筒井康隆の伝説のミリオンセラー小説『富豪刑事』(新潮文庫刊)が45年の時を経てテレビアニメ化!「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」が4月9日より、フジテレビ“ノイタミナ”ほか各局にて放送が開始される。監督は、『HELLO WORLD』『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』『僕だけがいない街』などで知られる伊藤智彦、シリーズ構成・脚本に『ハイキュー!!』『ジョーカー・ゲーム』『僕だけがいない街』の岸本卓、さらに、キャラクターデザインに『七つの大罪』『青の祓魔師』『僕だけがいない街』の佐々木啓悟、アニメーション制作にCloverWorksという強力なスタッフが集結。
ケタ外れの資産を持つ神戸家の御曹司・神戸大助が情に厚い男・加藤春とバディを組み、様々な事件を解決していく。現代を舞台に新たなストーリー・新たなキャラクターで、より華やかに大胆に生まれ変わった「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」の主演として、ダンサー、俳優として活躍する大貫勇輔がアニメ声優に初挑戦。難しいながらも、声優の仕事が楽しい!と目を輝かせる彼に話を聞いた。
― 声のお仕事としてはとしては映画『キャッツ』のスキンブルシャンクス役の吹き替えが記憶に新しい大貫さんですが、アニメ声優の初挑戦はいかがでしたか?
この役はオーディションで勝ち取ってやらせていただくことになったんです。僕は元々ダンサーですが、舞台、映像など色んなお芝居の仕事をやらせていただいています。このオーディションのお話を聞いたときは、声だけの仕事という新しいことにぜひチャレンジしたいし、絶対やってみたいという思いが強くありました。オーディションに受かってからは、新しい挑戦に不安もありましたが、楽しみのほうが大きかったですね。
アフレコに挑戦する前に意識的にアニメ作品を見るようになりました。それまでは画の表情が動いていると思っていたんですが、よく見ると声優の声によって、キャラクターの顔の表情がより豊かになっているように感じたんです。これがプロの声優の仕事なんだ!と気づいて、いかにその映像に自分の声で生きてる感を出せるかが大事なポイントなんだと思っています。
ただ、やっぱり先輩の皆さんが素晴らしくて、圧倒されて正直ちょっと落ち込みそうなときもありますが毎回アフレコでは失敗を恐れず、自分なりにトライさせていただいています。
― 俳優として映像にご自身が出ることと、声だけで出ることは大きく違いますか?
映像は、(声以外の)他の部分が使えます。例えば、声のトーンでは嘘をついているけど、顔の表情では本当のことが出てしまっているとか。(アニメにも)映像はありますが、裏と表、一つではない感情・・・言葉の裏にあるものを声の質感で表現しないといけないので、大きく違うと思います。
― 「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」の面白さは何だと思いますか?
筒井先生が最初に書かれたものは1970年代の時代設定なので、今回は現代に合わせ、ガジェットも最先端技術のものが登場します。
それが「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」の面白さの1つでもあるので、楽しんでいただけるのではないでしょうか。他にも神戸大助はお金の力で何でも解決できる能力がある。そんなに払えるんですか!?という大金をサラッと出すところが、絶妙にカッコいいんです。そして、宮野さん演じる加藤春と、バディを組むのですが・・・。全然バディらしくなくて、この凸凹コンビがだんだんバディっぽくなっていく様子であったり、どんな謎が解き明かされていくのか、僕たちもまだ分かってないのでとても楽しみにしています。台本をいただいて読むと毎回驚きと発見があって、僕自身も楽しみながら毎回アフレコしています。
あと、音楽がめちゃくちゃカッコいいんですよ。シーンの展開にスピード感があって、決めゼリフのところでカッコいい音楽が入ってくる! テンションを上げてアフレコしながら楽しんでいます。
― 神戸大助という人物にどのような印象を持っていますか?
お金で何でも解決できると思っている人間で、究極のマイペース。他人に全然影響を受けない人だから、加藤から何をいわれても自分のテンポで物事を進めていくんです。でも、どこか浮世離れしているというか、天然で世間知らずなところが可愛らしくてギャップ萌えしちゃうんですよね。
― 可愛らしさを演技のなかで表現されている?
それが意図せず可愛くなってしまうんです。こちらとしては別に可愛く何かをしているわけではなくて、ただ自然に大助を演じているのですが、それが勝手に可愛く見えてしまうんです。
― 究極のマイペース人間の神戸ですが、大貫さんご自身と共通している部分はありますか?
