“ついに日本のメディアが、揺らぐ。” 堂場瞬一原作、メディア業界に激震が走る、三部作の完結編が早くもドラマ化決定しました。日本を代表する巨大新聞社が発行部数の低迷から身売りを画策。それを狙うのは、トランプ大統領を彷彿させる外資を率いた日本人だった!
伝統ある巨大新聞社が外資へ“身売り”を画策するという衝撃的なストーリーを展開。WEBでのニュース閲覧が一般化する昨今、“メディアのあり方”を問う本格社会派ドラマです。日本を代表する新聞社・日本新報は、発行部数の激減、広告収入の低迷か ら身売りは不可避と判断し、外資を率いる日本人・青井との交渉を開始する。しかし、過激な要求と暴君のような青井に日本新報は翻弄されることになる。戦後日本の論壇を支え、政局にも深く関与してきた「新聞社」という“既成制度”は 崩壊していくのか!? そして、新聞社の身売りを引き受ける青井の真意とは? 原作は、堂場瞬一の小説「社長室の冬」。本作は「警察回りの夏」「蛮政の秋」に続く“メディア三部作”の完結編になる。今回のドラマ化では、身売り交渉の相 手となる青井に主人公を変更してお届けする。主役を務めるのは三上博史。「 連続ドラマW 下町ロケット」で夢を追う中小企業社長を演じた三上が、今回は 外資系企業の日本法人社長に扮し、まるでドナルド・トランプを彷彿とさせるような“暴君”を演じる。
【STORY】
日本最大の新聞社、日本新報社長の小寺政夫はついに決断した――日本の新聞社初となる“身売り”を実行するのだ。相手は米巨大ネットショッピング会社AMCの日本法人社長・青井聡太(三上博史)。黒船のように現れた外資が、日本の新聞を飲み込もうとしている。そんな折、小寺が急逝。後任の新里明が引き継ぐ事に。しかしこの交渉は簡単には進まない事が予想された。なぜならば、青井は日本新報の元記者で、新里とは浅からぬ因縁があったのだ。 そんな中、社長室の南康祐は、新里からこの交渉の補佐を命じられることに。もともと記者であった南はある事件によって社長室へと異動になったのだ。一方、絶対に「日本新報社」の名を残したい創業者一族の長澤英昭は、国会議員・三池高志を訪ね、交渉の妨害を要請。三池は今まで日本の政治の裏工作を一手に引き受けてきた男であった。 そして物語は日本最大の新聞社を巡り、青井が最終的な身売り引受け条件を提示する。新里や南も震撼する衝撃の内容とは……!?
<放送情報>
■番組名 : 「連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」
■放送日時 : 4月30日(日)スタート(全5話) 毎週日曜 夜10:00 ※第1話無料放送
<スタッフ / キャスト>
■原作: 堂場瞬一「社長室の冬」(集英社)
■脚本: 田中眞一(ドラマ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」ほか)、三浦駿斗(「連続ドラマW 海に降る」ほか)
■プロデューサー:黒沢 淳、渋谷未来、近見哲平
■プロデュース: 東 康之
■演出: 村上牧人( 「連続ドラマW 誤断」ほか)、山内宗信(ドラマ「幕末グルメブシメシ!」ほか)
■主演: 三上博史
主演 三上博史(青井聡太役)
■台本を読んだ感想を教えてください。
普段生活する上であまり感じる事はなかったのですが、今の時代は情報過多なんだということを改めて考えさせられる内容でした。新聞もWEBもそうですけど、ニュースソースが溢れている中で、ひとつの情報をどう受け取ったらいいのか、自分がどう使ったらいいのか、さらには周りにどうシェアしていくのか。一見当たり前のようにみえるけれど、実はとても難しい課題をこの作品では投げかけていると思います。
■今回演じられる、青井はどんな人物ですか?
青井はニュースのあり方というものについて、WEB社会である世相を上手く取り入れたプロフェッショナルといえます。外資系企業の日本法人社長という役柄 で、トランプ大統領のようにメディアと真っ向から向き合い、対峙したときの憤りですらもたくましく利用する人物像に近いのかもしれません。僕としては道徳 や倫理的なことを考えてしまい、悩ましく思う部分はありますが、自分がどうやって生業を立てているのかということに立ち返ると、青井やトランプ大統領のような、ブレない信念やビジョンを持っているたくましさは見習わなきゃいけないのかもしれないと、今回の役を通して考えさせられました。ただ、僕も演じることに対しての“執念”という熱量では青井に負けていないと思いますので、そういった部分を演技で存分に発揮できればと思います。ただ、たまにこだわり過ぎ て“悪魔”って言われることもありますが(笑)。
■視聴者の皆様へのメッセージをお願いいたします。
表現者としてこんなにものびのび演技させていただけるWOWOWで、今回また演じられることがとても楽しみです。また、今後発表になりますが、制作陣の 皆さんが一所懸命工夫を凝らしてくださって、物語に命を吹き込む素晴らしいキャスティングが実現しました。僕自身もワクワクしているという気持ちを、視聴者の皆様にも作品を通してお伝えできたらと思います。
演出 村上牧人
■「連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-」の監督を務めることになったときの感想をお願いします。
一昨年、連続ドラマWで堂場瞬一さん原作の『誤断』の監督をさせていただきました。三ヶ月間、リアルで重厚な男の世界に浸りきり、撮影が終わった後は 抜け殻のようになりました。今回再び、あの、ひりひりした堂場ワールドに身を投じられることに深い興奮を覚えています。
■ドラマを通してどのようなことを伝えたいですか?
