テレビ朝日開局65周年記念作品 木曜ドラマ『Believe―君にかける橋―』(毎週木曜 午後9:00)が現在絶賛放送中! 本作は、土木設計者として橋づくりに情熱を燃やす狩山陸(演:木村拓哉)が、橋の建設中に起きた崩落事故により刑務所に収容される困難に見舞われながらも、奮闘していく姿を描く、希望と再生のヒューマンエンターテインメント。
主人公・狩山が信頼する部下の南雲大樹を演じるのは、2019年に「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でリュウソウレッド/コウ役でデビューし人気を博す一ノ瀬颯。デビューから様々な作品に出演し、演技の幅を広げている彼が、このサスペンスと人間ドラマを壮大な作品に挑戦した。
豪華キャストが顔を揃える中、「気後れせず、堂々と演じようと思った」と目を輝かす一ノ瀬。これまで歩んできた俳優の道、そして今後の希望について語ってくれた。
―ドラマ『Believe-君にかける橋-』が放送直後から多くの反響を呼んでいます。
凄く力が入っています。キャストをはじめ、プロモーションなど、作品の規模の大きさと作品にかける本気度というのは演じている僕にも伝わってくるので、それが皆さんに届いていて良かったなと思います。
―一ノ瀬さんが演じられている南雲大樹は、物語の中で1つのキーマンになる役かと。演じられていかがですか?錚々(そうそう)たる俳優の皆さんが揃う中で、メインのメンバーで出演が決まったときのお気持ちは?
凄く驚きました。自分でいいの?という思いもありつつ、これはまたとないチャンスだと考えたので、気後れせず堂々と演じようと前向きな気持ちで参加しました。
― 第1話の橋の事故シーンはまるで映画を観ているかのような迫力でした。一ノ瀬さんもその現場にいらっしゃったのですよね?
はい、でも本物の橋は何事もなく橋は丈夫でした(笑)。もちろん実際にはケーブルが暴れることはなかったのですが、そのシーンは監督が描くイメージで進めていきました。僕の後ろにはエキストラの皆さんもたくさんいて、その方々と一緒に説明を受けて手探りで作っていきました。自分の命に関わるようなことが目の前で起きてるという、とても大きなスケールでどうなるのか全然分からなかったのですが、出来上がったものを見て、こんなに凄いものができたのか!と感動しました。
― 確かにあの緊張したなかで、皆さんが同じ気持ちを共有することは本当に大変なことだと思います。
みんなが気持ちを共有することって本当に難しいことですが、出来上がった映像は違和感がなかったので、頑張った甲斐があったなと思いました。あのシーンは初日から2~3日かけて撮影したのですが、非常に風が強くて、途中ひょうも降ってきて。その時はバスの中で木村さんや竹内さんと待機していたんですが、風が吹くとアトラクションか!というくらい揺れて、そういう意味では映像とは違うところで怖かったです(笑)。橋が落ちて僕が唖然としているカットのときもめちゃくちゃ風が強くてきつかったのですが、物理的に追い込まれた状況だったことに(演じるうえで)助けられたところもあります。
― 戦隊ヒーロー出身の一ノ瀬さんですから、そういう状況は慣れていらっしゃるのでは?(笑)
そうですね、ちょっと懐かしい感じはしました(笑)。戦隊のときも森や山にはよく行っていたので、風が強いのは久しぶりだったかも。あと、(実際には)全く見えないものに対してのアプローチも、グリーンバックに向かってキャラクターの名前を呼んでいたので、その経験が生かされていたかもしれません。
― 南雲は狩山の直属の部下です。今回初めて木村さんと共演されていかがでしたか?
木村さんは本当に細部まで気を配られる方です。常にスタッフのみなさんをはじめ、現場の空気感や進み具合、スケジュールに対しても凄く考えられている感じがしました。座長として現場を円滑に進めるために、一つ大きな歯車であり潤滑油になっている。楽しく撮影が進んでいく中で、ここぞというときは全体が引き締まるようなことを言って鼓舞してくださいます。
一緒に待機しているときは、気さくにお話してくださいました。これまでも様々な役を演じられてきているということもあるかと思いますが、色々なことに興味が深くて知識量が凄いんです。1つの話に木村さんがそれを深掘りして、細かい知識を教えてくださるので、みんなで驚いていました。
― 例えば、どんなお話をされたのですか?
ロケが地方だったので、夜に木村さんと竹内さんと食事に出かけたことがあったんです。例えば・・・その時にから揚げが出てきたのですが、添えられているレモンをどうやったら飛び散らないようにかけられるか等の豆知識を話してくださいました。木村さんは過去に料理人の役も演じられていましたが、その追求心は毎回その役に対して真摯に向き合っている証拠なのかなと。今回共演させていただいて、勉強になることが多かったです。
ー ところで、南雲という役をどのように捉えて演じましたか?
