映画『湯道』の初日舞台挨拶が、2月23日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、主演の生田斗真をはじめ、共演の濱田岳、橋本環奈、柄本明と、脚本を手掛けた小山薫堂、鈴木雅之監督が登壇した。
本作は、『おくりびと』(08)の脚本を手掛け、ご当地キャラクター「くまモン」の生みの親でもある小山薫堂が、日本の文化「お風呂」について精神や様式を突き詰める新たな道・「湯道」を、完全オリジナル脚本で映画化。実家の銭湯「まるきん温泉」を畳んでマンションに建て替えようとする兄・三浦史朗が、史朗と犬猿の仲である銭湯を守る弟・三浦悟朗が対立し、銭湯で働く看板娘や常連客たちと共に奮闘していく様を描く。三浦史朗を生田斗真、三浦悟朗を濱田岳、看板娘を橋本環奈が演じ、銭湯「まるきん温泉」に通う常連客に、天童よしみ、クリス・ハート、戸田恵子、寺島進、厚切りジェイソン、浅野和之、笹野高史、吉行和子、ウエンツ瑛士、朝日奈央、吉田鋼太郎、夏木マリ、柄本明。そして、湯の道に魅せられた「湯道会館」の人々に、小日向文世、角野卓造、生見愛瑠、窪田正孝ら超豪華キャスト陣が大集結。心も身体もシットリ感動、ホッコリ幸せな気分に整う、“お湯”を愛する全ての人々に贈るお風呂エンタメが完成した。
公開初日を迎え、鑑賞後の観客を見渡しながら、生田は「本当にこの日を心待ちにしていました。皆さまのひとっ風呂浴びたような爽やかな笑顔を見ることができて凄く幸せです」と満面の笑みを浮かべ、濱田も「まるでお風呂のような温かさですね」と生田の言葉に同調する。
脚本を手掛けた小山は「何度も観て追い炊きをしてください。Blu-rayがでたらかけ流しして」とアピールしつつ、“湯道”の家元という立場からは「でも、この映画の湯道は嘘ですからね。間違った湯道が広まったら困るなぁ」と苦笑い。それでも、「この映画が日々の幸せのきっかけになれば」とニッコリ。
本作について初めて話を聞いたとき、橋本は「“湯道”って言葉はしっくりくるけど、聞きなれないこともあって、華道とか茶道とか日本の伝統的な文化があるので、湯道があってもおかしくないなと思いました」と回顧。
生田も「ワクワクしましたね。日本が世界に誇るべき文化の1つだと思いますから。これは日本でしか作れない映画になると確信しました」と、本作との出会いを喜んだ。
濱田は「最初にお風呂の映画と聞いて、(自分は)こんなに小っちゃくて、そんなに濃くない顔が古代ローマ人でいいのかなと思ったんですけど・・・」と会場の笑いを誘いつつ、「日本で暮らせて良かったと思えるような、昭和時代にあったステキな温かい映画に出られてような感覚でした。もう二度と叶わないような夢だったので、そんな夢を叶えていただいたようで嬉しかったです」と感慨深げ。
重鎮たる俳優陣が顔を揃えている本作。圧巻ともいえるクライマックスシーン、豪華セットにも監督のこだわりが詰まっている。他にも、生田と濱田は五右衛門風呂のシーンがお気に入りの様子で、「いいセットだったよね。楽しかったよね。最高でした」と顔を見合わせ、濱田は「監督がいきなり(自分たちの)前張りなしで、撮り始めて(笑)」とエピソードも披露した。
また、イベントでは「お風呂」にちなみ、「いま注目していること」「とっても驚いたこと」「マイブーム」を“沸く(いた)』こととして、『私は〇〇に沸く(いた)』とフリップに書いて発表する企画も。
濱田は「スクワット」、橋本は「海外旅行」と書き、「今年の1月にカナダに行ったんですが、お風呂の温かさが身に染みた」と吐露。監督は「お風呂のあとの水」と答え、熱いお風呂の後に浴びる水に快感があると話す。柄本は、近所の「石川湯」という銭湯にハマっていると言い、「だいたい、夕方5時頃に行ってます。家か5分くらいで」で説明する。思わず生田が「そんなことを言ったら皆行っちゃいますよ」と慌てると、「来ないって(笑)」と笑い飛ばしていた。
生田は「お茶場」と発表し、「現場の休憩所にちょっとしたお茶やチョコやおせんべいとかのお菓子がワゴンにあって・・・。それが充実しているとテンションが上がるんですよね」と答える。そして「オフィスとかにもあるのかな?」と会場に話を振ると、MCのフジテレビ・山﨑夕貴アナウンサーが「アナウンサー室にもそういうスペースがあるんですけど、軽部さんが一日で食べちゃうんですよね。そういう盗人観たい人いるんですかね?」とコメント。会場が大きく沸くと、生田が「もう、また山﨑さんの名前がネットニュースのトップになっちゃう・・・前回のイベントでも山ちゃんが話したエピソードが面白過ぎて」と、肩を落としていた。
最後に生田が「一度と言わず、二度三度この映画を追い炊きしてほしいです。ご家族、お友達、恋人、たくさんの方々にご覧になってほしい。やっぱり一緒にお湯につかるとその人のことをもっと好きになったり、その人のことをもっと深く知れたりする気持ちになるのがお風呂の魅力。皆さんの今日のお風呂がより気持ち良くなることを祈っております」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
<映画ストーリー>
亡き父が遺した実家の銭湯「まるきん温泉」に突然戻ってきた建築家の三浦史朗(生田斗真)。帰省の理由は店を切り盛りする弟の悟朗(濱田岳)に、古びた銭湯を畳んでマンションに建て替えることを伝えるためだった。実家を飛び出し都会で自由気ままに生きる史朗に反発し、冷たい態度をとる悟朗。一方、「入浴、お風呂について深く顧みる」という「湯道」に魅せられた定年間近の郵便局員・横山(小日向文世)は、日々、湯道会館で家元から湯を学び、定年後は退職金で「家のお風呂を檜風呂にする」という夢を抱いているが、家族には言い出せずにいた。そんなある日、ボイラー室でボヤ騒ぎが起き、巻き込まれた悟朗が入院することに。銭湯で働いているいづみ(橋本環奈)の助言もあり、史朗は弟の代わりに仕方なく「まるきん温泉」の店主として数日間を過ごす。いつもと変わらず暖簾をくぐる常連客、夫婦や親子。分け隔てなく一人一人に訪れる笑いと幸せのドラマ。そこには自宅のお風呂が工事中の横山の姿も。不慣れながらも湯を沸かし、そこで様々な人間模様を目の当たりにした史朗の中で徐々に凝り固まった何かが解されていくのであった・・・・・・。
映画『湯道』
●出演:
生田斗真 濱田岳 橋本環奈
小日向文世 / 天童よしみ クリス・ハート 戸田恵子 寺島進
厚切りジェイソン 浅野和之 笹野高史 吉行和子 ウエンツ瑛士 朝日奈央
梶原善 大水洋介 堀内敬子 森カンナ 藤田朋子 生見愛瑠
吉田鋼太郎(特別出演) 窪田正孝(特別出演) 夏木マリ 角野卓造 柄本明
●企画・脚本:小山薫堂(『おくりびと』)
●監督:鈴木雅之(『HERO』シリーズ、『マスカレード』シリーズ)
●音楽:佐藤直紀
●配給:東宝
●Ⓒ2023映画「湯道」製作委員会
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