映画『余命10年』の公開記念舞台挨拶が、3月5日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、W主演の小松菜奈、坂口健太郎をはじめ、共演の山田裕貴、奈緒と、藤井道人監督が登壇した。
切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり続け、現在すでに50万部を突破している小坂流加の同名小説を『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督がメガホンを取り実写映画化。本作は、20歳で数万人に1人という不治の病になり、余命10年と宣告された茉莉と、生きることに迷い、自分の居場所を見失った和人が恋に落ち、残された時間が迫る中、二人の愛おしい日々と思い出を綴った物語。主人公・茉莉(まつり)役を小松菜奈、同窓会で再会し、恋に落ちる若者・和人(かずと)役を坂口健太郎がW主演で演じる。
公開を迎え、小松は「昨日公開し、様々な感想を目にして、ちゃんと皆さんに届いているんだなと嬉しくて心が満たされています。この映画の最後に『この映画を小坂琉加に捧ぐ』という言葉が大好きで、本当に原作者の小坂琉加さんに届いたらいいなと思って、みんなで愛をこめて1年間この映画を作ってきました。きっとその愛や思いがこのスクリーンの中に映し出されていると思います」と感無量の面持ちでコメント。
茉莉と和人の感情の変化が印象的な本作だが、お互いの演技を真近に見て、小松は「和人は坂口くんで、坂口くんは和人という絶対的な存在でした。いろんなシーンがあったけれど、(坂口が)投げかけてくれる笑顔が救いだったことは間違いありません。スクリーンに生きている和人は本当に素晴らしく、1人の青年が成長してちゃんと生きていた。ラストの桜のシーンではその先にちゃんと茉莉が見えていて、これを見たときにこの映画は大丈夫だと思いました」と坂口の存在に感謝。
完成作品を観たあとに互いに感想を伝えあったという小松と坂口。小松は「これまでの作品ではなかったことなので、素直にこの作品に出会って良かったです」と微笑む。
坂口は「僕が先に試写を観たんですが、その思いを早く伝えたくて」と。「和人は彼女と出会って変化していくのですが、途中まで茉莉の心の奥底は知らない。茉莉は一番言いたいことを打ち明けられなくて、その時の笑顔はただの笑顔じゃなくその1つ先の感情を作らなければいけないので、計り知れない辛さがあったんじゃないかなと思います。茉莉がむき出しで生きている感じは言葉にできないほど美しいものでした」と1年間を振り返りながら、小松の演技を称える。
山田は「僕が出演しているシーンは楽しい場面が多いのですが、この映画は生きていれば何かにぶつかることがあったり、不安に思うこともあるけれど、前を向いて進んでいかなければいけない・・・強く生きようと思えるメッセージが詰まっていると思います。皆さんにも何か力になるようなものが届いていたら嬉しいです」と、自身も作品に感銘を受けた様子。
奈緒は「1年を通して四季を感じながら、この4人と藤井さんと一緒に撮影して、(映画を観て)たくさんのことを感じている皆さんの前に立てて本当に幸せな気持ちでいっぱいです」としみじみ。
早くも大きな反響を受けている本作だが、藤井監督も「いち作り手として、小坂さんのご家族に『この映画を家宝にします』と言ってもらったこと、俳優部、スタッフが(この作品を)愛してくれて興奮して話してくれたことが本当に嬉しいです」と感激を隠せない。
最後にサプライズで小坂琉加さんのご家族からキャスト・監督に向けて手紙が届き、MCが代読。「この度は娘の本をこのように素晴らしい映画にしてくださり、本当にありがとうございました」と読み始めると、たちまち小松と奈緒の目には涙が。
手紙には「丁寧な映画作りを拝見させていただき、日に日に『余命10年』が出来上がっていくことは娘を失った私たち家族にとっては心救われるものでした。家族の中で最後に生まれた私が最初に死ぬなんてなぜ?と言われ返す言葉が見つからないまま旅立たせてしまった娘の姿が目に焼き付いておりますが、この映画のおかげで笑顔でいる姿に変わりました。藤井監督は心が深く、私たちに寄り添ってくださいました。菜奈さんは可愛くて笑顔が素敵。痩せた体が心配です、どうか元気で。坂口さんはお話するとき背を縮め、目線を低くしてくださり優しい和人そのものでした。温かい方々に作られた作品ですので、多くの人の心に届くこと、伝わることは間違いありません。ありがとうございました」と、感謝溢れる温かいメッセージがしたためられており、涙が止まらない小松。坂口も言葉に詰まらせながらも「和人として茉莉さんが生き抜いた瞬間に立ち会えたことが本当に幸せでした」と話していた。
映画『余命 10 年』
<ストーリー>
20歳で不治の病にかかり、もう恋はしないと心に決めた余命10年の茉莉。生きることに迷い、自分の居場所を見失った和人。同窓会で再会した2人は惹かれあい、ありふれた毎日が嘘みたいに輝き出す。思い出の数だけ失われていく時間――彼らが最後に選んだ道とは?
【スタッフ・キャスト】
原作:小坂流加「余命10年」(文芸社文庫NEO刊)
監督:藤井道人
脚本:岡田惠和 渡邉真子
出演:小松菜奈、坂口健太郎
山田裕貴、奈緒、井口理 / 黒木華
田中哲司、原日出子、リリー・フランキー / 松重豊
音楽・主題歌:RADWIMPS「うるうびと」(Muzinto Records / EMI)
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【コピーライト】©2022映画「余命10年」製作委員会
【原作書影クレジット】文芸社文庫NEO刊
【映画公式ツイッター/インスタグラム】@yomei10movie #余命10年
【映画公式サイト】https://wwws.warnerbros.co.jp/yomei10-movie/
大ヒット上映中!