合わせて、皆さんのお心を華やかに、心の疲弊を少しでも止められるような映画を届けたいと思っています。その思いを汲んでくださり心から感謝申し上げます」と、他の作品公開にも触れながら感謝の気持ちを伝え、「いつか許される日が来たら、自分から皆さんに会いに行きます。その日を楽しみにしています」と目を輝かせ、退場時には何度も深々と頭を下げていた。
【ストーリー】
ただ、愛した。矛盾と不条理のこの世界で、全てを懸けて―― 1999 年、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っている時に、柴咲組組長の危機を救った男・山本賢治(綾野剛)。自暴自棄になっていた自分に手を差し伸べてくれた柴崎博(舘ひろし)に心の救いを得て、二人は父子の契りを結ぶ。
2005 年、短気な面もあるが一本気さのある山本は、ヤクザの世界で男をあげていく。激化する因縁の相手・侠葉会との争い、自分と同じような境遇で育った女性との出会い、大切な家族である仲間を失ってしまうなど、人生を大きく揺り動かす激動の瞬間に愚直なまでに向き合って生きる山本、そして彼は自分の【家族・ファミリー】を守るために、ある決断をするー。
2019 年、14 年もの年月を犠牲にした山本が出所後目の当たりにしたのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなく、存続していくのもギリギリな状態に一変していた柴咲組の姿。時代の流れによる大きな変化に戸惑いな がらも、愛する家族との生活を望み、新たな人生を歩もうとする山本に、状況を根底から揺るがす事件がー。
綾野剛
尾野真千子 北村有起哉 市原隼人 磯村勇斗菅田俊 康すおん 二ノ宮隆太郎 駿河太郎
岩松了 豊原功補 / 寺島しのぶ舘ひろし
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
主題歌:「FAMILIA」 millennium parade
(ソニー・ミュージックレーベルズ)
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子 角田道明 岡本圭三
配給:スターサンズ/KADOKAWA
製作:2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会
©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会
公式サイト:https://yakuzatokazoku.com/
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