周りからはよく“貴族っぽい”って言われるんです。ダンサーならではの姿勢の良さからでしょうか?(笑)一見クールであまり喋らなさそうに思われることも多いのですが、そういうイメージを持っている方々は、けっこう大助に似ていると思うかも。でも、実際の僕は全然似てないです!喋るのが大好きな人間なんで(笑)。どちらかというと僕は空気を読む方だし。
― では、ご自分とは逆のキャラクターを演じているんですね。
彼のクールなモードとはかなり違うと思います。だから演じていて面白いですね。(自身が出演する)舞台の関係で4話から皆さんと一緒に参加したのですが、その時に、アニメーションに声をあてることはキャッチボールなんだなって感じました。お芝居はやっぱりキャッチボールがとても大事なので、そのキャッチの仕方を意識するようになりました。
― 加藤春役の宮野さんとご一緒されるシーンが多いと思いますが、共演されていかがでしたか?
今回宮野さんとご一緒するのは初めてですが、僕が宮野さんを初めて知ったのは、アニメ版「DEATH NOTE」の夜神月でした。アニメを見ていて「この人の声カッコいいな」と思って名前を調べたのが宮野真守さんだったんです。
それからバラエティ番組に出られている姿を見て、お人柄も面白く本当に才能豊かな方で一気にファンになりました。いろいろなジャンルで活躍されていて、声優にとどまらずたくさん引き出しのあるすごい方だと思っていたら、今回ご一緒できる!しかもバディというので、すごく嬉しかったです。もう本当に大尊敬する先輩であり、ファンです(笑)。
先日、宮野さんに「声優で一番大事なことって何ですか?」と尋ねたら、「慣れが大事だと思うよ。今年で19年目なんだけど、やっと最近慣れてきたんだよね」っていうんですよ。僕は今回初めてなんですけど!って思いました (笑)。
宮野さんも声優という軸を持ちながらいろんなことをやられている方で、僕はダンスを軸にしていろいろと活動しています。分野は違えど共通点もたくさんあって、考え方が似ていたり、お話していると刺激になることばかりです。一緒にいて本当に楽しいです。
宮野さんは大先輩ですが、とても気さくに話しかけてくださって。初めて皆さんとアフレコするときはもうめちゃくちゃ緊張してたんですが、宮野さんが緊張を和らげてくださいました。あと、声優界ならではの分からない専門用語についても丁寧に教えてくださって、ありがたくて感謝しかないです。“慣れ”ということもあるので、毎回皆さんからどれだけ盗めるかということを意識し、皆さんが演じられているときにどんな風に体を使っているか、どういう声をはめるのかなどを必死に見て聞いています。
― ドラマや舞台とは違う声の使い方をしているそうですが。
まず舞台は広い空間ですし、マイクの質によって話し方が変わります。映像の芝居では自然な喋りになりますし、アニメーションの場合は息のニュアンスもあります。大助の場合は普段の僕の声より低いところで話しているので、そこに息を合わせなくてはいけない。息の吸い方、話終わりの息の止め方、漏れ方などの息の分量に気を付けてアフレコをしています。
― 技術仕事ですね。
本当にそうだと思います。でも正直なところ、声優の先輩たちが何をやっているのかははっきりとは分からないんですよ。なんだか分からないけど、「凄い!」みたいな(笑)。目を閉じていると、どういう顔をしているのか本当に画が浮かぶんです。だから今は自分なりに考えて試してみての繰り返しです。
― 今は逆に、声優の方が舞台に立つ場面も多いかと思います。そういう方々をご覧になって、声優ならではの技術を持っているなと感じることはありますか?
宮野さんが「自分がしたい感情を声では表せるけど、そのときにどういう体になってるのか、舞台に出演したときに初めは分からなかったんだよ」と仰ったことがあって、僕とは逆で面白いなと思いました。
僕は体では表現できるのに、これでどうやって声を出したらいいんだろうっていう、ある意味逆の体験をしていたんです。
― ダンサーとしての活動が、声優として活かされた部分はありますか?
これは映画『キャッツ』の吹き替えの時に体感したんですが、実際に体を動かすと声がバウンスするんです。映像に似たような動きをすると役と同じような息づかいになるので、実際に声を出すときには体を使っています。緊張しているときは体を本当に硬直させるとか。宮野さんの何かを食べているとき、携帯を肩に挟んでいるときの声を目の前で見たときはめちゃくちゃ感動しました。そういう意味では、僕も体を使うことで声がリアルになるところは活きていると思います。
― 演じるときに低い声で演じられているとのことですが、大助は感情の振り幅があまりないキャラクター。一定の温度で演じる難しさはありますか?