木村さん演じる狩山は常に一つのものを信じ続けてぶれない心を持っています。逆に社長たちは会社の存続のために割り切って隠ぺいをし、人の人生さえも変えてしまいます。そんな中で南雲は一番普通の人間らしい男だと考えました。人ってその時々によって考え方や自分の意見が変わることってあると思うんです。南雲は心情の揺れが激しい役ですが、視聴者の方々にも共感してもらえるんじゃないかと思いました。
― 婚約者役の山本舞香さんとは初共演ですか? 山本さんの印象は?
僕は今「王様のブランチ」にレギュラーで出演していますが、僕の前に“ブランチレギュラー”をされていたのでそのイメージが強かったんです。一度スタジオでもご一緒したことがあったのですが、歯に衣着せぬトークをされていたので、最初からどんどんお話しされるのかと思ったら、最初に挨拶したときに声が凄く小さくて目線も全然合わせないんです。もちろん演じるときはちゃんと切り替えていたので、全然違和感なかったのですが。
僕はいつも共演者の方には自分から話かけて仲良くなっていくタイプですが、(山本さんに)話かけてもずっと下を向いていて。物腰も柔らかくてイメージが全然違いました。でも同い年だったので、僕が「タメ語でいい?」と聞いて話をするようになったら、そこからは加速度的に仲良くなっていきました。
― 演じるうえでキャストの皆さんと話し合うようなことはありましたか?
どちらかというと、監督と話すことのほうが多かったですが、舞香ちゃんとは恋人という役なので、南雲の会社と恋人の前でのテンション感の違いをどう出していったらいいかを相談しながら2人で関係値を作っていったという感じでした。舞香ちゃんは自分の役だけでなく、相手の役のことも考えてくれる方だったのでとても助かりました。
― ところで、一ノ瀬さんは芸能界に入って役者になりたいと思っていたところ、たまたまスカウトされたとお聞きしましたが、そんなことがあるんですね。
昔から芸能界には興味があったんです。でも、僕の家は少し厳しくて、小学生のころは夜8時までしかテレビを見せてもらえなかったんです。毎日部活をして勉強して寝て、朝練もあって6時前には家を出ていたので、ドラマも全然観ていませんでした。
中高生になってからも部活はほぼ毎日でしたし勉強もあったので。夕飯のあとのバラエティー番組を観るくらいだったのですが、小学生のときに戦隊のヒーローを演じている人を見てカッコいいなと思って。やってみたいと親に話してみたら、「厳しい世界だし、生き残っていくのは難しいからあまり勧めない」と言われてしまって。自分もそういうものかとその思いには蓋をしてしまったのですが、高校1年のときに模試を受けるなかの“論述”で「自分の人生の中で半分以上を占める仕事で、お金とやりたいこととどちらを選ぶか」という項目があったんです。それまで周りも勉強して就職する人が多かったので、自分もやりたいことを優先するという考えがありませんでした。でも、その時に凄く自分の人生について問われているような気がしたのを覚えています。そこからやっぱりやってみたいなと思い始めていたんですが、大学を卒業してからかなと漠然と考えていたら偶然スカウトしていただいたんです。
実は、受験で手続きミスをしてしまって・・・紆余曲折あって2年遅れて入学をしたんです。その時は色々大変でしたが、今ではそういう経験も役者をやる上でなにかしら役に立っているのかなと考えるようになっています。
― それでも、事務所に入られてすぐに憧れだった戦隊のレッドの役を演じられ、そのあとも途切れることなく俳優のお仕事を続けていらっしゃるのは素晴らしいです。
本当にありがたいです。最初はお芝居が全然わからなかったのですが、戦隊の作品でお世話になった監督が納得いくまでOKを出す方ではなかったことも恵まれていたと思いますし、今までご一緒してきた皆さんも素敵な方ばかりで良い作品に携わらせていただいたおかげです。毎回たくさん勉強させていただいていますし、色々な出会いに恵まれて感謝しています。
― 俳優として演じる上でいつも心がけてることは何かありますか?
僕は嘘をつきたくないと思っています。泣く演技はちょっと苦手なんですが・・・。例えば泣くときに全然関係ない、むかし飼ってたワンちゃんが死んじゃったときのことを思い出すという話を聞くこともありますよね。それが悪いわけではないのですが、ただ演じる上ではその時点で違うことを考えていると思うので、自分としてはしっくりこない。ほんとうにその人がその人物の置かれている境遇でその感情にならなければいけないと思っているので、お芝居をするときはその人になって生きることを意識しています。
―これまでも色々な役を演じられていますが、今後やってみたい役は何かありますか?