また、どのようなドラマに作り上げたいと思っていらっしゃいますか? 巨大新聞社の崩壊と、メディアの再生を題材とした今作ですが、社会派や企業物といった枠にとらわれず、生身の人間たちが「刺すか刺されるか」の関係 で繰り広げる“活劇”かつ、“熱い人間ドラマ”に仕上げたいと思っています。
■視聴者の皆様へのメッセージをお願いいたします。
登場人物それぞれに「正義」があり、その「正義」と「正義」がぶつかり合うところに「ドラマ」が生まれます。男たちの闘いに、ご期待ください
プロデュース 東 康之
■本原作をドラマ化する意図について
スマホやSNSの普及で、ニュースは必ずしも紙の新聞で読むとは限らなくなってきました。さらにネットではさまざまな言論が飛び交い、新聞の使命とその 未来が今、問われています。折しもアメリカではドナルド・トランプ大統領が誕生し、既存の新聞社を「フェイクニュース」と呼んで攻撃する事態も発生。そんな今、「新聞社の身売り」という日本のマスコミが揺らぐ事件を描いたこの原作に出会い、ぜひともWOWOWでドラマ化したいと思いました。
■三上博史さん起用理由とは?
今回のドラマ化では、原作の主人公を日本新報の南という青年から、身売り引き受けを狙う外資系企業の青井に変更させていただきました。そして青井に今話題のトランプ大統領を彷彿とさせるキャラクター性を付与しました。人々を扇動する過激な弁論術、危険なまでの彼のスタイル から人々はどうしても目を離すことができない……。そんな本作の主人公には、どんな難役も演じ分けられる三上博史さんしか思い浮かびませ んでした。WOWOWで数多くの名作を残してきた三上さんに、またひとつ新たな伝説を作っていただきたく思っております
原作 堂場瞬一
■堂場先生原作小説「社長室の冬」のドラマ化が決まった感想をお願いします。
原作は「メディア三部作」の最終巻になります。新聞という伝統ある巨大メディアが、外部の力によってじわじわと浸食さ れる様を描いてきましたが、無事に完結した直後に映像化の話をいただいて驚きました。諸般の事情で、映像化はなかなか難しいと思っていたので、まずはこのチャレンジ精神に敬意を表したいと思います。映像化による業界内外の反応 についても、怖いような楽しみなような気持ちです。
■主演、三上博史さんの印象を教えてください。
多数の映像作品や舞台を通して、変幻自在の演技を見せる役者さん、というイメージがあります。今回演じていただく青井という人物は、単に「外資の手先になって自分の古巣の買収を手がける」というだけの単純な人間ではありません。 様々な経験、複雑な思いを胸に抱き、裏も表も横もある、一筋縄ではいかない人物です。三上さんの手によってどのよ うな「青井像」に仕上がるのか、非常に楽しみです。
■ドラマに期待することなどありましたら教えてください。
企業の身売り話を描いた小説は、裏の話が多いが故に、ダイナミックな展開にするのが意外に難しいものです。特に今 回は、様々な人間の思惑が複雑に絡みあった「陰謀劇」の色合いが強く、ある意味、非常に陰湿な仕上がりになってい ます。ドラマでは、原作の持ち味を生かしつつ、より動的な展開を見せていただけるものと期待しています。また、新聞 社ならではの特殊な世界がどう描かれるかも楽しみです。
■視聴者の皆様へのメッセージをお願いいたします。
新聞社というのは、やはり通常の企業ではありません。何故ならば、必ずしも利益優先ではない――正確な報道のために新聞を出し続けることこそが、最優先の課題なのです。特殊な世界の物語ですので、普通のサラリーマンの方には拒絶反応が出るかもしれませんが、情報化社会の現代を象徴する話になります。明治から続くエスタブリッシュメントの常識が、新時代の流れの中で崩れゆく様を楽しんでいただければと思います
■原作本紹介
日本新報の新聞記者・南康祐は、会社にとって不利益な情報を握る危険人物であるとみなされ、編集局 から社長室へと異動させられる。その頃、新聞社に未来はないと判断し、外資系IT企業・AMCへの「身売り」工作を始めていた社長の小寺が急死する。九州に左遷されていた新里が急遽社長に就任することとなり、売却交渉を引き継ぐが、労働組合から会社OBまで、多方面から徹底的な反発を受ける。危機に 瀕した大手新聞社が行き着いた結末とは――。
原作/堂場瞬一「社長室の冬」(集英社)