感情の度合いが難しいですね。リハーサルのときに監督が「ここはもう少し感情を出してみようか」「ここは少し抑えてみようか」「クールに」と細かく指示してくださるので、微調整しながらやっています。感情が分かったほうがいいときと、分からないほうがいいときと両方あるので、監督のディレクションをしっかり聞いて声を作っていく感じです。
― 声のなかにも感情が含まれている感じでしょうか?
そうですね。僕はどうしても優しくなりがちな傾向があって、もっとクールにやったほうがいいなと思っています。いつも見下しているような声を意識して作っています(笑)。
― それでは、もし大貫さんが富豪だったら、一番やりたいことは何ですか?
大助レベルの富豪だったら、世界平和のために世界中の困っている人たちにお金を使いたいです。
― 今回、神戸大助は加藤春とバディを組みますが、大貫さんにとっての“相棒”とは?
お酒かなぁ・・・違うなぁ。あ、筋肉です!
筋肉は裏切らない(笑)。信頼しているものの1つです。これがなくなったら自分はダメになっちゃいますね。
― その相棒とずっと一緒にいるために努力されているわけですね。
はい。トレーニングすることが仕事でもあるので、日々努力しています。やっぱりトレーニングしないと肉体は変わらないですね。仕事がない日も必ずトレーニングしています。
― 今回、声優というお仕事にチャレンジされましたが、これからもやってみたいですか?
チャンスがあったらぜひやりたいです。今、やればやるほど声優の深淵に向かっている感じなんです。へこたれそうにもなるんですが楽しいんですよ。毎回発見があるし、どの世界でも慣れ、経験が大事だと思うのですが、それは数をこなさないと手に入れられないもの。やっぱりもっともっとチャレンジしていきたいという気持ちがあります。
― PVを観るだけでも、大貫さんの声が大助にハマっていると思います。
ありがとうございます。オーディションが終わったとき、伊藤監督が「大貫くんの声が大助と合うと思った。あの映像と大貫くんの声が凄く合うんだよ」と仰ってくださって、とても嬉しかったです。
― 大貫さんというとやはりダンサー&俳優というイメージがあるので、ファンの方たちもまた新しい大貫さんを発見できるのではないでしょうか?
ファンの方々にしてみれば「大貫勇輔が声優!?」と驚かれていると思います(笑)、僕も4月9日の放送スタートが楽しみでワクワクしています。
― それでは最後に、大貫さんから見た本作の見どころと、これからご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。
1話ごと、謎の部分が少しずつ出てきますが、「これって、こうだったんだ」という驚きと発見もありますし、最先端技術のガジェットや、お金で難事件を気持ちよく解決していく爽快感もあります。加藤春と現対本部のみんなとのバランス関係で、クスッと笑えたり、カッコいい音楽が流れてスピード感もあるので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
【大貫勇輔(おおぬき・ゆうすけ)プロフィール】
1988年8月31日生まれ。神奈川県出身。乙女座。17歳よりプロダンサーとして数々の作品に出演。
近年の主な出演作品は、舞台「ねじまき鳥クロニクル」、「ロミオ&ジュリエット」「メリー・ポピンズ」など、テレビドラマは「グランメゾン東京」(TBS系)、「ルパンの娘」(フジテレビ系)、などがある。7月~11月に東京・大阪で上演されるミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」への出演が控えている。
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥
TVアニメ「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」
フジテレビ“ノイタミナ”ほか各局にて2020年4月9日(木)25時10分より放送開始
※レギュラー放送は24時55分~
【キャスト】
神戸大助:大貫勇輔
加藤 春:宮野真守
清水幸宏:塩屋浩三
仲本長介:神谷 明
亀井新之助:熊谷健太郎
佐伯まほろ:上田麗奈
湯本鉄平:高橋伸也
武井克弘:小山力也
星野 涼:榎木淳弥
???:坂本真綾
【スタッフ】
原作:筒井康隆『富豪刑事』(新潮文庫刊)
ストーリー原案:TEAM B.U.L
監督:伊藤智彦
シリーズ構成・脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン:佐々木啓悟
サブキャラクターデザイン:田辺謙司
美術設定:藤瀬智康/曽野由大/末武康光
美術監督:佐藤 勝/柏村明香
色彩設計:佐々木 梓
メカデザイン:寺尾洋之
CG監督:那須信司
撮影監督:青嶋俊明
編集:西山 茂
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
音響制作:ソニルード
スタイリングアドバイザー:高橋 毅
ガジェットコーディネート:ギズモード・ジャパン
アニメーション制作:CloverWorks
公式HP:http://fugoukeiji-bul.com
Twitter:https://twitter.com/fugoukeiji_bul
Intagram:https://www.instagram.com/fugoukeiji_bul/
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インタビュー撮影:ナカムラヨシノーブ
大貫勇輔さん
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