映画『ゆずりは』の初日舞台挨拶が、6月16日、東京・新宿K’s Cinrmaにて行われ、主演の滝川広志をはじめ、共演の柾木玲弥と加門幾生監督が登壇。また、本作に出演の子役・武田ココナも花束を持って公開のお祝いに駆けつけた。
新谷亜貴子の同名小説を原作に、300以上もの多彩なものまねレパートリーで日本を代表するエンターテイナー、コロッケが、本名の滝川広志として初主演を果たした本作は、実在の葬儀社を舞台に、“生と死”に真正面から向き合い、大切な人を見送る人々とその交流を描いた心温まる物語。葬儀社に務めるベテラン社員・水島役を滝川、葬儀社の新入社員・高梨役を柾木玲弥が演じる。
観客の拍手で迎えられた登壇者たち。MCは、本作にも出演している大和田紗希務めた。この日は俳優・滝川広志として挨拶するもMCから「それでは、美川憲一さん」と紹介された滝川は、条件反射のようにモノマネで応える。続けて「福山雅治さん」「志村けんさん」と求められると、やはりしっかり応えて観客にサービスし会場を盛り上げた。
そのノリで、柾木にも「志村けんさん、ご挨拶をお願いします」と振られると、「それは聞いてない!(笑)」と柾木を慌てさせる場面も。
映画初主演を飾った滝川は「最初にお話をいただいたときは、どっきりカメラかと思いました」と苦笑い。「今まではそういう仕事が来なかったんです。何に出てもお前はコロッケだからって。『愛・旅立ち』という映画には出ましたが、(ウエイトレス役の)中森明菜さんから注文を聞かれて答えるだけ。それが突然主演ですよ。どこかに絶対どっきりカメラが仕掛けてあるんじゃないかって、(カメラが入っていそうな)ボックスを探しましたもん」とオファーを受けた当時を振り返った。
監督から「ふざけないでくれ」と言われたそうで、「38年ふざけてきた人にふざけるなって・・・」と困惑もあったようだが、「現場では一切ふざけなかったですよ」とキッパリ。「(千葉県)八千代市で3週間ビジネスホテルに泊まり、コロッケを捨てて役に入り込みました。普段の生活でも(コロッケを)封印していました。寡黙な日本人の男性で、私の等身大の年齢の役。喋り方も普段の感じではなくなっていました」と、役に没頭したことを吐露。
また、役作りのため体重を7kgも落とし、もみあげもカットしたとのこと。撮影中、夜の食事は無しで、「キャベツばかり食べていました」と、そのストイックさに観客を驚かせていた。
隣に立つ柾木にも目を向け、「ジュノンボーイの彼がね、いい味出してるんですよ」と称えると、恐縮しきりの柾木。
そこに、武田ココナが花束を持ってサプライズ登場し、滝川に贈呈。武田は滝川の印象を「グッズももらって、お話も面白くてお父さんみたいに優しかったです」と可愛い笑顔を見せる。その言葉に目尻を下げる滝川は、武田について「これから大活躍します。現場で話しかけられないくらい、鬼気迫る演技を見せてくれました。有望株です!」と、太鼓判を押していた。
最後に、滝川が「笑いは一切ございません。お葬式の映画の中で類をみないくらいの作品です。新人や大人の成長、心の葛藤を描いたヒューマンドラマで、“生と死”について考えていただけるものになっていますのです。命がけでやりました。全員が主役です。ぜひご覧ください」とメッセージを伝え、舞台挨拶を締めくくった。
映画『ゆずりは』
<ストーリー>
「死」と向き合う現場で、命の尊さと大切な人への思いを描く
長年、葬儀の仕事に携わってきたことで、心を押し殺すことに慣れてしまった水島。遺族の前では決して涙を見せない彼が、一見、軽薄そうに見えて繊細な心を持つ若者、高梨と出会ったことで熱い感情を取り戻していく。実際のエピソードを元に、永遠の別れと再生を描いたハートフルな人間ドラマ。
「ゆずりは」とは……春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから、その名で呼ばれる。
監督:加門幾夫
脚本:吉田 順 久保田唱
出演:滝川広志 柾木玲弥 原田佳奈 高林由紀子 島かおり 勝部演之
原作:新谷亜貴子「ゆずりは」(銀の鈴社刊)
©「ゆずりは」製作委員会
公式サイト:http://eiga-yuzuriha.jp
配給:アジアピクチャーズエンタテインメント エレファントハウス
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