そうですね・・・(しばらく考えて)。学ランとか着る機会があれば早いうちにやってみたい・・・学生役をやれるうちにやってみたいです(笑)。これまで、武将の役や会社員、大学生や、ちょっと変わった役もやってきましたが、制服を着る役に憧れはあります。
― なるほど。それはファンの皆さんもぜひ見たいかも。一ノ瀬さんはどんな俳優さんになっていきたいですか?
どんな役でも任せられると思っていただけるように実力をつけて、多くの方に共感してもらえる、そういう演技ができる俳優になりたいです。
あと、これまでお世話になってきた先輩の俳優の方々の中には、俳優界を変えたい、後輩たちが働きやすい環境を作っていきたいと、自分のことだけじゃなくて業界全体のことを考えていらっしゃる方が多いんです。自分自身のことを離れて考えると、今はどうしてもテレビ離れということがあるので、若い人にテレビの良さ、ドラマの良さ、映像作品の良さをあらためて分かってほしいなと思っています。アジアのほかの国と比べられることも多いのですが、日本のドラマの良さを海外の方にも分かってもらえたら嬉しいですね。そういうことに貢献できる俳優になりたいです。
― 俳優のお仕事を頑張っていらっしゃいますが、「王様のブランチ」も楽しく拝見しています。
僕も楽しいです。スタジオの皆さんも本当に優しくて。何かするとすぐに笑ってくれるので、調子に乗っちゃいますけど(笑)。生き生きとやらせてもらってます。色々経験させていただけて、自分らしさも出せるし。意外と思いきりや瞬発力が芝居以上に求められるんですよ。撮り直しもしないし、けっこうお芝居にも通じるものがあるんです。
― 今回、建設会社の社員という役どころですが、もし一ノ瀬さんが芸能界に入ってなかったらどんな仕事をされていたと思いますか?
芸能界という選択肢がなかったら、僕は資格とかを必要とする職業に就くことが手堅いと思って勉強していたので、司法書士や行政書士を考えていたと思います。一時期、文系か理系か迷っているときに建築士も考えていたんですよ。なので、今回木村さんが建築士の役なので興味がありました。新しいものを作ることはとても素敵だなと思うので、インテリアデザイナーやコーディネーターもいいなと思っていたときもありました。
― ドラマの“Believe”にちなんで、一ノ瀬さんが信じているものは何?
“努力”でしょうか。受験に関しては努力に裏切られた感じはしますが(笑)。自分は本当に勉強が嫌いでしたが、それでもずっと起きている時間は、ご飯を食べながら勉強したときもありました。本当に大嫌いなものと何年も向き合ってきた経験は、楽な方に逃げない自分を作るということに寄与してくれていたのかと思います。ドラマ「テッパチ!」のときも、筋肉が少ししか見えなくても筋トレを誰よりもやろうという思いで続けてやっていました。本当は筋トレが嫌いなんですが、それが当たり前のこととして受け入れて続けることができる。勉強が嫌いだったけれど受験勉強を毎日続けていたし、バスケ部のときも毎日体育館で100往復以上走ってきました。そうやって努力をすることが身についていたのかと。周りから“ストイックだ”とか言われることもありますが、無意識のうちに努力の先があることを信じているのかもしれません。
― 最後にドラマ『Believe-君にかける橋-』のアピールと、これからの俳優としての意気込みをお聞かせください。
ドラマ『Believe-君にかける橋-』では本当に素晴らしいキャストの方々とご一緒できて光栄に思っています。キャストの皆さんの細かいお芝居が随所に光っているのでそれを見逃さないでいただきたいです。木村さんも無駄なカットが1つもなく、どのシーンもワクワクして臨んでいると仰っていましたが、そのくらい素晴らしい作品になってると思うので、ハラハラドキドキしながら最後まで楽しみに見ていただけたら嬉しいです。僕自身としては、また1つ素敵な経験をさせていただけているので、この作品を通してステップアップできるように頑張っていきたいです。今回ポスターにも載せていただきましたが、このような方々とお芝居をするのが当たり前になるよう、その一員となれるように、ひたすら努力して一つひとつの仕事に真摯に取り組んでいきたいと思っています。
【一ノ瀬颯(Hayate Ichinose)】
1997年4月8日生まれ、東京都出身。2019年「騎士竜戦隊リュウソウジャー」で主演を務め俳優デビュー。そのほかの出演作に大河ドラマ「麒麟がくる」、ドラマ「テッパチ!」「いちばんすきな花」「SHUT UP」、映画「仕掛人・藤枝梅安2」などがある。情報番組「王様のブランチ」ではレギュラーを務める。テレビ朝日開局65周年記念木曜ドラマ「Believe-君にかける橋-」に出演中。
ドラマ『Believe-君にかける橋-』
毎週木曜日21:00~放送中
見逃しはTverで配信中
撮影:ナカムラヨシノーブ
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